英語をモノにしようというとき、文法、語彙、発音、会話練習など、やることはたくさんありますし、ネットでも英語学習の方法はたくさん紹介されています。
しかし、仕事やプライベートに忙しい現代人にとって、英語だけに時間を費やすわけにはいきません。そこで、考えるべきは、いかに効率よく英語学習を行い実践で使える英語を身につけるかということでしょう。
私はラッキーなことに、6歳のころから習い事として子供英会話に触れ、中学・高校での英語学習のあと、社会人になってから英会話スクールに通いました。
現在のようにオンラインでネイティブの英語に触れることが容易でなかった当時において、海外に留学せずに、最低限の日常会話ができるレベルの英語を身につけることができたと自負しています。
そんな私が、「最初からこうしておけば、もっと効率的に英語がマスターできたなあ」と思う英語学習方法について、ここでまとめておきたいと思います。
英語学習で大切なものは何か
その前に、英語学習で必要なものは何かについて考えておきましょう。なぜなら、英語を学ぶ目的は人によって異なるからです。仕事や就職に英語のスキルが必要だからという人もいれば、英語圏の人と恋愛・結婚したいという人、単に英語が話せるとかっこいいからという理由で英語を学習する人もいるでしょう。
この記事で話題にしているのは、「話せる英語」「使える英語」です。検定試験や入試に必要な英語の学習方法のことは話題としていませんので、最初に断っておきますね。
英語学習の目的が、英語を使って仕事をしたい、英語を使ったコミュニケーションしたいという人に役立つ記事です。
1.実践的な英語は実践でモノにするべき
まず第一に、実践でつかる英語を身につけるには、現場で英語を習得することが必要です。「話せる英語」「使える英語」を身につけるためには、とにかく「英語を話す」ことが最重要です。
英語を話す、つまりネイティブや英語を流ちょうに話せる人との会話練習にできるだけ多くの時間を割いてください。1日15分でも30分でもかまいません。最も効率が良いのは、オンラインレッスンを受けることでしょう。
レッスンを会話練習場と考える
英会話スクールに通うにしても、オンラインレッスンを受けるにしても、大切なことはとにかく「自分が話す」ということです。レッスン時間が30分なら、少なくとも20分は「あなた」が話してください。
英会話レッスンを受ける目的を「英語を話す練習場」とするのです。もちろん、英語を話す友人がいて、その人といつでも会話ができる(しかも無料で)というなら、そのときは会話を楽しむのがよいでしょう。
現代は、日本国内にいても「英語を聞く」チャンスはいくらでもあります。しかし、「英語を話す」機会はそう多くありません。自分で英語を話すチャンスを作らないと、なかなか難しいという人がほとんどでしょう。
英語のスピーキングに必要な筋肉を鍛える
繰り返しますが、「話せる英語」をマスターするには、現場の英会話でトレーニングするしかないんです。これは自動車の運転やスポーツの筋肉トレーニングと似ています。英語で質問されて英語で答える、その反射神経を鍛えることが必要なんです。
そのためには、英会話の実践に時間を割くことです。しかも、「レッスンを聞く」という受け身ではなく、自分から「話す」能動的態度でもって、レッスンに臨んでください。
このとき教師の教授スキルやレベルは、はっきり言って関係ありません。「あなた」がレッスンのイニシアティブを握る、くらいの意気込みでレッスンを受講することです。
2.「耳」が自由な時に「ながらリスニング」
もちろん、実践の英会話で上手くコミュニケーションするためには、リスニング力が必要です。そこで、リスニングは日常生活において「耳」が自由な時に行いましょう。
忙しい生活の中で英語を効率よく習得するためには、この「ながら学習方法」は必須です。なぜなら、リスニング力は「耳」さえ空いていればできるからです。
歯磨き、料理しているとき、通勤時、散歩しているとき・・・、日常生活で何か作業をしていても、「耳」が自由な時間は意外とたくさんあります。そんな時には、英語を聞きリスニング練習を行ってください。お気に入りのリスニング素材をかけっぱなしにしておくだけで十分です。
歯磨きや通勤は毎日行うものですので、そんな時には英語を聞くということを習慣づけてしまいましょう。ご存知の通り、英語学習には「反復」が大切です。たとえ短い時間でも毎日繰り返すことで大きな成果に結びつきます。
3.脳と視覚から文法を学ぶ
中学レベルの文法だけでは不十分
英語を身につけるためには、基礎的な文法を把握しておくことが早道になります。よく、「英語の日常会話に必要なのは中学レベルの文法だけで十分」といったことも聞かれますが、英語文法はできるだけ多く深く知っておくに越したことはありません。
特にネイティブの日常会話には、日本の英語教育では高校文法として扱われる「仮定法過去」と「仮定法過去完了」がよく使われます。文法用語にすると難しく聞こえますが、ネイティブの会話には実は頻繁に現れます。
たとえば、「私にもっと英語力があれば、あなたを助けてあげられるのに…」と言いたいとき、
If my English was better, I could help you.
