中国語の発音の中でも日本人が苦手とするのが、「巻舌音」と呼ばれる発音です(そり舌音とも呼ばれます)。中国語の巻舌音には「zhi、chi、shi、ri」の4種類がありますが、今回は主に「shi」の練習方法を紹介したいと思います。
前回は、一から十までの数字で四声を練習する方法を説明しました。今回は、その中でも難易度の高い「十shí」を徹底的に練習したいと思います。この記事を読み終わるころには、巻舌音「十shí」の発音が完璧にできるようになっているかも!
中国語巻舌音「shi」の発音方法
周りの人に静かにしてほしいときやナイショの話だよ、と言いたいとき、唇と鼻先の前で人差し指を立てて「シーっ」とやるジェスチャーがありますよね。今、できれば鏡を用意して、鏡に向かって「シーっ」と指を立ててやってみてください。
その時、(画像の少女のように)唇が丸い形になり指に唇と鼻先が当たっていればそれでOK。唇が横に開いている人は、口をすぼめるようにして指に唇が当たるようにしてみてください。
その状態でもう一度「シーっ」とやると、すでに巻舌音の「shi」にかなり近くなっているはずです。
確認してほしいのは、舌の位置です。口の中で舌先を上向きに持ち上げ、上の前歯の裏やその内側の歯茎に触れるか触れないかくらいの位置でキープします。それが中国語巻舌音の舌の位置です。
「十shí」を正しく発音する方法
それで、巻舌音の唇と舌の位置はほぼ完全にできています。その状態で、「十shí」と発音してみましょう。
静かにしてほしいときの「シーっ」はほとんど音になっていないと思いますが、それを有声化して「十shí」を発音します。こんな感じ。
「十shí」は第2声ですので、低い音から高くずり上げるように発音することにも気を付けてみてください。
中国語の数字十一から二十まで、発音
それができたら、いよいよ十一~二十までの数字を発音してみましょう。
shí yī shí èr shí sān shí sì shí wǔ shí liù shí qī shí bā shí jiǔ èr shí
音声素材は少し速いですが聞き取れましたか?
「十shí」を発音するときに、毎回逐一口を丸めて舌を反り上げることを意識して練習してみてください。唇と舌、口の周りの筋トレだと思って、大げさなくらいに動かしましょう。顔の表情筋の練習にもなります(多分)。
この中で特に発音しにくい数字は以下の3つだと思います。
十一 shí yī
第2声から第1声なので、比較的四声は発音しやすいでしょう。「shí」で音が上がり切ったら「yī」の時には、唇を横に開きます。日本語の「い」よりもさらに横に広く唇を開くように。
十四 shí sì
第2声から第4声で、発音のトーンは上って降りる「山型」になります。「sì」は唇を横に広く広げた状態で「スー」という音です。
二十 èr shí
今後は逆に第4声+第2声の「谷型」。「èr」の発音も舌が上向きになっているので、この2つの文字で舌の位置を変える必要はほぼありません。舌の位置はそのままで唇と歯だけを動かして発音してみてください。
最後に:早口言葉に挑戦!
いかがでしょうか。巻舌音「十shí」の発音に少しは自信が持てるようになりましたか?
最後に仕上げとして、中国語の早口言葉を紹介しておきます。
Sìshí shì sìshí sìshí búshì shísì shísì búshì sìshí shísì shì shísì
(40は40、40は14ではなく、14は40ではない、14は14)
中国語で早口言葉は「绕口令(rào kǒu lìng)」といいます。毎日繰り返せば、きっと巻舌音shiもマスターできるはず!