日本人って、日常会話で「面倒くさい」ってよくいいますよね。でも、この日本語の「面倒くさい」は実は非常に英語に訳しにくい言葉なんです。
辞書で調べると、多分一番よく出てくるのは「troublesome」じゃないでしょうか。確かにそれでも通じますが、やや古臭い表現に聞こえてしまうので、私は日常会話では使ったことがないし、ネイティブが使っているのも聞いたことがありません。
そこで、日常会話で違和感なく使える「面倒くさい」の英語表現について、まとめてみました。
「面倒くさい」にぴったりくる英語表現はない?
日本語の「面倒くさい」はとても便利な表現だと思います。私自身も日本語を話しているときには頻繁に使いますが、これをいざ英語に訳そうと思うとなかなかぴったりした表現が見つからないものです。
私が英語の日常会話でよく使っていて、日本人の「面倒くさい」というニュアンスが伝わりやすいと思うのは、以下の3つ。
- It’s comlpicated.
- It’s annoying.
- It’s a nuisance.
It’s comlpicated.
comlpicatedの本来の意味は「複雑な」という意味になります。ですので、It’s comlpicated.というと、「その過程や工程が複雑すぎて面倒くさい」というニュアンスになります。この時の主語「It」は事柄や行為であり、人物には置き換えられません。
Are you going to fix the oven?
No, I don’t think so…It’s too complicated for me.
そのオーブン、修理してくれるの?
いや、それはちょっと。面倒くさいよ(僕には複雑すぎる)…
ただし、それほど複雑でないものについて「It’s comlpicated.」といってしまうと「It’s not complicated at all! It’s very simple」と反論されてしまうかもしれません。そういうときは、「I am just too lazy…. you know(単にね、私が怠け者なの)」と言い訳しておきましょう。
It’s annoying.
annoyingは、「迷惑な」「邪魔くさい」「イライラさせる」という意味の形容詞です。annoyingの主語は事柄や行為の他、人物でも可能です。
うっとうしい、ウザい、という意味もあり、発話者のその対象に対する主観的な印象や感想に重みを置いた表現になります。時にはネガティブに聞こえることがあり、こういうと「私はとても不愉快である」という自分の感情や状態を伝えることになります。
It’s a nuisance.
上の2つは形容詞でしたが、このnuisanceは名詞です。そのため、「It’s a nuisance.」「He’s a nuisance.」という風に「a」が必要になりますので忘れないようにしましょう。
あまり見かけたことのない単語かもしれませんが、私の夫(イギリス人)もその家族も非常によく使います。私は、日本語の「面倒くさい」に一番近い単語ではないかなと思っています。ただし、アメリカ英語では頻出しないかもしれないかもしれません。
「やっかいなもの」とか「うるさいもの(人)」という意味になります。いつもわがままばかり言って困らせる子供がいたら、「He’s a nuisance.」ということができます。我が家では、風邪をひいたときにも、天気が悪いときにも「It’s a nuisance.」といっています。
簡単に言うならdifficultでもOK
私たちがよく使う表現を3つ紹介しましたが、簡単に言うなら「difficult」でもOKです。
It’s a little difficult for me.
ちょっと私には難しい…(→ちょっと面倒くさい)
日本語の軽い「面倒くさい」という意味であれば、これでもなんとなく伝わります。それでいて、それほどネガティブに聞こえないのも使いやすいでしょう。
ただし、これだけでは何がどう難しいのか分かりにくいので、その理由を「Because…」と続ける方がナチュラルです。
面倒くさいなぁ…は「I feel lazy」
特別理由はないんだけど、気分的になんとなくだるい、動くのが面倒、という意味で「面倒くさい」と言いたいときには「I feel lazy」も使えます。「lazy」は直訳すると「怠け者」という意味ですが、「だるい」というニュアンスを伝えるにはぴったりの表現だと思います。
でも、あまり日常会話で頻繁に使いすぎると、「He is very lazy」(あいつは本当に怠け者だ)というレッテルを貼られかねませんので注意しましょう。
名詞としての「面倒」はhassle
「面倒」「迷惑」「ややこしいこと」「煩雑なこと」という名詞では、hassleという単語もよく使います。
外国への入国審査はいろいろと厄介なことが起こるものです。入国審査官にしつこく質問されたり、荷物が出てこなかったり…、そういう面倒がなくてスムーズに手続きできたという時には、
I had no hassle at the airport this time.
(今回は空港での面倒がなかった→スムーズに入国できた)
ということができます。
あるいは、ある行為がとても面倒だという時には、
It’s so much hassle to do (something).
ということができます。私の感覚的なニュアンスですが、「hassle」というと比較的周りにいる他人から受ける迷惑や面倒という意味があるように感じています。例えば、空港を出た後のタクシーのしつこい客引きは「hassle」の一種です。
状況に合わせてうまく使い分け
「面倒くさい」の英語表現について、紹介してみました。フランクなものでは「a pain in the ass」という表現もありますが、「ass(お尻)」という単語が入っているので、ちょっと下品に聞こえてしまいます。よほどスラングでもOKな場面ならいいのですが、そうでなければ使用しない方が無難でしょう。
日本人は「面倒くさい」を割と連発しますが、英語で同じ頻度で使用するとネガティブに受け取られるかもしれません。「日本人って勤勉だと思っていたけど、意外とLazyなんだね」といわれたりして…。ですので、使う場面とシーンに合わせて、あまりネガティブにならないように使い分けてみましょう。
ちなみに、中国語では「面倒くさい」にぴったり当てはまる単語があり、「麻烦(Máfan)」といいます。面倒くさいという概念はアジア的なのかもしれませんね、笑。