中国語を学ぶにあたり、教科書とはまた違った中国語のリアルな表現を知るのに適した教材が中国ドラマです。
映画であれば2時間ほどですが、ドラマは放映期間が長い分、中国語に触れる時間も多くなります。
時代物であれば普段聞きなれない中国語表現も出てきますが、何度も繰り返し聞くうち(中国の連続ドラマは長いので、その中で同じような表現が何度も出てくるのです)、耳が慣れていくのを実感できるというドラマあるあるも体感できます。
もちろん現代もののドラマも、中国の今の社会の様子を知るきっかけになります。
若者たちの恋愛事情に共感「イタズラな恋愛白書」
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台湾で人気を博した恋愛ドラマ。原題は「我可能不會愛你=我可能不会爱你(Wǒ kěnéng búhuì àinǐ:きっと君には恋しない)」。
仕事に熱心なキャリアウーマン、勝ち気で正義感に溢れた無邪気な程 又青(Chéng Yòuqīng:チェン ヨウチン)。彼女の高校、大学からの親友である李大仁(Lǐ Dàrén:リー ダーレン)は、異性でありながら、なんでも打ち明けあえる親友。
お互いにも好意はあるような、しかしそれぞれに恋人ができたりしては歩み寄ったり離れたり…。二人は赤い糸で結ばれていくのか?という展開と、運命的な偶然に導かれる二人を翻弄する周囲の友人、家族や恋人のキャスト陣も魅力的で楽しいドラマです。仕事に恋に友情に一生懸命な登場人物たちに共感しながら、ラストは胸がキュンとするエンディング。
台湾では新たな登場人物でパート2も作られています。
知略と策謀に脱帽の復讐劇「琅琊榜(Lángyábǎng:ランヤァバン)」
日本の大河ドラマに相当する、中国の歴史ドラマはどれも壮大なスケールで見応えがあるのですが、こちらは放送されるや中国全土で空前の大ブームとなった人気ドラマ。
日本で社会現象となった「半沢直樹」をも上回る復讐劇。皇帝の継承争いを軸として繰り広げられる政争に、自身の父と過去の自分を奪われた主人公・林殊(LínShū:リンシュ)、のちの梅長蘇(梅长苏:MéiChángsū:メイ チャンス)が、正体を隠して宮廷へと潜入。かつての親友や許嫁にさえも自分を偽りながら、知略を巡らせ政敵と戦うストーリー。
「復讐」というとドロドロと陰湿な怨念に凝り固まったイメージですが、そもそも中国人の人間観は恩にも仇にも厚く、受けた恩に誠心誠意報いるのと同じ感覚で、仇に対してもそれ相応に報います。全編に張り巡らされる伏線の数々、それが終盤になるにつれ解きほぐされていく様子は見ていてスカッとするはず。
絢爛豪華な映像美と、美貌の女帝「武则天(Wǔzétiān:ウゥズゥティエン)」
こちらも美しすぎる女帝として中国で大人気を博した歴史ドラマ。中国での放送タイトルは「The Empress(女帝)」。
中国三大悪女に並び称される武則天の生涯を描いています。主人公武如意(Wǔ Rúyì:ウゥ ルゥイ)のちの武媚娘(Wǔ Mèiniáng:ウゥ メイニャン)が宮女からやがて皇后、女帝となり老いて生涯を終えるまでの一生を、女優范冰冰(Fàn Bīngbīng:ファン ビンビン)が一人で演じたという事でも話題になりました。
歴史的には悪名高い武則天ですが、ドラマでは天真爛漫、無邪気でありながら自分の正義を貫く女性として描かれます。彼女を取り巻く人物たちの愛憎や張り巡らされた謀略の数々、それをしてなお生き延びる彼女の数奇な運命が結果として、歴史に大悪女と名を残す「女帝・武則天」を生み出したという視点で描かれています。
史実としての真偽のほどは分かりませんが、かのマリーアントワネットも、今まで描かれていた人物像(「ケーキを食べればいいのに」発言であるとか)は間違いであったとして、長きにわたって着せられてきた汚名が覆されていますしね。
宮廷内の装飾や宮女のまとう衣裳、中国の壮大な自然の風景など、目を楽しませてくれる映像だけでも見応えがあり、壮大な歴史ファンタジーとして楽しめると思います。
ドラマで学ぶ中国語
いかがでしょうか。ここに挙げたドラマはほんの一例。
日本では地上波で中国ドラマに出会えるチャンスはあまりありませんが、ケーブルテレビや動画配信で検索すれば有名ドラマや人気ドラマを視聴することが可能です。
特に歴史ものはスケールが大きく、50話以上にもなる大長編に渡ることが多いのですが(毎日連続、中には一日2話連続放送というスタイルが多いから、というのもあります)、中国の壮大な歴史ロマンや、共感の持てる現代若者の日常ドラマなど観ることで、さらに中国という国にぐっと親近感がわくはず。
ぜひチェックしてみてください。