現在、イギリス滞在中です。今日はイギリス英語独特の時刻表現について、お話しておこうと思います。
「今何時ですか?」という時刻を尋ねる表現は、学校の英語授業で「What time is it?」というフレーズを習いますね。ところがイギリスでの実際の日常会話では、この表現を聞くことはあまりありません。
「What time is it?」といっても、もちろん通じますが、イギリスのカジュアルな英会話ではこれとは別によくいう言い回しがあるのです。
イギリス英語独特の時刻表現
イギリス英語には、特有の時刻表現がいくつかあります。以下に代表的なものを挙げます。
24時間制はほとんど使わない
イギリスでは12時間制が一般的です。24時間制は日常会話ではほとんど使われません。
たとえば、「3:00 PM」は「three o’clock in the afternoon」と言います。午前と午後を区別するために、「AM」や「PM」を使うこともありますが、会話では省略されることが多いです。
「o’clock」の多用
「〇時ちょうど」というふうな、ピッタリの時刻を示すときには「o’clock」を使うことが多いです。
たとえば、「It’s five o’clock.」は「5時です」となりますが、一般的な会話では「It’s five.」と省略されることもあります。
ちなみに犯罪系のテレビドラマでは24時間制を使うことも多く、「17:00」のことを「seventeen hundred」と言っているのを聞いたことがあります。
「quarter」と「half」の多用
「quarter」は15分を指し、「quarter past three」は「3時15分」を意味します。「quarter to four」は「4時15分前」、つまり「3時45分」です。
「half」は30分を指し、「half past three」は「3時30分」です。
「to」や「past」の多用
時刻を表現する際、イギリスでは「to」と「past」を使うのが一般的です。
「5:15」は「five fifteen」ということは稀で、「quarter past five」、「5:30」は「five thirty」ではなく「half past five」、「5:45」は「quarter to six」となります。
もっと細かく言うと、「5:05」は「five o five」ではなく「five past five」、「5:10」は「ten past five」、「5:20」は「twenty past five」となります。
30分を超えると「to」を使って、「5:35」は「twenty five to six(6時25分前)」といいますが、もちろん「five thirty five」といっても通じます。
「5:40」は「twenty to six」、「5:50」は「ten to six」、「5:55」は「five to six」です。これをイギリスで「five fifty five」といっているのは、スパイや警察もののテレビドラマか交通機関の案内アナウンスくらいでしょう。
イギリス英語独特の時刻の尋ね方
「今何時ですか?」という時刻を尋ねる表現は、「What time is it?」という言い方を学校で習ったと思います。ところがイギリスでの実際の日常会話では、この表現を聞くことはあまりありません。
よりよく耳にするのは 「What is the time?」 という言い方です。最初は戸惑うかもしれませんが、これで「(今)何時?」と聞いているのです。
「Do you have the time?」 もよく使われます。直訳して考えると「時間ありますか?」と尋ねているように感じるかもしれませんが、それは間違いで、「今、何時かわかりますか?」ときいているのです。
この場合の「the time」は、時計などの時刻を表すものとして解釈しましょう。そのため、回答は「Yes(わかりますよ)」のあとに「〇時です」と時刻を伝えてあげるのが親切です。
ちなみに「the time」ではなく、「time」として「Do you have time?」と言うと「時間ありますか?」という、相手の都合を尋ねる表現になります。ややこしいですね。