カナダは語学留学やワーキングホリデーの行き先として、とても人気のある国です。カナダで語学留学というと、多くの人は英語留学だと思いがちです。しかし、カナダの公用語は英語とフランス語の2カ国語です。フランス語が主に話されるケベック州では、英語とフランス語の2か国語を学ぶことも可能です。
カナダの公用語は英語とフランス語
カナダといえば、英語を公用語としているのは、みなさんよくご存知だと思います。実際は、英語とフランス語の2言語を公用語としています。しかし、カナダ人がみんな英語とフランス語のバイリンガルというわけではありません。
カナダの公用語は州ごとにも定められています。カナダの州は10州ありますが、そのうち英語のみを公用語とするのは8州です。ニューブランズウィック州は英語とフランス語の両方、ケベック州は、フランス語のみを公用語としています。
ケベック州には、ケベックシティやモントリオールといった、日本人にも聞きなじみのある都市があり、語学留学やワーキングホリデー先にも人気があります。
ケベック州なら2カ国語留学が可能
理論的には、カナダケベック州に行けば、英語とフランス語の2カ国語を勉強することが可能です。それが魅力で、この州を目的地に選ぶ人も多いと思います。
実際に多くの語学学校で、英語、フランス語のレッスンが開講されています。場所によってはスペイン語のレッスンもあります。カナダはもともと移民の多い国なので、南アメリカからの移民を対象としたビジネスでは、スペイン語のスキルも必要になるからです。
しかし、カナダケベック州は、英語とフランス語の2カ国語を学習する場所として、かならずしも理想的ではないようです。
2カ国語を同時に勉強することのデメリット
まず、2カ国語留学そのものが、果たして語学留学として効果的なのかという疑問があります。留学やワーキングホリデーは、期間が決まっているものです。限定された期間の中で、チャンスがあるならフランス語も英語も勉強したいという熱意は素晴らしと思います。
しかし、英語とフランス語を同時に勉強することは、よほど努力しない限り、どちらか、もしくは両方がおろそかになってしまうものです。
貴重な留学期間ですから、1つの外国語に集中して学ぶ方が、あとあとの自分のスキルとして身につきやすいのではないかと思います。
ケベック州で学ぶ英語
ケベックシティやモントリオールなどがあるケベック州の公用語はフランス語です。人口の78%がフランス語を母国語としています。当然、大部分の人が英語を理解できますが、中には英語がほとんど分からないという人もいます。
ケベック州で英語を学ぶとしたら、そのメリットは、多くの人にとって英語が第2言語のため、英語を話すスピードが比較的ゆっくりで聞き取りやすいということでしょう。
反対にデメリットは、英語を母国語とする人が少ないため、細かい文法やいいまわしの間違いもあり、英語の上級者には物足らなく感じるかもしれません。さらに、ケベック州で英語が上手く聞き取れるようになっても、隣の州のトロントなどにいくと、ネイティブの話すスピードについていけない、なんてこともありえます。
ケベック州で学ぶフランス語
では、フランス語はどうでしょうか。
先ほども書きましたが、ケベック州の78%がフランス語を母国語としています。しかし、彼らの話すフランス語は「ケベックワ(Québécois)」と呼ばれ、独特のアクセントを持っています。
ケベック州には、昔も今もフランス語圏からの移民が多いです。ところが、この「ケベックワ(Québécois)」は、フランス語と母国語とするフランス人でさえ、聞き取りにくいといいます。
大学や語学学校でフランス語を前もって勉強した後に、ケベック州に留学した場合、現地の人の話し言葉になれるのに少々時間がかかりそうです。
ただし、メリットもあります。フランス人は、自国の文化や言語に対してとてもプライドが高く、フランス語学習者の中には「とっつきにくい」と感じる人もいるようです。その点、ケベック州のフランス語ネイティブは、オープンでフレンドリーな人が多く、リラックスしてフランス語を練習しやすいそうです。
ケベック州フランス語と本国フランスのフランス語の違い
具体的に「ケベックワ(Québécois)」とフランスのフランス語がどう違うのかという点に関しては、おもしろい動画を見つけたので、こちらを参考にしてください(音声;フランス語、英語字幕付き)。
メリットとデメリットを考えて留学先を選ぼう
カナダは日本人に人気の留学先の一つです。もし、ケベック州への留学を考えているのなら、これらのメリットとデメリットを把握したうえで渡航しましょう。
いずれにしても、楽しく有意義な留学やワーキングホリデーになるといいですね。