英語でネイティブと会話していると、つい、和製英語をそのまま英語読みして使ってしまうことありませんか? でも、ぜんぜん通じなくて恥をかくこともあります。英語だとカン違いして使うとNGな、和製英語、カタカナ語をピックアップしました。
「和製英語Japanglish」とは
先日、英語になった日本語についての記事を書きました。今回は、和製英語について書きたいと思います。日本には、英語などの外国語から輸入した言葉がたくさんあります。基本的にそれらの「外来語」はカタカナ表記されます。
英語ネイティブと会話していると、つい日本で使い慣れている和製英語をそのまま英語として使ってしまい、通じない、もしくは勘違いされてしまい、戸惑うことがあります。
それは、日本語を勉強している外国人にとっても同じこと。和製英語は、彼らにとってとても紛らわしく、時にはおかしい(funny)なものらしいのです。
今回、参考にしたのはスピードラーニングポッドキャストの「和製英語」です。原文を聞きたい人は英語の聞き取り練習にもなるので、聞いてみてください。
ちなみに彼らが「和製英語」として使っている英語(?)は「Japanglish(ジャパングリッシュ)」。
では、ひとつずつ確認しておきましょう。
サラリーマン、オフィスレディー(OL)
サラリー(salary)もオフィス(office)も英語です。でも、サラリーマンやオフィスレディー(OL)をそのまま英語にして、「salary man」とか「office lady」と言っても通じません。
会社員という意味では、「business man」、「business woman」と言います。ちなみに最近では、性別関係なしに使える「business person」のほうが好まれる傾向にあります。
クーラー
日本語の「クーラー」は、スイッチを入れると部屋が涼しくなる機械のことを言いますよね。
でも、英語のクーラー(Cooler)はクーラーボックスのこと、つまり冷たい飲み物をキープしておく小さな箱のことですね。
部屋の温度を下げる機械のことを英語で正しく言うと「air conditioner」もしくは「air conditioning」です。
これをカン違いして、「It is hot here, today. Can you turn on the cooler?」とか言うと、ネイティブは「???」となります。「あの小さいクーラーボックスをどうやってturn onするの? あの小さい箱の中に入るのか???」と混乱してしまうようです。
エアコン(暖房)
エアコンは、日本では暖房の意味でも使います。冬寒いときには、エアコンを入れれば部屋を温めることができますよね。
でも、英語の「air conditioner」は、あくまで冷たい空気が出てくるもの。ですから、「こんなに寒いのに、エアコンを入れるの???」と思われてしまいます。
冷たい空気が出てくるものは「air conditioner」、暖かい空気がでてくるものは「heater」と使い分けましょう。
マグカップ
マグカップというと、朝コーヒーを入れて飲む、取っ手のついたカップのことです。
これを英語でそのまま「mug cup」というと、ネイティブは違和感を感じます。正しくは「mug」が正解で、後ろの「cup」は必要ありません。
ネイティブにとっては、「mug」も「cup」もカップです。いろんな種類のカップがあるうちのひとつのスタイルが「mug」なんです。
英語として使うときは、「mug」もしくは「cup」と言いましょう。わさわざ2つをくっつけて言う必要はありません。
コインラインドリー
コイン(coin)もランドリー(laundry)も英語ですが、「コインランドリー」は和製英語です。コインを入れて洗濯物を行う場所のことですね。
英語ネイティブに、「コインランドリー」というと、「コイン(硬貨)を洗浄する場所」と思われてしまうようです。「コインランドリーに行く」というと、「そんなに洗浄しなくてはいけないくらいコインが汚れているの? 日本人はきれい好きだなぁ」とカン違いされるかもしれません。
英語で言うときは、単に「laundry」といいましょう。
アメリカンドック
「アメリカンドック」という食べ物があります。ソーセージに串をさして、小麦粉でつくった衣を着けてあげた食べ物です。屋台などでもよく売られていますよね。お好みでケチャップやマスタードをかけて食べるファーストフードの一種ですが、これは完全に和製英語です。
そのまま、英語として使ってしまうと「I love American dogs, it’s delicious!」「私はアメリカの犬が大好きです、とてもおいしい!」という意味になります。
