イギリスの国民的スポーツといえば、サッカーやラグビー、クリケットなどがあります。
日本人の方の中にも、プレミアリーグのファンは多いのでは?
そのようなスポーツにおける試合を観戦していると、得点が0の場合に「ゼロ」ではなく「ニル」といっているのを耳にすることがあると思います。
特にイギリス英語においてよく用いられる「Nil(ニル)」という表現。どうして「Zero(ゼロ)」を使わないのでしょうか? 調べてみました。
イギリスのスポーツ観戦で用いられるNil(ニル)
イギリスでスポーツ観戦していると、得点0を表す場合、「Nil(ニル)」という表現が用いられます。
たとえばサッカーの得点で「2-0」は「two zero」ではなく「two nil」なんですね。これは、イギリスで多く用いられる表現のようで、アメリカ英語では、「two nothing」のように表現するようです。
この「nil」という単語、名詞として用いられ、意味は「nothing」と同じになります。つまり何もないこと、「無」という意味です。
「nil」はどこから来たのかというと、ラテン語で「nothing」を意味する単語「nihil」に由来するそうです。
なぜ「zero」の代わりに「nil」を使うのか
一方、「zero(ゼロ)」はどこから来たのかというと、もともとはアラビア語で「ゼロ」や「空っぽ」を表す「sifr」が語源といわれています。その後、古スペイン語、フランス語を経て「zero」が英語としても使われるようになりました。
では、なぜ、サッカーなどの試合で「0」のことを「zero」ではなく「nil」というのでしょうか?
これについて、イギリス人の夫に聞いてみましたが、あっさり「I don’t know.」といわれてしまいました…。
ネット検索しても、「nil」という単語の由来について書かれた情報はあるものの、どうしてサッカー試合で「zero」の代わりに「nil」を使うのか説明しているものは見つかりません。
アメリカのQ&Aサイト「Quora」にも、同様の質問が掲げられていましたが、的を得た回答はありませんでした。
というわけで、なぜサッカーなどの試合で「zero」の代わりに「nil」を使うのか、その理由は不明です。
ちなみに、「1860年代に書かれた、サッカー競技規則にはすでに「nil」が使われていた」といっている人がいました。かなり以前から「nil」を使うのが習慣だったようですね。
テニスなどの試合では「zero」ではなく「love」
ついでに書いておくと、テニスなどの試合においては「zero」の代わりに「love」を使うようですね。私はテニスはあまり見ないので、よく覚えていないのですが。
たとえば「0-0」は「love all」といいます(サッカーでは「nil nil」という)。
なぜ、テニスにおいては「zero」の代わりに「love」を使うのでしょうか?
ウィキペディアによると、これには2つの説があり、フランス語で「卵」を表す「l’œuf (“the egg”)」に由来するという説と、スコットランド語で「無」を表す単語に由来するという説があるそうです。
フランス語の「l’œuf」が使われていたのは、卵の形状が数字の「0」に似ているためだと考えられます。これが、英語話者には「love」に聞こえたのでしょうねぇ…。