「たまたま~した」「偶然~だった」というふうに、「意図せず」「偶然」起こった出来事を表現する場合、英語ではどういえばいいのでしょうか。
人間だれしも、故意にではなく「ついうっかり」過ちを犯してしまうこともあります。
そんなシーンで使える、「たまたま」「意図せず」「うっかり」を英語で表すときに使えるフレーズを紹介します。
偶発的な出来事、事故=accident
日本語でもすでに「アクシデント」という言葉でおなじみかもしれませんが、偶発的に起こるイベントのことを「accident」といいますね。
She was injured in a car accident.
(彼女は車の事故で怪我をした)
日本語では「事故」と訳されることが多いので、悲惨な状況を思い起こさせるかもしれません。英会話の中では些細な「事故」、つまりちょっとした「過ち」も「accident」を使って表現されることがあります。
She had an accident and spilt her coffee all over her work.
(彼女はちょっとしたハプニングで、コーヒーを仕事中にこぼしてしまった)
by accident
ここから派生して「by accident」を使って「たまたま~した」を表現することができます。
by accidentを辞書で調べてみると、次のように定義されています。
without intending to, or without being intended
意図せずに、あるいは意図されずに
日本語では「うっかり」という訳がぴったりくるかもしれません。
I deleted all of my documents by accident.
(私は誤ってすべての文書を削除してしまった)
こういうことは実際には起こってほしくないですね…。
ともかく、このように「誤って」「うっかり」「間違って」という意味で使うことができます。「by mistake」に置き換えることができます。
I deleted all of my documents by mistake.
「by accident」は悪いことだけに使われるわけではありません。「accident」はネガティブな意味あいが強いですが、「by accident」はニュートラルに「意図せず」という意味で使われることもあり、この場合喜ばしいことに対しても用いることができます。
He found his favourite old books by accident as he was packing his things to move.
(引っ越しのために荷物をまとめているときに、昔のお気に入りの本を偶然見つけた)
この場合の「by accident」は「by mistake」に置き換えるとちょっと変です。
(✕) He found his favourite old books by mistake.
accidentally
副詞「accidentally」も「by accident」と同じような意味で使うことができます。accidentallyの定義は次の通り。
by chance or by mistake
たまたま、あるいは誤って
「accidentally」も「by accident」も同じ意味で使われますが、「accidentally」は副詞ですので、文末だけでなく、一般動詞の前(あるいはbe動詞の後)に置くことも多いです。
The gun went off accidentally.
(銃が誤って発射された)
She accidentally spilt her coffee all over her work.
(彼女は誤ってコーヒーを仕事中にこぼしてしまった)
「accidentally」も、ネガティブな事象だけでなく、ポジティブなことにも使えます。
He accidentally found his favourite old books.
by chance
「図らずも」「偶然に」「思いがけなく」という意味で使うことができます。
I met her completely by chance and we ended up founding the company together.
(彼女とは全くの偶然で出会い、一緒に会社を設立することになった)
「by chance」は「by accident」に比べると「事故」「過ち」というニュアンスがないので、比較的ポジティブな事象に用いられます。
(✕) He knocked his coffee over his computer by chance.
「chance」そのものには、「機会」「好機」「運」というポジティブな意味あいが強いため、よくない事に「by chance」を使うと違和感を与えてしまいます。
I found that restaurant by chance and then realised that it was a super famous place.
(そのレストランは偶然見つけたんだけど、超有名店であることがわかった)
「意図せずに」「意外にも」「ひょっこり」を表す「unexpectedly」を使ってもほぼ同じ意味になります。
I unexpectedly found that restaurant.
(意図せずその店を見つけた)
happen to +動詞原型
私はこれが最も使いやすく感じているのですが、みなさんはどうでしょうか。動詞「happen」の後に動名詞を置いて「たまたま~した」「偶然~した」を表現する方法です。この形で用いる場合、たいていは「happened」と過去形になると思います。
He happened to see his old friend in town.
(彼は、偶然、街で旧友に会った)
ちなみに、偶然誰かに会った、遭遇したという場合は「bump into」「run into」を使うこともできます。
He bumped into his old friend in town.
He ran into his old friend in town.
「happen to +動詞原型」も純粋に「たまたま」「偶然」という意味を伝えるので、悪いことにも良いことにも用いることができます。
He happened to be walking by when the gunman came out of the shop.
(ガンマンが店から出てきたとき、彼はたまたま通りかかった)
We happened to be at the party that night.
(私たちは、あの夜、たまたまパーティーに参加していた)
I happened to find my favourite old books as I was tidying up the garage.
(ガレージの整理をしていたら、たまたま古いお気に入りの本を見つけた)
以上の表現は、いずれも英会話でよく使われます。
「happen to」と「by chance」は比較的ニュートラルですが、「accident」から派生した表現はややネガティブな印象を与えることもある点をおさえておきたいですね。
「しまった!」「やっちゃった!」という雰囲気を演出するなら、「accidentally」や「by accident」が効果的でしょう。
今回紹介したフレーズのなかに普段あまり使ったことのない表現があったら、表現力を高めるためにも、積極的に使ってみましょう。