中国人と話をしていて、うまく言葉が通じない。自分の言いたいことが伝わらない。中国語学習者としては、これはツライことです。
中国語が伝わらない、そんな時に考えられる原因と、どうすれば言いたいことが伝わるか、その対処法を考えてみました。
発音が正しくないために通じない場合
中国語の発音は実に独特。特に四声、有気音、無気音、巻舌音と、日本人にはなじみの少ない発音が数多くあります。これを正しく発声できていないために通じない、ということが考えられます。
「待つ」(等:děng:デォン)と「理解する」(懂:dǒng:ドン)にあるeとoが言い分けられず、「待って」と言いたいのに「分かって」と聞き取られたり、四声による違いで「ゆっくり」という「慢慢」(màn màn:マンマン)と言いたいのに「急いで」(忙忙:máng máng:マンマン)と間違えられたりします。
まずは四声を試してみる
中国語は四声の抑揚で意味が変わるので、まずは一声から四声まで試しに発音してみて、正しい発音に行きつけば、中国人の方で「あぁ、そういうことか。」と納得してくれることも。まずは一度二度、発音を言い直すことで伝わるケースというのも多いのです。
発音で伝わらなければ筆談で
しかし、すぐに発音を修正できればいいのですが、正しい発音ができるなら初めから言い間違えることもないわけです。また、間違った単語であった場合、何度繰り返し言ってみても、かえってどんどん伝わらなくなることも考えられます。
こういう時はさっと紙とペンを取り出して、筆談に切り替えるのが得策。同じ漢字圏である強みを活かしましょう。チケットや値段など、正確な数字が必要になる会話の場合は特に、お互いの誤解、カン違いを避けるのにも有効。ただし語彙力がある程度必要になります。
使う単語が適切でないために通じない場合
同じ漢字圏で共有して使う漢字も多いだけに起こるのが、中国語と日本語の漢字の意味の違い、使い方の違いによる誤解やカン違い。
例えば電車に乗りたくて「汽車」という漢字を使うと、中国語では「バス」停に連れていかれます。走るというつもりで「走」を使っても、中国語では「歩く、移動する」という意味なので、中国人は走ってはくれません。
言葉の基本、ジェスチャーと絵文字
どの単語、言い回しを使えばいいのか分からない時は、言葉の基本、人類のコミュニケーションの起源であるジェスチャーです。また、紙とペンと絵心があれば、伝えたいことを絵で表してみる方法もあります。中国語会話のガイド本を持っておいて、伝えたい表現を指さすのも有効です。
中国語を勉強していると、ついつい「中国語で伝えなくては」、という気持ちになりますが、もともと中国語の発音が独特で日本人には習得しにくいことに加え、標準語である北京語も地方の方言とは外国語並みに違います。日本人はもとより、中国人ですら、地方の人であれば外国語に近い感覚で中国語を話している、という感じでしょうか。
お互いが、自分の言語でない外国語で話していると考えたら、一回二回話して伝わらないのも無理もない、とある意味開き直るのも一つの方法です。