2019年9月より放映されている「The Missing Cryptoqueen」は、BBCドキュメンタリーの傑作ともいっていいくらいでしょう。
仮想通貨詐欺を題材とした、本格スリリングドキュメンタリードラマです。
英語学習素材としてだけでなく、シンプルにストーリーを楽しみたい作品です。
「The Missing Cryptoqueen」について
2019年9月より、イギリスBBCサウンドのポッドキャストとして放映されたドキュメンタリーです。
「Cryptoqueen」と自称する女性、Dr Ruja Ignatova と、彼女が創立したといわれる仮想通貨(もどき)「OneCoin(ワンコイン)」の話です。
いわゆる、暗号通貨詐欺(a cryptocurrency scam)に関する実話なんですね。
作家でジャーナリストのジェイミー・バートレットによるストーリーテリング。
ドキュメンタリーですので、フィクションではありません。未だ事件解決には至っておらず、現在も調査が進行中ですので、最終話も公開されていません。
The Missing Cryptoqueen のあらすじ
2014年、Dr Ruja Ignatovaという女性が突如現れ、将来を約束した新しい暗号通貨を発表しました。―――「OneCoin(ワンコイン)」です。
彼女が言うには、ワンコインはビットコインに似ているものの、より大きく、より良く、より使いやすいといいます。
その後、2年もたたないうちに約300万人以上の人々が、ワンコインに投資し、彼女は超お金持ちになりました。
ところがそんなある日、Dr Ruja は人々の前から完全に姿を消します。そして今に至っても、その行方が分かっていません。
物語を語るのは、ジャーナリストの Jamie Bartlett(ジェイミー・バートレット)氏。
彼は、消えたCryptoqueenを探し続けています。そして、彼が彼女の足跡を追跡するにしたがって見え隠れする、想像よりもはるかに奇妙な事実とは。
なお、Dr Rujia が創立したワンコインは、現在もなお取引が進行しており、世界中の人がワンコインを買い続けているといいます―――
英語学習素材としての The Missing Cryptoqueen
英語素材としての難易度は高めです。英語中級者から上級者向けのコンテンツです。
暗号通貨やブロックチェーンに関する英語ボキャブラリーとしては、それほど専門的な用語は出てきません。それよりもむしろ、Dr Ruja Ignatova の行動にまつわる英語、FBIや警察関連のワードなどが難しいと感じるかもしれません。
BBCによってラジオドラマ仕立てになっており、構成、シナリオ、音楽のどれをとっても美しくドラマチックに仕上がってます。一度聞き始めると引き込まれてしまう秀作です。
特に音楽にいたっては、Dessislava Stefanova と the London Bulgarian Choir による本格的なコーラスが効果的に使われています。
ストーリーはまだ完結に至っておらず、現在もなお、ジェミーはこの案件を追いかけています。今後のエピソードが楽しみでもあります。
この記事を執筆時点で、FBIはDr.Rujiaに10万ドルの懸賞金をかけて追跡中なのだとか。
英語学習素材としてだけでなく、純粋にラジオドラマとしても楽しんでみてください!