広東語は香港や中国南部、世界中の中華圏で話される言語です。その使用人口は8,000万人を超えるとも言われています。
日本も香港などはビジネスとして展開していく機会が多い場所にもかかわらず、広東語と日本語の辞書はなかなか良いものが出版されていません。
広東語を学ぶ日本人のための辞書として、よく用いられている3つの辞書を取り上げてみます。
東方広東語辞典 千島英一氏著
新品価格 |
香港地区で用いられる香港広東語を中心にまとめられています。
口語、俗語、諺、隠語から流行語まで、幅広く香港で日常的に用いられる広東語を網羅しています。
その情報量が豊富なのが、他の広東語辞書よりも勝っている点でしょう。
45,000項目が収録されています。
欠点としては、若干記述の誤り、もしくはあまり適切でない訳があることでしょうか。
しかし、それでも、網羅している語彙の幅と日本語の読みで漢字検索ができることなどの利便性を考えると、広東語学習者にはおすすめの辞書です。
日本語広東語辞典 孔碧儀・施仲謀 編
新品価格 |
日本人広東語学習者にとって非常にありがたい、日本語から引ける広東語の辞書です。
日常的に用いられる表現を中心に、7,000以上の見出し語を収録しています。
広東語ローマ字表記はエール式を採用しています。
名詞の量詞表記や例文なども機能的に織り込まれていて、使いやすいです。
広東語辞典ポケット版 香港萬里機構・東方書店編
新品価格 |
単語の見出し語は8,400語以上を収録しています。
コンパクトで持ち運びに便利ですので、出張や旅行の際に携帯するのも楽チンです。
巻末に漢字の日本語読みからの牽引もあり、日本人にとって非常に使いやすく工夫されています。
ただし、声調記号に少々の誤りがあることも指摘されています。
辞書+現地での練習でスキルアップを
おそらくこの3点が、もっとも広く広東語学習者に使用されている辞書だと思われます。
使い道に応じて、これらの辞書を使い分けるのも賢い使用方法ですね。
ちなみに私が長年使っていたのは「東方広東語辞典」です。
確かに、語彙の中で間違いも少々発見しました。
しかし、数少ない広東語辞書やテキストで、これだけの語彙をカバーしているのは貴重な存在です。
そもそも広東語は口語であり、日々少しずつその使われ方が変化していると言っても過言ではありません。
中華圏で広東語を使用する外国人は、辞書に頼るばかりではなく、
現地の人の使い方から広東語を学ぶというスタンスがとても重要だと思います。