中国のレストランでは、一般的にウエイトレスを呼ぶときに「小姐(シャオジエ)」と呼びます。これは、本来は「(若い)お姉さん」という意味ですが、そのウエイトレスが多少年配であってもこの呼び方で呼ばれます。
では男のウエイターの場合は何と呼ぶか。そのウエイターが比較的若い男性なら、「小伙子(シャオフオズ)」と呼びます。
都市部では中性的な呼び方が流行っている
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しかしこれは、特に都市部では、最近ではあまり使われなくなりました。都市部のレストランでは、男女ともにウエイターのことを「服务员」と呼びます。読み方は、片かなで書くと、「フーウーユエン」という感じになるでしょうか。
これは西洋の「ウエイター」と呼びかける風習から、翻訳してできた呼び方です。
西洋では、職業の名称で男女の性別を意識しない、中性的な呼び方をする傾向になってきていて、すでにそれが定着してしまった職業もたくさんあります。例えば「ビジネスマン」だと男性を意味してしまうので、男女ひっくるめて「ビジネスパーソン」と言ったりします。
この「ウエイター」や「服务员」も性別を感じさせない言葉です。あか抜けた雰囲気の中級から高級なレストランではこの呼び方で呼ぶと、何となくハイソな雰囲気がします。
一方で、田舎の定食屋みたいな場所ではちょっと不似合いに聞こえるかもしれません。やはり、田舎の小さな料理店では「お姉さん」の方が味があるような気がするのですが。
香港では「別嬪さん」「男前」と呼ぶ
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では、広東語ではどうかと言えば、やはりまったく文化が違います。
香港や広東省の広東語エリアでは「靚女(レーンノイ)」「靚仔(レーンヂャイ)」と呼びます。それぞれ「別嬪さん」「男前」という意味です。
そのウエイトレスやウエイターが年を取っていても不細工でも呼び方は変わりません。また、街のマーケットに買い物に行くとよく「靚女(レーンノイ)」と呼ばれます。
日本で商店街の八百屋さんや魚屋さんがお客さんに向かって、「奥さん、今日もきれいだね」とか「別嬪さん」と呼びかけるのと同じような感覚です。
ちなみに、「男前」という意味の「靚仔(レーンヂャイ)」は香港のスラングでは、炊き立ての真っ白なきれいなごはんを指して言ったり、街のミニバスを指して言うこともあります。
おもしろいでしょ。