北米にも同じような食品はあるらしいのですが、それは「Corn dog」と呼ばれているようですよ。
ファイト
スポーツなどの試合の前に、両親が子供に向かって「ケンちゃん、ファイト!」などと言うシーンがあります。でも、英語のファイト(Fight)は、「けんか、殴りあい」の意味で使われます。
試合などの応援として声をかけるなら「Do your best!」のほうが適切です。
ガッツポーズ
試合やテストでよい成績をおさめたときには、思わず「ガッツポーズ」しますよね。しかし、これも和製英語です。
「gut」は英語にもありますが、意味は大きく2つあります。ひとつは「内臓」や「腸」のこと。そして、もうひとつの意味は、「機械などの中心部」のことを言います。
ですから、「ガッツポーズ」と言うと「内臓ポーズ?」なんて、へんてこりんな英語になってしまいます。
英語で言うなら、「victory pose」が正しいです。
「gut」の複数形「guts」には、口語で「勇気」というような意味もあり、「I don’t have guts」というと、「僕には勇気が足らない(I am not brave enough)」という意味になります。そのgutsから転じて「ガッツポーズ」という和製英語ができたのかもしれません。
リサイクルショップ
リサイクルショップというと日本では、中古品を売買するお店のことですよね。でも、英語の「recycle」とは、缶やビンのように、回収して使いまわすことができるもののこと。
「リサイクルショップに行く」というと、「空き瓶や空き缶がたまったから、回収業者に持っていく」と思われてもしかたありません。
中古品販売店という意味で言うなら「second hand shop」もしくは「thrift shop」と言いましょう。
バックミラー
車の中についている、車の後方を見るための小さな鏡のことです。英語では「rear-view mirror」と言います。
ドライバー
ゴルフをしている人はゴルフクラブの種類かと思うかもしれませんが、ここでいう「ドライバー」とは工具の一種のことです。いわゆる「ねじ回し」ですね。
英語では、「screwdriver」と言います。ただの「ドライバー(driver)」は、英語では「運転手」のこと。工具のつもりで「What kind of driver do you need?」というと、「どんなタイプの運転手? タクシー運転手? バス運転手?」と混乱させてしまいます。
イン・キー
「イン・キー」というのは、英語ネイティブにはかなりわかりにくい和製英語のようです。「パスワードの一種か何か?」という風に、かなり考え込んでしまうよう。
日本語で、「インキー」というと、部屋や車の中に鍵を残したまま施錠してしまった状態のことを指しますね。これをそのまま「in-key」なんて風に言っても、英語のネイティブにはほぼ100%通じないはずです。試してみてください。
キッチンペーパー
料理をする人にとっては、「キッチンペーパー」はとても便利なアイテムです。しかしこれをそのまま英語にして言っても、ネイティブは「キッチンにあるノートか紙の切れはしのことかなぁ? レシピでも書きとめたりする?」モノだと思うようです。英語で言うとしたら「paper towel」ですね。
英語だと思って使ったら通じない外来語
日本語で外来語はカタカナ表記されます。外来語は、英語から輸入されたものが比較的多いので、そのまま英語のように発音すればすんなり通じるものもあります(たとえば「Milk」)。
しかし、中には、英語以外の外国語から輸入されたものもあり、それを一生懸命英語風に発音しても英語ネイティブには通じません。そんな外来語を少し挙げてみました。
アンケート
「アンケート」はもともとフランス語(enquete)なので、英語では通じません。英語で言うなら「survey」とか「questionnaire」となります。
アルバイト
「アルバイト」はもともとドイツ語(arbeit)です。英語にするなら「Part time job」。
イクラ
「イクラ」が好きなのは日本人だけだと思っていませんか。いくら(しゃれではありませんよ)日本人が好きだからといって、「イクラ」は日本語ではありません。「イクラ」も外来語で、カタカナ表記します。ただし、英語ではなく、これはロシア語(икра)。英語では「salmon Roe」と言います。
間違いから話が盛り上がることもある
和製英語をカン違いして、英語としていってしまったときは、ちょっと恥ずかしくなります。でも、そこから話が弾むこともあります。
言葉と文化の交流というのは、このようなカン違いを楽しむのが醍醐味でもありますよね。どんどんネイティブと会話して、言葉や使い方の違いなどを体感して見てください。