学習を進めていくと、ある時点で、検定試験を受けてみたいという気持ちが沸きあがってくることと思います。英語のTOEICのように日本国内でよく知られていて、高得点を取ると転職の際のアピールポイントになる…なんてことは少ないにしても、客観的に自分のレベルを把握するために試験を受けておくのも良いと思います。
イタリア語検定とCILS
では、受けるとするなら、日本国内の法人が主催している「実用イタリア語検定試験」と、イタリアのシエナ大学が主催する「CILS(チルス):Certificazione di Italiano come Lingua Straniera」(外国語としてのイタリア語能力を証明する試験)とどちらがよいか?
最終的にはイタリア政府に認定されているCILSをお勧めしますが、初期の段階ではイタリア語検定の方がいいでしょう。
イタリア語検定のほうが受検しやすい
なぜならばCILSは、日本だと東京と大阪の2か所でしか受けることが出来ず、試験項目が多く、時間もかかります。試験結果の発表は約3ヶ月後なので、かなり待たされます。
TOEICや英検のように対策本が豊富なわけではないので、試験勉強にも若干の苦労を伴います。
そして、試験開始前の説明も基本的にはイタリア語。(※注:東京と大阪、レベルによって状況は異なります)。
CILSは東京・大阪のみ
ちなみに私は、関東在住時に東京でCILSを受験し、その後地方都市へ引っ越ししたため、次のレベルは大阪で受験しました。
遠方からの参加だったので前泊し、試験も途中のトラブル(!)を含めてトータル約6時間。イタリアに住むと、物事がうまく進まず時間がかかったり、不測の事態が発生したりというのは日常茶飯事なので、とてもイタリア的な流れではありましたが、とにかく疲れました…。しかしそれだけに、受かった時の喜びと達成感は特大でした!
イタリア語検定まずは3級を目指して
イタリア語検定は、2015年現在、日本国内13都市で受験可能で、過去問題も書店での入手が可能です。5級と4級ではリスニングと筆記、3級と準2級では作文が加わり、2級と1級には口述試験もあります。
まずは、イタリア語検定の3級もしくは準2級を目指してください。ここまでくれば、それなりにイタリア語能力も身について、さらに上を目指したくなってくると思いますので、CILSのB1レベルにチャレンジすることをお勧めします。
イタリア語検定は実用的
もちろん、並行してイタリア語検定のさらなる高みを目指すのもありです。イタリア語検定の問題は、ビジネス的シチュエーションからの出題が多いTOEICとは違って、日常的なネタからの出題が多く見受けられます。
私が受験した時には近所の住人の女性関係について憶測する会話などがあり、思わず笑ってしまいそうになりましたが、とてもイタリアっぽくて、文字通り”実用”的イタリア語試験だと感じました。
CILSにもチャレンジ!
CILSの方は、作家や歌手、宇宙飛行士へのインタビュー、大学の設備案内などからの出題があります。難易度は上がりますが、どちらの試験も単なる語学レベルの指標としてだけでなく、イタリア文化の一部を知る機会として捉えましょう。できるだけリラックスして試験に臨めば、うまくいくと思います!
http://www.iictokyo.com/certi/
http://www.iictokyo.com/osaka/certi/index.html
執筆者:ZUKO(ペンネーム)
プロフィール:ふとしたきっかけで訪れたイタリアの魅力に憑りつかれて十数年。
独学でイタリア語学習をはじめ、ローマで短期語学留学するに至りました。