北京語と広東語の文法上の違い

広東語は中国語の数ある方言の一種で、広東地方や香港を始め、広い範囲で用いられています。

北京語というのも厳密に言えば、中国語の方言なのですが、一般的に私たちが「北京語」という時には、中国語標準語を指すことが多いですね。

ここでは、中国標準語としての北京語と広東語との文法上の相違点について紹介しています。

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北京語と広東語の違い

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北京語と広東語は、基本的にどちらも漢字表記されます。しかし、その発音には隔たりが大きく、普通は北京語話者と広東語話者の間でのコミュニケーションは困難です。

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中国語として、文法はほぼ同じですが、若干の違いがあります。特に語彙に関しては、異なるものが少なくないので、北京語の言葉をそのまま広東語読みしても、通じないことがあります。

言い換えれば、北京語を勉強した人が、広東語圏で筆談しても100%通じるとは限らないということです。

地域によっても異なる広東語

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photo credit: IMG_6109 via photopin (license)

また、広東語は広く用いられているので、その地方によって、広東語の中でも若干違いが出てきます。

例えば、香港では英語の影響が強く、英語からの翻訳語として定着してしまった広東語が多数あります。それらの語彙は、中国の広東省で通じにくいこともあります。(実際は広東省の人々も、香港のテレビなどを見て知っているので、語彙としては理解してくれることが多いです。)

世界に広がるチャイナタウンを中心とした中国語圏=華僑世界では、もともと福建省出身の人が多かったので広東語も良く通じます。

ただし、かなりアクセントがきつく、広東語を少しかじった人でも、始めのうちは聞きづらいと感じるかもしれません。

北京語と広東語の文法上の違い

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photo credit: Hong Kong Signs via photopin (license)

具体的に北京語と広東語の文法上の違いをまとめてみました。

1.時間に関する副詞の場所が異なる

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北京語では、「我先走了。」と言いますが、
広東語では、「我走先了。」と言います。

いずれも、意味は「私は先に行きます/お先に失礼します。」という感じです。

ここでの「先」というのは時間を表す副詞になりますが、北京語と広東語ではその語順が異なります。

ただし、これはほとんど「先」という単語に限ったことのように思います。他にこのように、北京語と広東語で挿入する場所が違う時間副詞は思いあたりません。

2.直接目的語と間接目的語の順序が異なる

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直接目的語とは動作などの目的となる単語で「~を」に当たります。間接目的語は、「~に」と人を表すことが多いです。

例えば、「あなたは私にお金をくれる」という時、「私に」が間接目的語で、「お金を」が直接目的語です。

北京語では、「与える」という意味の動詞「给」を使って「我给你钱。」と言います。一方広東語は、「我給銭你。」となります。

直接目的語と間接目的語の位置が、逆ですよね。ただし、「教える」という意味の動詞「教」を用いる時は北京語でも、広東語でも、「你教我広東話、好不好?」(私に広東語を教えてくれない?)という風に、間接目的語+直接目的語の順になります。

3.比較表現の違い

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photo credit: Hong Kong via photopin (license)

比較表現の文法も大きく異なります。

「中国は日本より景気が良い」という時、
北京語;「中国的经济比日本的经济好。」
「经济」は「経済」のことで、中国語では「景気」という意味もあります。

広東語;「中国的経済好過日本。」
このように「形容詞+過」の後に比較の対象を置きます。

ただ、広東語でも「比」を使って、北京語と同じような文法で言うこともできます。「きれい」は北京語では「漂亮」、広東語では「好靚」と書きますが、「我好靚過她。」でも「我比她好靚。」でも通じます。意味は「私は彼女よりきれい」。

特に、形容詞が2文字(2音節)以上の単語になると、「比」を使った方がしっくりくるような気がします。

4.現在進行形の違い

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「今ちょうど、ご飯を食べているところだ」と言いたい時、

北京語;「我(正)在吃饭。」
広東語;「我食緊飯。」

北京語では「(正)在+動詞」、広東語では「動詞+緊」です。
これをお互い逆に言ってしまうと、通じません。

このように、北京語と広東語は、微妙に文法上の違いがあります。
特に、2と4に関しては、うまく使い分けないと、
聞いている人はとても分かりづらいようです。

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