日本人にとって最も身近であり、最も実用的な外国語は、英語だと思います。
英語をマスターするには時間と労力がかかりますが、いったんある程度の英語が話せるようになると、「もう一つ別の外国語を学んでみようかな」なんて、欲がでてきませんか?
そんな気分になったときは、マルチリンガルになる勉強を始めるチャンスです。
多言語を自由に操るマルチリンガルにあこがれる人は多いはず。
しかし、残念なことに日本人にとってマルチリンガルになるということは容易ではありません。実際にみなさんの周りを見渡してみても、3言語以上の言葉をほぼストレスなく話せる日本人は少ないのではないでしょうか。
日本人にとってマルチリンガルになることが難しい理由と、マルチリンガルになるための効率的な勉強方法のアイデアについて考えてみました。
なお、本投稿では「マルチリンガル」の定義として「3言語以上を自由に操ることができる人=トリリンガル以上」を指しています。
あくまでも私の考えを書いています。感想やご意見は、コメント欄からお気軽にどうぞ^^!
日本人にマルチリンガルが少ない理由
日本人にマルチリンガルが少ない理由1.環境的要因
私が現在住んでいる街、モントリオールはバイリンガル都市です。
カナダ、ケベック州の公用語はフランス語ですが、カナダでは公用語として英語も広く話されます。ですので、ここで生活したり仕事をするためには、最低英語とフランス語の2言語が欠かせません。
必然的に、ここで育つ人たちの中にはバイリンガルが多いのです。当然ですよね。生活に必要なのですから。
さらに、カナダは移民大国ですので、両親や祖父母が英語、フランス語以外の言語を話す人々も非常に多いです。そうなると、英語、フランス語に加えて家庭で話される言語の三言語を習得する必要があり、これは環境によって自然発生的にマルチリンガルを育てているようなものですね。
日本の場合、以前に比べると外国人居住者も増えてましたし、国際的になってきています。これからはますます文化や人種が多様化してくるでしょう。そうはいっても、他の国や地域に比べると、まだまだモノカルチャー的であることは否定できません。
第一外国語の英語ですら、習得することが容易ではない環境です。マルチリンガルが少なくて当然ですね。
日本人にマルチリンガルが少ない理由2.日本語の特異性
もう一つ、日本語を母語とする人がマルチリンガルになりにくい理由の一つに、日本語の特異性があるのかな、と思います。
わかりやすくいうと、日本語と英語って、かなり違いますよね。
英語を母語とする人の場合、多くのヨーロッパ言語を学ぶ際のハードルが低いように思います。
文法や語彙に類似点が多いということもそうですが、そもそも「文字」という時点で、かなりの言語でローマアルファベットが使われている時点で、「読み書き」の際に、新しい文字を一から覚える必要がないという大きなメリットがあります。
それに比較すると、日本語の中でも漢字は中国語と共有している部分が多いですが、ひらがな・カタカナは日本独自のもの。文法的に近しい韓国語を学ぼうとしても、文字(ハングル文字)を一から覚える必要があります。
文法上日本語に近いと呼ばれる言語には、トルコ語やハンガリー語などがあるため、これらの言語はもしかしたら日本人にとって学びやすいのかもしれません。でも、正直なところをいうと、いずれも実用性が比較的小さいことは否定できません…。
以上のような理由が、日本人がマルチリンガルになりにくい理由かなと思います。みなさんは、どう思われるでしょうか。
マルチリンガルになる勉強法
次に、マルチリンガルになる効率的な勉強法について考えてみます。
多言語を自由に話す人は、言語脳が発達しているとか一言語しか話せない人と脳が違っているなんていう話もありますね。
確かに幼少時から複数の言語に触れる環境で育った人は、言語や発音に対して脳が柔軟に反応するということはあるかもしれません。しかし、幼いうちに複数言語に触れさせればそれでいいというわけでもありません。
結論からいえば、マルチリンガルになるための効率的な勉強法なんてないと思います。
マルチリンガルとして複数の言語を操る人は、言語学者を除くと、多くの場合「必要に迫られて」マルチリンガルになったというケースが多いのではないでしょうか。
一つ一つの言語に触れているうちに、いつの間にかマルチリンガルになっていた、という、自然な流れですね。
まずは一つ目の外国語をマスターしよう!
マルチリンガルになりたいのであれば、まずは一つ一つの外国語をじっくりと習得されることをおすすめします。日本人の場合、第一外国語として極めるなら、私がおすすめするのは英語あるいは中国語です。
英語をマスターできれば、多くのヨーロッパ言語への架け橋となることは間違いないでしょう。
その中でも英語に比較的近いのはドイツ語だといわれています。フランス語やスペイン語も、英語をマスターした後なら、比較的容易に感じられるかもしれません。
ラテン語系の言語を一つ覚えると、その系列言語の習得も楽になります。
フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語などは「大きな家族」みたいなものですので、どんどん話せる言語を増やすことができるでしょう。
近しい言語を学ぶことで効率化
英語からヨーロッパ系言語へと言語力を拡大するのもよいですが、東洋にこだわって、中国語(北京語)から広東語、韓国語などに触手を広げるのもおすすめです。
広東語ができれば、タイ語やラオス語との共通点を見つけることができるでしょうし、ベトナム語も難しく感じないかもしれません。ベトナム語は英文字に近い表記法を使っているので、文字読み取りへのハードルが低いのも魅力的です。
このように、類似点の多い言語を第三、第四の言語として、コツコツ学習を積み重ねていきましょう!