新型コロナウイルス関連のニュースを聞いているとよく耳にする単語の中に「Epicenter(Epicentre)」「Hotspot」などがあります。どちらも「○○の中心」という意味で使われる単語ですが、よく似たものに「Hub」という英単語もありますね。
いずれも場合によって「中心(Center/Centre)」に置き換えることができる表現ですが、そのニュアンスは微妙に異なります。
Epicenter(Epicentre), Hotspot, Hubの意味の違いと使い分けについてまとめてみました。
Epicenter(Epicentre)の意味
1.the point on the earth’s surface directly above an earthquake or atomic explosion
2.An epicenter is also the place that has the highest level of an activity
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/epicenter
「Epicenter(イギリス式:Epicentre)」は名詞で震源地、厳密に言うと「震央」という意味です。震央は地震が発生した場所(:震源地、通常は地下)の真上にある地表の地点のことをいいます。
地震に関連した用語ですが、英語では比喩的に使われることも多く、地震以外の事象について、何らかの活動やアクションが起きている中心地のことを指します。
(震央とは震源地の真上にある地球表面地点のことである)
(地震の震央は私の家の近くだった)
(地震の震央は東海岸から約200キロ沖合だった)
(一般的に、震央に近ければ近いほど被害は大きくなる)
(ニューヨークはアメリカにおいて新型コロナウイルスの中心地となっている)
(3月初め、新型コロナウイルスの中心地は中国からヨーロッパへと移行した)
(米国は最近の世界的金融恐慌の震源地となった)
Hotspotの意味
1.a place where war or other fighting is likely to happen
2.a popular and exciting place
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/hotspot
「Hotspot」は名詞で、もともとは戦争や紛争などが起こっている地点を指す単語です。そこから、広く使われるようになり、局地的に何らかの活動が活発である地点を指して使うことができます。
また、インターネット関連では、Wifi設備がありパソコンやモバイルデバイスでネットにアクセスできる地点(カフェなどの施設)のことを指して使うこともあります。
(国境は紛争のホットスポットになった)
(六本木は東京におけるナイトライフの中心地の一つだ)
(ニューヨークは米国における新型コロナウイルスの中心地である)
(彼らは市内地図のアプリを提供し、それは新型コロナウイルス感染の中心地を示してくれる)
(この街にはネットに無料接続できるWifiスポットがたくさんある)
Hubの意味
1.the central or main part of something where there is most activity
2.the central part of a wheel into which the spokes (= bars connecting the central part to the outer edge of the wheel) are fixed
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/hub
日本語でも「ハブ空港」といったりしますね。「Hub」は名詞で使われ、ある活動の中心地や中枢を指します。
もともとの意味は車輪の「こしき」(車輪の中心)のことで、放射状に伸びる輻(や)あるいはスポークが集中する箇所のことです。交通の要所を指して「交通のハブ」といったりしますが、車輪のスポークのように交通網があちこちに伸びるイメージにしっくりきますね。
「Hub」は交通(transport)と相性がいい言葉ですが、その他にもさまざまな活動を指す単語と結びつきます。
- transportation hub/transport hub:交通の中心、輸送の中心、交通結合地点
- hub airport:ハブ空港(乗継や積替えの中継地点となる空港のこと)
- commercial hub:商業の中心
- financial hub:経済の中心
- hub of activity:活動の中心、活動の拠点
(アメリカにはいくつかの大きな経済ハブ地点があるが、ニューヨークは間違いなく最大のものだ)
(武漢は中国中央地区の交通と産業の拠点である)
(かつてマラッカは交通中継港だったが、現在はシンガポールと香港がアジアの交通中継地点の役を担っている)
Epicenter(Epicentre), Hotspot, Hubの違いと使い分けまとめ
物事や活動の中心、中枢を表す英語表現、Epicenter(Epicentre), Hotspot, Hubの違いについてまとめてみました。
- Epicenter(Epicentre):元の意味は震央、転じて活動が活発化している中心地
- Hotspot:戦争や紛争が起こっている地点、転じて何らかの活動が活発である地点
- Hub:車輪のこしき、転じてある活動の中心地や中枢、拠点
好ましくない活動に使われやすい度合いでいうとEpicenter(Epicentre)、Hotspotの順になりそうです。Hubは、比較的ポジティブな意味で使われることが多いみたいですね。
いずれも中心(Center/Centre)という単語に置き換えることができるものですが、表現の豊富さは英語の特長でもあります。さまざまな表現方法を覚えれば、英語表現はもっとクリエイティブなものになるでしょう!