スペイン語を独学で学ぶときに、日本人学習者が躓きやすいポイントの一つが、その複雑な動詞活用です。スペイン語は動詞活用だけでなく、冠詞や形容詞も単/複数や修飾する名詞の性によって、激しく変化しますので、これを上手く操るにはトレーニングが必要です。
そんなスペイン語独学で、マスターしにくい点をカバーしてくれる学習教材として、ロゼッタストーンのスペイン語を紹介します。今回は、私が実際に使ってみた口コミとレビューを書いてみました。
なお、記事中に使用している画像は販売元に許可をいただいて、私がキャプチャ撮影したものです。
スペイン語独学の難関
スペイン語は、世界の多くの国々で使われています。そのため、外国語学習として人気のある言語の一つです。日本人学習者にとっても、他の言語に比べて発音が容易なので、比較的ハードルが低い外国語です。
スペイン語のネイティブにはおおらかで社交的な人が多いためか、学習者のスペイン語に多少文法的間違いがあっても、なんとなく意思疎通できてしまうのも、学習しがいがあると感じる点かもしれません。
しかし、できれば正しい文法でスムーズにコミュニケーションしたいものですよね。そのためには、スペイン語の難関である複雑な動詞活用をマスターすることが大切です。
スペイン語の動詞活用と時制
スペイン語の動詞活用は、他の言語と比べて非常に多いです。英語のbe動詞にあたる動詞が2つあり、それぞれ特殊な活用をします。
また、一般動詞の現在形も、人称と単/複数によって6タイプに活用し、時制も点過去、線過去、直接法未来に接続法…、と合計16種類の時制が存在します。その時制それぞれに、人称と単/複数の6タイプに活用するわけで、つまり16時制×6種類…、しかも、規則動詞だけでなく不規則動詞もある…、と考えると「スペイン語なんてやーめた!」となりそうですよね。
ただし、実際の会話で使われる時制は限られており、日常会話に使うスペイン語の習得にはすべての時制を覚える必要はありません。
それに動詞活用を記憶するのはたいへんに感じられるかもしれませんが、実際には単に「覚える」だけでなく「使える」ようにならなくては意味がありませんよね。ですから、単純な「記憶」よりもむしろ動詞を正しく運用できる「瞬発力」の方が重要です。
スペイン語の活用は動詞だけではない
また、スペイン語で目まぐるしく活用するのは動詞だけではありません。スペイン語の名詞には、男性名詞と女性名詞がありますが、これにかかる冠詞や形容詞も、名詞の性と単/複数によって変化させなくてはいけません。
しかし、これも慣れてしまえばそう難しいことではありません。動詞の活用もそうですが、要するに反復練習が必要なんです。そこでおすすめしたいのが、ロゼッタストーンなどのツールを使ったトレーニング方法です。
ロゼッタストーンスペイン語でできること
ロゼッタストーンは、24言語に対応している言語学習ソフトです。スペイン語は2タイプが用意されており、スペイン版とラテンアメリカ版とがあります。
レベル1~5に分けられた合計20ユニットで構成されており、1ユニットの中には文法、会話、読解、リスニング、ライティングなどにカテゴライズされたレッスンが含まれています。
所要時間の目安は、1レベルがだいたい30~50時間となっていますので、全体で150~250時間分に相当します。たとえば、1日1時間、週に3~4回のペースで継続するとちょうど1年間で終了する感じです。
動詞や形容詞活用のトレーニング
ロゼッタストーンスペイン語を使うと、動詞や形容詞活用の練習がゲーム感覚でできます。
練習の方法もいくつかのタイプがあり、音声だけを聞いて正しい画像を選ぶ、音声と文章で正しい画像を選ぶ、画像に合った文章を選ぶ、文の空白部分に正しい活用を選択するなど、多方面からのトレーニングが可能です。
この機能を使えば、独学でも「使える」動詞活用・形容詞活用を身につけることができます。すでに、スペイン語の文法はひととおりマスターしたつもりの人も、力試しとして使ってみると良いのではないでしょうか。
自分のスペイン語発音のチェックもできる!
日本人学習者にとって比較的容易といわれるスペイン語の発音ですが、唯一日本人が苦手とする発音が「r」でしょう。スペイン語の場合、「r」は巻き舌で発音されますが、「rr」とタブルになるとさらに激しく舌を巻きます。
ロゼッタストーンでは、自分の発音を視覚的にネイティブのものと比較できるのが特長です。
画像は単語「perro(犬)」の、ネイティブと私の発音波形です。「perro」は「r」がダブルですので、激しい巻き舌で発音しますが、私も含めてこの発音を苦手とする日本人は多いです。ちなみに、巻き舌でなく「pelo」と発音してしまうと、「髪の毛」という意味になってしまいます。
「no tengo perro(犬を飼っていない)」と「no tengo pelo(髪の毛がない)」では、意味がまったく異なりますので、きちんと発音できるようにしておきたいですよね(実際にはperroやpeloの前に冠詞や不定冠詞が付くので、文脈から判断できます)。
スペイン語実践の前の予行練習として
ロゼッタストーンでは、ユニットごとに最後の総復習として「マイルストーン」というセクションが設定されています。これは、そのユニットで学習した内容を中心に、会話の空白部分を発音して埋めていくというセクションです。
日本人の苦手なスペイン語の活用トレーニングだけでなく、リスニングや会話練習もできるロゼッタストーンは、独学教材として非常に魅力的なアイテムです。スペイン語初心者はもちろん、やり直しスペイン語や、スペイン語会話レッスンを始める前の予行練習としても、おすすめな教材ですよ!