中国語を手っ取り速く身につける方法は、ズバリ語学留学です。中国留学は近くてコストも安くてすむので、メリットがたくさんあります。でも、中国は広すぎて、どこに留学するのが良いのか迷ってしまうのも事実。
今回は、私の留学経験を交えながら、中国語留学のおすすめ都市をまとめてみました。
中国語を学ぶには留学が早道
日本人の中国語学習者にとって、一番困難と思われるのは「発音」です。漢字を共有する日本人にとって、中国語の読み書きがそれほど難しく感じられないのに対して、中国語の発音はとてもハードルが高い印象があります。
中国語の正しい発音を身につけ、実践的なコミュニケーション能力を養うための早道は、ズバリ留学です。
中国語留学のメリット
中国へ留学には、他の外国語留学にはないメリットがたくさんあります。
まず、日本から近くて安いこと。中国の物価はこの数年で一部高騰しましたが、それでも日本の物価にくらべるとはるかに安いです。滞在費、学費などすべての点において、コスト的に他外国への留学に比べて圧倒的に安くてすみます。
また、中国現地で身につけた実践的な中国語は、今後のビジネスや中国人との交流に大きく役立ちます。
中国は国土が大きく、現地で話されている方言も多種多様です。その中で共通語として使われているのが北京語を基にした「普通話」です。しかし、同じ「普通話」でも話されている地方によって、語彙などには若干の違いがあり、現地での中国語に触れたことのない人は戸惑ってしまうものです。
その点、中国留学として現地で身につけた「普通話」は、自分にとって大きな自信になります。中国語を話すビジネスパートナーとも堂々とコミュニケーションができるようになるはずです。
さらには、中国で暮らすことにより、中国人の思想や文化、習慣に直接触れることができます。中国で経験したことは、そのあとの人生にとって大きな財産になるでしょう。
中国留学におすすめの都市
いざ、中国に留学しようというとき、どこに留学すればいいかは本当に悩ましい問題です。中国は国土が広く、地方によって特色も大きく異なります。まずは、自分が中国留学で得たいものは何か、そしてどんな都市に住みたいか、というポイントで候補地を絞っていくとよいでしょう。
日本人に人気(一部を除く)な中国留学先をピックアップしてみました。
大連
遼寧省の南部に位置する都市で、人口は約600万人超です。大連は経済的にも発展しており、治安もよいです。海に近いので海鮮がおいしいのもポイントでしょう。
実際、日本人で中国語に携わる人で大連留学経験の人は少なくありません。大連外国語大学、遼寧師範大学他、留学生を受け入れている大学も多いです。
大連外国語大学、遼寧師範大学への留学をサポート「大連さくら留学センター」
北京
言わずと知れた中国の首都です。人口は約2100万で、上海に次いで中国第二の都市です。北京オリンピックの記憶も新しいですね。中国の経済、政治、文化、歴史の中心で、万里の長城などの見どころも多いです。
留学生受け入れ大学も多く、中でも北京言語大学は有名です。首都だけあって、世界中から留学生が集まり、日本人留学生の姿も多いです。
西安
陝西省の省都で、人口は約400万人、古くは中国古代の諸王朝の都となった長安であり、シルクロードの重要ポイントでもあります。
秦の始皇帝が造らせた兵馬俑があることでも有名ですよね。歴史好きな人や、週末の観光を楽しみたい人におすすめです。語学留学できる大学としては、西安外国語大学や西安交通大学などがあります。
現在の西安は、中国らしさというよりも西アジアの都市という雰囲気を感じることが多いのではないでしょうか。市内中心には、イスラム教徒のムスクも多く、中国とイスラム文化の融合のおもしろさを垣間見ることができます。
上海
人口2,400万人を超える、中国第一の都市です。日本からの人気の観光地でもあり、見どころが多く食事も日本人の口に合いやすいです。商業・金融・工業・交通などの中心でもあり、世界から注目されるビジネスの都市です。
