外国語ができるようになり、外国人との交流が増えると、「ちょっと日本語を教えてよ」なんて、言われることありませんか? 日本人として、日本語に興味をもってくれる外国人の存在は嬉しく感じます。しかし、プロとしての日本語教師になるには資格が必要なのでしょうか。
資格がなくても日本語教師にはなれる
日本語教師になるには、必ずしも資格が必要というわけではありません。特に小さな個人スクールなどを運営したり、個人的に外国人に日本語を教えることは、資格がなくてもできます。
しかし、実質問題として、プロの日本語教師として食べていくには、日本語教師の資格を持っていないと就職は難しいでしょう。それは、日本国内でも国外でも同じです。
正式に日本語教師になるためには、どうすればよいのか、日本語教師になるための勉強法や裏技について、日本語教師として活躍している方に書いていただきました。
日本語教師の需要は高まっている
今、人気がある仕事の一つに日本語教師があります。個人的には90年代にテレビで放映されていたドラマ「ドク」で日本語教師という職業があることを知りました。(スマップの香取慎吾さんがベトナム人留学生役を演じていたドラマです。)
国際的でかっこいいイメージがありますし、また海外からの留学生も現在増加傾向にあり、需要もある職業です。
さてこの日本語教師になるためには基本的にはその資格が必要ですが、その資格を得るには実は3つの方法があります。今回はその方法と、去年その資格を取った私だから言える裏技をお教えします。
1.大学で日本語を専攻、または副専攻する
実は大学で日本語を専攻、または副専攻したという方は既にその資格を得ています。これから大学生になろうとしている方であれば、日本語が専攻できる大学に進学するのもいいかもしれません。
日本語を専攻できる大学は案外あり、例えば東京であれば桜美林大学、大阪では大阪大学などで学べます。
しかし、一般の方でこのやり方法で日本語教師の資格を得ることはあまりお勧めできません。もっと手っ取り早い方法があるからです。
2.日本語教育能力検定に合格する
毎年、10月に日本語教育能力検定という試験があり、それに合格すれば日本語教師の資格が得られます。
日本語教育能力検定
試験内容は主に3つに分けられています。
- 日本語に関する知識
- 外国人が話す日本語の聴解
- 現場で学習者に教える際の対応方法
以上の3分野です。最近の傾向としては、大体7割の正答率で合格できます。
ほとんどが選択式ですが、最後に400字の作文があり、日本語教育の現場でよくあるケースの対処法について書かなければなりません(例えば:学習者が「ら抜き言葉」を使っていたらどうするか?など)。
日本語教育能力検定合格への早道
ここからが裏技の話になります。
教科書は色々ありますが、私は、ヒューマンアカデミーで出版されている「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版」をお勧めします。
CD付 日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版 (EXAMPRESS) 新品価格 |
理由は、この本に書いてあることから、本番の試験の問題が出されやすい傾向があるからです。
実はこの本の出版に関わっている先生の師匠ともいえる方が、本番の日本語教育能力検定の問題制作にかかわっています。
私は、去年日本語教育能力検定を受験しましたが、この本にしか書いていなかった内容が問題に出されていました。ただ、この本だけを使って勉強したら良いというわけではもちろんありません。
3.日本語教師養成講座を受けること
最後のやり方は日本語教師養成講座を受講することです。
ヒューマンアカデミーをはじめ何校かで日本語教師養成講座を受けることができます。最低で420時間の講義をうけなければなりませんが、学校によってそれ以上の時間のカリキュラムを組んでいる所があります。
デメリットはお金がかかるということです。最低でも50万円はかかります。すごいところで80万円かかるところもあります。
日本語教師養成講座を安く受講する方法
さてここからが裏技ですが、実はこの費用をほとんど0にすることができるのです。
ハローワークでも日本語教師養成講座を設けていて、無職の方が受講することができます。私もハローワーク経由で養成講座を受けました。教科書代位しかかかっていません。
しかし、生徒数は限られていて2~3倍の倍率になります。選考は面接だけです。面接で志望動機をアピールして、後は祈るしかないです。
しかし、いったん合格すれば後は楽なものです。漢字があまり読めない方でも最終的には講座を修了されていましたから。
日本語教師への道
後、資格は確かに一つあれば十分なのですが、複数あると就職がしやすいです。私は日本語教師養成講座をうけつつ、日本語教育能力検定試験を受け合格しました。
現場で検定試験に合格している人は案外少なく、時給面で優遇してくれる日本語学校もあります。一つの資格を得るのもそれ相応に大変な所もありますが、ぜひチャレンジしてみてください。
執筆者:wakatonosama(ペンネーム)
プロフィール:個別指導英語講師を経て、現在英語圏の学習者に個別で日本語を教えています。