中国の都市部のレストランで働いているウエイトレスは、都市周辺の地方から働きに来ている人がたくさんいます。
多くの場合は若い(幼い)女性です。
彼女たちに、オーダーを取ってもらったり何か頼みたいときは「小姐(シャオジエ)」と言って声をかけます。
ちなみに、彼らは呼ばないと来てくれません。
日本や先進国のレストランのように、こちらが「すみません」と呼ぶ前に気が付いて来てくれるようなウエイターは、中国には皆無だと思ってください。
「小姐(シャオジエ)」=若いお姉さん?
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「小姐(シャオジエ)」とは「(若い)お姉さん」という意味ですが、だいたい若くても若くなくても、レストラン等で女性に声をかける時には「小姐(シャオジエ)」と言います。
とは言え、中国語を学ぶ方としては「小姐(シャオジエ)」とは、いったい何歳まで呼べるのかという疑問が残ります。
それを真面目に地元の人に聞いてみたことがあります。
「『小姐(シャオジエ)』って何歳までの人に対して使うの?」
でも「不知道(知らない)」と言われてしまいました。
何歳まで「小姐(シャオジエ)」?
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女性にとっては、いつまでも「お姉さん」と呼ばれたいものです。しかし、中国ではあまりに「お姉さん」とほど遠い人を「小姐(シャオジエ)」と呼ぶのは、かえって失礼に当たると考える人も多いようです。
中国語で「おばさん」という呼びかけには「阿姨(アーイー)」がよく使われますが、「阿姨(アーイー)」のほうが日本語の「おばさん」よりも感覚的に若く始まると思ってよいでしょう。
つまり、日本ではまだ「おばさん」と呼ばれない女性でも中国に行くと「阿姨(アーイー)」と呼ばれることが多々あります(失礼な話ですが)。
これは呼び方に対する感覚の違いですので、中国に行くと老けて見えるというわけではありません。
「お姉さん」と「おばさん」の境目
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中国語の「小姐(シャオジエ)」は、英語のMs.に近い使われ方もします。「Ms. 鈴木」と呼ぶときに「鈴木小姐」といった具合にビジネスシーンなどで使われます。
この場合は、相手がいくらおばさんでも「鈴木大姐」とか「鈴木阿姨」と言ったりはしません。尊敬の念を込めて「鈴木女史」と呼んだりすることはあります。
ちょっと親しい人で自分より年上の女性に対しては、「姐(ジエ)=お姉さん」を付けて呼んだりします。
苗字が「蘇(スー)」という女性なら「蘇姐(スージエ)」、下の名前で「恵子姐」と呼ばれたこともあります。
弟や妹に「お姉ちゃん」と呼ばれているみたいで、私はこの呼ばれ方は好きです。
ビジネスでの「小姐=Ms.」
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女性の呼び方ばかり書きましたが、男性の場合は、年上には「哥(ゴー)」という呼び方をします。「お兄さん」という意味です。
またMr.の使い方に当たるのは「先生」です。「鈴木先生」とか「陳先生」という呼びかけをします。
このように、中国では相手と自分の年齢差を常に認識しています。
日本でも、年上の人には敬語を使い、親しい人にはため口を使いますね。(たまに例外的な人もいますが)
これは私たちが「儒教」の思想を共有しているところから来ています。西洋人にはあまりない感覚です。
中国語を勉強していると、私たち日本人の習慣の根底にある思想の原点が見える時があり、とても興味深いです。