上海では、上海語が話されます。上海語は北方で話される中国語とは大きく異なり、上海は普通話の語学留学地としては向いていないという人もいます。しかし、北京に比べると冬の寒さが穏やかで過ごしやすく、日本人にとっては過ごしやすい街だと言えます。また、大学によってはオプションで上海語を学べるところもあります。
南京
江蘇省の省都で、人口は約600万人です。南京大虐殺の地として有名すぎて、日本人にはあまり好まれない都市です。実は、私はこの地に半年語学留学していた経験があります。南京を選んだ理由は、「日本人が少ないから」(笑)。
歴史上かつて中国の首都だった南京は、気候の変化が激しく過ごしにくい一面はあるものの、中山陵などの見どころも多い都市です。
私の経験から言うと、南京には日本人留学生が少ないため、留学生寮の中でもほとんど日本語を話すことがありませんでした。日本人に対して反感を持つ人もいないわけではありませんが、私自身は危険を感じたことはありません。
また南京人は南京語を話しますが、上海語に比べるとはるかに北京語に近く、現地の人の話す普通話は聞き取りやすいです。
杭州
浙江省の省都で、人口は約660万人。中国八大古都のひとつであり、国家歴史文化名城に指定されています。風光明媚な名勝として有名な西湖があります。杭州は、芸術の都としても知られていて、特に中国水墨画や書に興味がある人には魅力的な街でしょう。
杭州人には、芸術に秀でた人が多く、美的センスに優れた人や性格的に温厚な人が多いというのが私の印象です。
広州
広東省に位置する都市で、人口は約1,270万人です。華南地域全体の経済、文化、教育、交通などの中心都市の一つであり、世界中からビジネスパーソンが集まってくる街でもあります。
歴史的にも重要な都市で、辛亥革命やアヘン戦争の舞台になった土地です。また、深圳や香港などの大都市にも近く、国際都市としても大きな意味を持っています。
広州では、本来広東語が話されていますが、中国政府の普通話普及の方針により、現在は広東語を話せない人も増加しているといわれています。
語学留学性を受け入れている大学は多く、普通語のほかに広東語も学びたいという欲張りな人にもおすすめです。
昆明
雲南省の省都で、人口は約300万人です。雲南省というと、少数民族で有名です。観光地としても有名な大理や麗江などに、週末を利用して足を延ばすこともできます。
また、昆明は「春城」とも呼ばれるくらい一年中温暖な気候で、過ごしやすいのもメリットのひとつです。難点といえば、中国の内陸部にあるので、アクセスしにくいという点でしょう。
語学留学の候補地としては、雲南大学や雲南師範大学などがあります。沿岸部の大都市よりも物価が安いため、滞在費が安くつくのもうれしい点です。
台湾
中国本土とは微妙な関係にある台湾は、人口約2,300万人の島です。気候は温暖で過ごしやすく、食事も日本人に合いやすいので、人気の観光地の一つでもあります。台湾の特徴は、親日家が多いことでしょう。
留学生用に語学コースを開講している大学は多く、一般的な教育水準も高いです。また、台湾人には英語を話せる人が多いので、中国語がまったくできないという人でも生活する上では、中国本土よりも容易に感じるかもしれません。
台湾では台湾語や閔南語が話されています。その影響で、台湾で話される普通話には、独特のアクセントがあります。また、台湾で使われる文字は「繁体字」であり、中国本土で使われる(HSK試験なども)「簡体字」とは異なります。その分、覚えることが多くなることは覚悟しておく方が良いでしょう。
現地入りしてから留学先を決めるという方法も
中国は広いので、いろいろな地方で勉強してみたいという人もいるでしょう。滞在費が安くてすむので、観光がてらに長期滞在して語学コースを取るという方法もできます。
特に北京や上海の大都市にある大学では、1か月単位の短期留学ができる大学もあります。まずはこのような短期のコースに申し込んで、現地入りしてからじっくり腰を据えて学ぶ都市を選択することも可能です。
自分の目的や興味に合わせて、最適な留学地を見つけてくださいね。