日本人が中国語を学ぶとき、漢字という共通の文字を持っていることは大きなメリットです。中国語初心者の中には中国語のリスニングや発音が苦手な人は多いですが、漢字は読み書きできるので、最悪の場合筆談でなんとかコミュニケーションできてしまいます。
でも、いざ筆談といっても、「書いてください」とか「書いてもいいですか」というような表現くらいは話せるようになると、実践としてのコミュニケーション能力が大きく飛躍するはずです。
中国語で「書いてください」はどういえばいいのか、中国人と漢字で筆談するときに便利なフレーズを紹介します。
中国語で「書いてください」は何?
中国語で「書いてください」という言い方はさまざまなフレーズがありますが、基本はこれです。
Qǐng xiě yíxià.
(ちょっと書いてください)
紙やメモを指さして、「ここに書いてください」といいたいときは、
Qǐng zài zhè xiě yíxià.
(ちょっとここに書いてください)
といいます。
ここで出てくる「一下yíxià」には「ちょっと~する」というニュアンスがあるので、、命令文や依頼文に添えて使うと語感がやわらかくなります。
中国語で「ちょっと書いてくれませんか?」は何という?
相手の言いたいことが聞き取れなくて、漢字で書いてもらいたいとき、「書いてもらえませんか?」という依頼の疑問文で表現することもできます。
Nǐ néng bù néng xiě yíxià ?
(ちょっと書いてもらえますか?)
これにはいろいろなバリエーションがあり、
Qǐng xiě yíxià, hǎo ma ?
请写一下,可以吗?
Qǐng xiě yíxià, kě yǐ ma ?
你能写一下吗?
Nǐ néng xiě yíxià ma ?
どれも意味は同じです。自分の言いやすいフレーズを一つ覚えておけばOKです。
「あまりよくわからないので…」を中国語で伝える方法
この時、「聞いてもわからないので書いてほしい」という風に伝えると、相手も「そうか!」となるかもしれません。
「聞いてわからない」というのは中国語で、
Tīng bù dǒng
といいます。
ちなみに「見て(読んで)わからない」は
Kàn bù dǒng
といい、「見ても聞いてもわからない」という意味の、
が由来して、日本語の「チンプンカンプン」という言葉ができたという説があります。
「听不懂。」といってしまうと、「まったく分からない」という風に聞こえることもあるので、「ちょっとあまりよくわからないんだけど」といいたいときには、
Tīng bù dà dǒng
と、間に「大dà」を挟むと「あまりよくわからない」という意味になります。もしくは、「分かる」という意味の中国語「明白」を用いて
Bú tài míng bái
(よくわかりません)
という風に言うこともできます。
これを踏まえて「聞いてもよくわからなかったので、ここに書いてもらえませんか?」という時には、
Wǒ tīng bù dà dǒng, nǐ néng xiě yíxià hǎo ma ?
これは実際私が中国でよく使っていたフレーズなので、このまま覚えれば通じるすんなり通じるはずです。
表やフォームに記入するときは「填写」
ホテルやゲストハウスなどで中国人の方に宿泊カードを書いてもらう時など、表やフォームに「記入する」場合は「填写tiánxiě」という動詞を使います。
相手に記入をお願いするときには、ペンと記入用紙を渡しながら、
Qǐng tiánxiě yíxià.
(フォームに記入してください)
ということができます。
よりていねいにお願いする中国語表現
誰でも頼まれごとをされるとき、ていねいに依頼されて悪い気持になる人はいませんよね。
中国語は比較的言いたいことをストレートに言うイメージがありますが、そんな中国語にもていねいな依頼表現があります。それは「帮」という動詞を使った表現です。
Nǐ bāng wǒ xiě yíxià kě yǐ ma ?
(ちょっと書いてもらってもいいですか?)
「帮我」を直訳すると「私のために」「私を助けて」という意味になります。「私を助けると思って」というニュアンスが加わります。
英語の「Help+人+動詞」の使い方に似ていますが、英語よりも軽いニュアンスなので日常的にもよく用いられます。
この「帮我」をつけるだけで、ぐっとていねいさがアップします。命令文や依頼文の動詞の前に「帮我」を挿入するだけなので難しくありません。
日本人同士の場合、上司が部下に命令するのは当然という風潮がありますが、海外ではそうとは限りません。上司から部下に仕事を頼むときにもこの「帮我」を付けると「命令」っぽさがやわらぎ、協力を得やすくなるでしょう。
逆に相手に対して「私が~やってあげるよ」という時には、「帮你(あなたのために)」を使います。例えば、先ほどのホテルでの宿泊カードの記入に戸惑っている中国人客を見つけたら、パスポートを預かってこんな風に言うことができます。
Wǒ bāng nǐ tiánxiě, kě yǐ ma ?
(私が代わりに記入してあげます、いいですか?)
そうすると相手は、よろこんで、
Hǎo a, xiè xiè nǐ !
(もちろん!ありがとう!)
と言ってくれるかもしれません。
最後に本人の署名が必要な場合は、こういいましょう。
Qǐng zài zhèr qiān gè míng。
中国語で「書いてもいいですか?」という方法は?
相手に書いてもらうのではなく、自分が「書いてもいいですか?」という場合、
Wǒ kěyǐ xiě yíxià ma?
(ちょっと書いてもいいですか?)
Wǒ zài zhè xiě yíxià, kěyǐ ma?
(ちょっとここに書いてもいいですか?)
などと言うことができます。
聞いても分からないときは筆談で意思疎通!
中国人と筆談するときに使える中国語表現について、まとめてみました。初心者の場合、中国語が通じなかったり相手の言うことが聞き取れないということもしょっちゅうだと思います。
そんな時に、漢字の筆談でなんとかコミュニケーションできてしまうのは、日本人としての大きなメリットの一つです。
聞いてもよく分からないときは、遠慮せず「書いてくれませんか」といってみましょう。筆談という方法を組み合わせれば、中国語ネイティブとも幅広い会話ができるようになるはずです!