近代的な街並みのソウルで、韓国の伝統家屋「韓屋(ハノク)」が集まる地区、北村(プッチョン)をご存知でしょうか。小高い丘に位置する家々の景観に思いを馳せプッチョンを目指した旅行中、こんな経験をしたことがあります。
私「プッチョン オディエヨ?(プッチョン どこですか?)」
道行く韓国人の女性に、こう質問したところ、
女性「(韓国語で)えぇ?もう一回言って!」
そして再び、私「プッチョン オディエヨ?」
女性「(韓国語で)えぇ?なんだって?」
、、、このやり取りを数回繰り返しましたが、残念ながら私の発音は通用せず、結局現地の方に行き先を聞くことはできませんでした。
皆さんは韓国旅行をしたときや韓国料理店へ行ったとき、せっかく覚えた韓国語が通じなかったなんてことはありませんか?
意外と通じない韓国語の発音…
「通じなかった理由」、それはもしかしたら、こんなことが原因だったのかもしれません。
今回私が「プッチョン オディエヨ?」で着目したのはプッチョンの「チョ」の母音「オ」!!
実は、韓国語の母音「オ」には2パターンの発音法があるのです。韓国語で表記すると「ㅗ」と「ㅓ」です。それぞれの方法を簡単に説明すると、こうなります。
「ㅗ」・・・日本語の「オ」の発音とほとんど同じですが、さらに口をすぼめて「オ」といってみてください。
「ㅓ」・・・口を大きく開けてアの形で「オ」と発音します(アの発音に近いオ)。日本語の「オ」よりもややのどの奥から発音すると良いでしょう。
(※感覚としては、ㅗ[o]はこもった音、ㅓ[ɔ]は日本語の「オ」よりも、やや明るい音になるはずです。)
韓国の方々は、これらの発音の区別がしっかりできるので、これを上達していないと聞き取りづらいそうなのです。
どうやら私は「プッチョン(북촌)」の초(チョ)の母音を口をすぼめて発音する「ㅗ」ではなくて、口をアの形で発音する「ㅓ」で発生してしまい、韓国人女性を戸惑わせてしまったようです。
韓国語の発音について
韓国語会話において必要不可欠なのは「発音」を向上させること!私は身をもって感じました、、、。ということで、今回は「韓国語の発音を上達させる勉強方法とコツ」として、「母音」「子音」それぞれの発音方法についてお話します。
韓国語の母音
韓国語には、さきほどお話した「オ」の他に、「日本語とは異なる発音方法の母音」がいくつか存在します。
韓国語の基本母音は「아(ア),이(イ),우(ウ),으(ウ),에(エ),애(エ),오(オ), 어」の8個がありますが、そのなかでも「우と으」「 에と애」が注意の必要な発音です。
「우」・・・しっかりと唇を丸め、突き出すようにして強調した「ウ」を発音してください。
「으」・・・唇に力を入れず日本語の「ウ」を普通に発音してください。
「에と애」・・・文字の区別はありますが、発音は同じ「エ」になります。
(※母音の数は8個ですが、音の数は7種類です。)
韓国語の子音
また、母音と組み合わせる「子音」の発音にも気を付けましょう!(※「子音+母音」で初めて1つの発音ができます。)
子音は19個あり、「平音」の他に注意が必要な「濃音」と「激音」の3つに分かれます。
平音
「平音」とよばれるㄱ(k/g :カ/ガ行),ㄷ(t/d :タ/ダ行),ㅂ(p/b :パ/バ行),ㅅ(s :サ行),ㅈ(j :ジャ行)は、発音するときの息の強さによって区別します。
ㄴ(n :ナ行),ㄹ(r/l :ラ行),ㅁ(m :マ行),ㅇ(ng :無音),ㅎ(h :ハ行)は、息の強さによる区別がありませんので気にしなくても大丈夫です。平音を発音するときは、とにかく低く低くやわらかくするのが上達するコツです。
濃音
濃音とは、「息を(ほとんど)出さずに発音する」音のことで、硬く聞こえるのが特徴です。
発音の初めに小さな「っ」を入れると良いでしょう。
「ㄲ(ˀk),ㄸ(ˀt),ㅃ(ˀp),ㅆ(ˀs),ㅉ(ˀtʑ)」・・・ㄱ,ㄷ ,ㅂ ,ㅈ、それぞれを息を出さずに発音
激音
激音とは、「息を強く出して発音する」音のことです。
「ㅋ (kʰ),ㅌ(tʰ),ㅍ(pʰ),ㅊ (ʨʰ) 」・・・ㄱ,ㄷ ,ㅂ ,ㅈ、それぞれを息を強く出して発音
濃音、激音は日本語にはない韓国語特有の子音区分で、特に息を出さずに発音する「濃音」に苦労される方が多いと伺います。
コツコツ練習を重ねることが発音上達への道
正しい発音を身に付けることが上達への近道です。ですから何度も何度もいろんな単語を声に出して練習してみてください。
そして是非、正しい発音を用いて韓国の皆さんとコミュニケーションをはかってみてくださいね。