今や日本経済に欠かせない隣国・中国。貿易や工場関係だけでなく、日本国内を訪れる中国人観光客も増加の一途を辿っています。そんな中、ビジネスシーンで使える中国語をマスターしたいと考えている人も増えています。
今回は、ビジネス中国語初心者の方にとっておきの勉強方法をご紹介します。
まずは目的を確認
ビジネス中国語の勉強方法をお教えする前に、一つ確認しておきたいことがあります。あなたが目指しているのは、中国語のビジネス会話ができるようになることですか? それとも、中国語のビジネス文章が読み書きできるようになることですか?
中国語の習得は、特に日本人にとっては、会話と読み書きのどちらを重要視するかによって、ポイントを置くべきところが大きく異なってきます。まずはあなた自身が求めているスキルはどちらが優先なのかをハッキリと決めましょう。
聞きたい&話したい人向けにはコレ
中国語で会話をしたいという人は、発音を徹底的にトレーニングしましょう。中国語は日本語と同じような漢字を使っているので、紙に書いてある分には、おおよその意味が日本人には理解できます。
しかしその発音はまるっきり違います。しかも、一つの漢字に一つないし二つの音が割り当てられているのですが、その音が同じ発音でも音の高低を変えると、まるっきり別の漢字を表してしまうというところが、超難関なのです。
日本語の雨と飴の発音が異なるのと同様のことが、一つの音につき4パターンあります。つまり中国語で会話をしたいという人には、音の違いを聞き分ける耳、この音がどの漢字なのかが浮かぶ語彙力、漢字をつなげて文章にする能力が求められるということです。
その第一歩として、自分も正しく発音できる力、相手の発音を正しく聞き分けられる力を鍛えるべきなんですね。具体的なおすすめの勉強方法としては、ラジオを聴く、中国語の歌を聴くという2つがあります。
ラジオは日本国内で流れている語学講座などではなく、中国国内で流れている100%中国語のみのものがオススメです。今はインターネットなどで聴くこともできます。
歌は、音の高低は乱れますが、その分、この音の組み合わせはどの単語なのかを推測する力が身に付きます。歌詞カードを見てしまえば、歌の意味はほとんど理解できてしまうかもしれませんが、耳に入って来る音だけで判断するのはなかなか難しいです。しかし、早い人なら3か月くらい続ければ、数単語が自然に聞き取れるようになると思います。
たとえ3ヶ月で変化がなくても、あきらめないでください。コツコツ続けると、ある日突然ふーっと視界が開けたかのように、「音」が中国語として耳に入って来る日が来ますよ。
読みたい&書きたい人向けにはコレ
次は読み書きをしたい初心者向けの勉強方法です。
先ほど申し上げたように、中国語は日本語の漢字とかなり近い漢字を使用しているので、読む分には、他の外国語に比べて、ハードルは低いと思います。しかし、一つ難点があるんです。それは、書き言葉と話し言葉の間に大きな隔たりがあることです。
普段会話で使うカジュアルな話し言葉に比べ、正式なビジネスシーンなどで用いられる書き言葉は圧倒的に難易度が上です。例えていうならば、現在の日本語と古文くらいの差!? ビジネスシーンで中国語を読み書きしたい方は当然、この書き言葉に精通する必要があります。
この場合のオススメの勉強方法は、中国語の書籍を読むことです。とはいえ、いきなり本気の一冊は難しいと思いますので、すでに日本語で読破したことのある日本の本の翻訳版を読むのはどうでしょうか。
中国語の書籍は大型書店やアマゾンなどの通販で手に入れることができます。日本語でも読んだことのある本は、大まかな話の流れが分かっている分、読み進めることへの抵抗が少ないと思います。
私は吉本ばななさんと村上春樹さんの小説からチャレンジ、最初はすぐに睡魔に襲われましたが、二冊、三冊と読み進めるうちに、「書き言葉らしい表現」を見分けるコツを少しずつマスターできました。
目的がはっきりしている限り続けられる
ビジネス中国語は、そのままビジネススキルとして大きくレベルアップさせてくれます。つまり、直接仕事や事業に活かすことができる実践的なものです。中国が市場としてもビジネスパートナーとしても重要な意味を持つ昨今、そろそろ本格的に取り組んでみてはどうでしょうか。