フレンチトーストは、日本でもおなじみの料理ではないでしょうか。名前から、私はすっかりフランスに由来したものだと思っていましたが、フランス人に「少なくとも僕の家では伝統料理でも何でもない」といわれてしまいました。
じゃあ、フレンチトーストはフランス語で何というのでしょうか?
フレンチトーストはフランス語で何という?
フレンチトーストという料理そのものはフランスでも食べられています。先日、フランス人とオランダ人の友人が家に泊りに来たので、その朝食として彼らがフレンチトーストを作ってくれました。
そこで彼らが言うフランス語の単語(料理名)が理解できなかったんですが、実際に作っている姿を見ると「なんだフレンチトーストじゃない」と思ったわけです。
フレンチトーストはフランス語では「pain perdu(パン・ペルデュ)」と呼びます。pain は「パン」、perdu は「失われた」という意味になりますが、つまり古くなったパンを食べる方法として、そういう呼び名が付いたのではないかと、彼らが言っていました。
ちなみに、私が住むカナダ、ケベック州では「pain doré(パン・ドレ=黄金のパン)」とも呼ばれるそうです。こっちの方が、ステキな表現ですよね。でも、この時の友人は生粋のフランス人なので、フランス本国風に「pain perdu(パン・ペルデュ)」と呼んでいました。
じゃあ、なんでフレンチというの?
フランス人の彼曰く、「僕たちはフレンチトーストなんて呼ばないし、僕の知っている限りフランス料理ではないよ」と。
フレンチトーストの名称の由来には諸説あるようですが、1724年、ニューヨーク州オールバニでアメリカ人のジョーゼフ・フレンチが命名したことに由来するという説が有力のようです。フレンチさんが発明したから「フレンチトースト」なんですね。
この説の信ぴょう性はイマイチですが、少なくとも「フランス風のトースト」でないことは明らかなようです。
世界的に広く食べられているフレンチトースト
フランス由来ではないとわかったフレンチトーストですが、世界的に広く食されています。日本はもちろんのこと、香港や台湾、中国、インドなどのアジア、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国と実に多くの国でポピュラーなパン料理なんですね。
ヨーロッパ各地ではその呼びかたは様々ですが、「フレンチ」とかフランス風のニュアンスを残す呼称はあまり見かけられないようです。
アメリカ発祥という説があるくらいだから、アメリカでは「フレンチトースト」と呼ばれているのではないかと思います。中国語では「西多士」あるいは「法國土司」と呼ばれていますが、「法國」はフランスという意味なので、やはり「フレンチトースト」をそのまま訳した感じになっていますね。