これは文法的に言えば仮定法過去形です。文法用語は覚える必要はありませんが、こういった表現はネイティブの日常会話にもよく出てくるので、覚えておくと便利です。
ちなみに、英語ネイティブは、この文章の主節部分「I could help you」だけでよく使ったりします。
If you had a right to vote in the USA, would you vote for Donald Trump?
もしアメリカの選挙権を持っていたら、ドナルド・トランプ氏に投票する?
(この記事投稿時点でアメリカ大統領選挙はまだ行われていません)
この文章の「If you had a right to vote in the USA」部分を省略して、「Would you vote for him?」と言ったりします。この場合、質問している人は、相手がアメリカの選挙権を持っていないことを承知しています。
「後悔」を述べるShouldの過去形
もう一つ構造的に似た例を挙げれば、Shouldの過去形も特殊ないい方になります。これも中学英語では出てきません(少なくとも私の時代はそうでした)。
「あの時、あんなことをするべきではなかった」と言いたいときに使います。
例えば、「本当のことを彼に言っちゃダメよ(現在形)」を「Should」を使って表現する際、「You shouldn’t tell him the truth.」となるでしょう。
これを過去の時点にもどって、「あの時彼に真実を言うべきじゃなかった」と後悔するときには、「I shouldn’t have told him the truth.」と言います。
文法的に解説すると、これは「Should+動詞の過去完了形」となります。
文法用語は覚える必要はありませんが、どのように文を構成するかは、なんとなく知っておいた方が良いでしょう。人間は後悔する生き物ですので、このような言い方も覚えておくと、表現の幅が広がります。
文法は英語を効率よくマスターするための早道
ちょっと話が横道にそれましたが、言いたいことは、文法レベルをアップさせることも効率よく英語を身につけるポイントの一つだということです。正しい文法で構成された文章は、だれが聞いても読んでも心地よいものです。
学習初級者が英語でコミュニケーションを行う際には、多少の文法を無視することも大切ですが、英語をレベルアップさせるためには文法を把握することが早道です。
文法を学ぶには「ながら学習方法」は通用しません。
きちんと、眼で文法書を読み頭で理解することが必要です。きちんと机に向かって勉強する必要はありませんが、通勤時電車に座っているときなど、「目」と「脳」が自由な時間を文法学習に当ててください。
反復練習こそが英語学習成功のカギ
日本語に「改善」という言葉があります。この「カイゼン」という言葉、実は英語に翻訳されビジネスワードとして広く紹介され、Kaizenは日本語から輸入された英語となりました。
日本的経営の手法を紹介した、今井正明氏の「カイゼン」は世界的なベストセラーとなりました。そこからビジネスの世界では「Kaizen」という日本語が英語として定着したようです。
英語としての「Kaizen」は日本語の「改善」と少し違ったニュアンスで理解されているようです。そこには、日本人の品質管理や進歩に関する考え方をひっくるめた理解があると私は感じています。
その中のエッセンスとして「小さな努力の積み重ねが大きな成果を生み出す」というフレーズがあります。これは、まさに英語(第二外国語)学習におけるキーワードともいえるでしょう。
一夜漬けの試験勉強ではなく、実戦で本当に使える英語をモノにするには、毎日の「小さな積み重ね」が大切です。まさに「小さなことからコツコツと」という日本人的発想は、英語学習においても大きな成果をもたらしてくれるでしょう。
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