英語学習の教材として、評価が高いのはNHKラジオ英会話です。NHKラジオ英会話は長年の視聴者も多く、クオリティも高いのですが、一方で途中で挫折してしまう人も多いものです。英語学習者がなぜそんなにもラジオ英会話で挫折するのか、その理由を考えてみました。
始めやすいが挫折もしやすい
NHKラジオ英会話は、どんなレベルの人でも気軽に始められる、敷居の低い語学コースです。費用も放送を視聴するだけなら無料ですし、テキストを買ったとしてもとても安価です。
さすが、NHKだけあって、その品質も高く、続ければかなり語学力は上達します。
しかし、一方でラジオ英会話で英語を勉強しようとする人は多いものの、途中で挫折してしまう人も多いのが現実です。
はっきりした目標がない
挫折者が多い理由のひとつには、はっきりした目標意識がないことがあるでしょう。
語学学習には、目的意識が必要です。継続しなくては英語力は伸びません。しかし、半年、1年と、学習を継続するにはそれなりのモチベーションが必要です。
ラジオ英会話は、そのレッスン自体は大変優れているのですが、学習者のモチベーションに関しては、ほとんどその学習者任せです。
NHKラジオのほうでも、視聴者が継続しやすいように、HPなどでいろいろ工夫をしてくれているのですが、ほとんどの人はそれに気づかずに途中でやめてしまっているのではないでしょうか。
英会話レッスンのように、「予約したレッスンに行かなきゃ」というプレッシャーもありません。通信講座のように、毎月自動的にテキストが送られてくることもありません。自分で本屋に行ってテキストを購入する必要があります(定期購読もあります)。
年度の途中からは参加しにくい
NHKラジオ英会話は、1年ごとにカリキュラムが組まれています。4月スタートなので、初心者の場合、途中から参加するのはむずかしいということもあります。
だいたい4月にNHK講座がスタートすると、各書店にも専用のコーナーが設けられたりして、「今年こそやってみようかな・・・」なんて、テキストを手に取る人も多いと思います。
しかし、それが5月、6月となり、夏の盛りごろには、書店のテキスト売り場も素通り・・・という経験はないでしょうか。
「あーあ、今年も最後までできなかった、また来年」ということで、自然とテキストを買わなくなるのは、私だけではないと思います。
費用が安すぎる
英会話のレッスンなど、料金が高いと文句を言うくせに、NHKラジオ英会話のように、コストが低すぎても、人のモチベーションは下がってしまうものです。
料金がそれなりに高いと、「払った分の元は取らなきゃ」とむしろモチベーションがあがってきたりします。その点、NHKテキストは安価なので、貧乏人にはうれしいのですが、「まあ500円だし・・・」と思ってしまうと、やめるのも気が楽になってしまいます。
英語学習にお金をかけたくない、お金をムダにしたくないと思っている人ほど、実は自己投資したほうが結果的には実力を伸ばしやすいのかもしれません。
やめても誰にも文句を言われない
NHKラジオ英会話の勉強方法は、基本的にラジオを聴いて、テキストを呼んで英語表現を覚えるというスタイルです。
ですから、誰にも断る必要もなく、ラジオさえあれば(ネットから聞けるレッスンもあります)、始めることができます。
気軽に始められる分、やめるのも簡単で、やめても誰にも見つからないし、誰に文句を言われるものでもありません。言い換えれば、NHKラジオ英会話での勉強は孤独なものなんです。
この孤独な勉強方法を継続させるためには、よほどの動機付けが必要でしょう。
1日聞けないとしんどくなる
NHKラジオ英会話は、基本的に平日、毎日放送です。毎日15分の長さですので、毎日聞き続けるのはそうむずかしくないと思うかもしれません。しかし、実際には仕事や休暇でラジオ放送を聞き逃してしまうこともあります。
実際は一日や二日聞き逃したところで、たいしたことはないのですが、中には(私のように?)完ぺき主義の人もいて、聞き逃すと続けるのがいやになってしまうタイプの人もいます。
挫折を繰り返しながら継続することが大切
NHKラジオ英会話での英語学習が挫折しやすい理由について書いてきました。でも、私自身は、NHKラジオ英会話を高く評価しています。
英語学習者として、なんど挫折してもまたトライする精神で細々と続けていれば、必ず英会話の実力は上達すると信じています。
ただ、やはり、NHKラジオ講座は途中で投げ出してしまうことが多いので、それだけではなく、他の学習方法を組み合わせることをおすすめします。オンライン英会話や通信講座を受講することで、それぞれのメリットを生かしながら立体的に英語を勉強することができるでしょう。