だんだん、徐々に、少しずつ何かが変化する様子を説明したいとき、一つの方法が動詞getの進行形を使う言い方です。「be getting~」で、何かが少しずつ、あるいはだんだんと変化してきた「~になってきた」「~してきた」を意味することができます。
動詞getは、英語の初級学習で登場する基本の動詞ですよね。日常会話でも非常によく使われます。これを進行形にするだけで、微妙なニュアンスを表現できるのですから、使わない手はありません!
今回は、be getting~を使って「だんだん~してきた」という微妙な変化を表現する方法を紹介します。
be getting~でだんだんと変化してくる様子を表現する
例えば、Are you hungry?(お腹空いた?)と聞かれたとき、そんなにむちゃくちゃ空いているわけでもないけど「そう聞かれたら(意識し始めたら)なんとなくお腹が空いてきた」ということありませんか?
そんなときは、こんなふうに返答することができます。
(だんだん空いてきた)
「それほど空いていたわけじゃないけど、徐々にお腹が空いてきた」「空いていない状態からお腹が空いた状態へと少しずつ変化してきた、あるいは変化しつつある状態だ」ということを意味することができます。
これは他の時制と比較すると、その微妙な違いが分かりやすくなるかもしれません。
- I was not hungry.
(私はお腹が空いていなかった) - I am getting hungry.
(私はお腹が空きつつある) - I am hungry.
(私はお腹が空いている)
1から3へ向かって、お腹の空き状況が変化していくと考えると、理解しやすいのではないでしょうか。
動詞get+形容詞で「~になる=become」
動詞getが「手に入れる」を意味する単語だということはご存知かと思います。そのほかにもgetは後に形容詞を伴って「~な状態に変わる=become」「変化する」という意味を持っています。
(彼女はすぐに良くなるだろう)
(冬は、早く暗くなる)
上記の例文では、「be getting~=become~」として紹介していますが、実際の会話表現では、「become」よりも動詞getを使って表すことの方が多いです。
動詞getを進行形にすると、「今まさにその変化が進行している」状態を表すことになります。
(彼女はだんだん良くなってきている)
(だんだん暗くなってきた)
be getting+形容詞比較級
この場合、getのあとの形容詞は比較級が使われることも多いです。上の例文でもbetterはgoodの比較級です。
(暖かくなってきた)
(彼は背が高くなってきた)
(あなたの英語は少しずつよくなってきたね)
「little by little」はそれ自体に「少しずつ」という意味があり、この文型と相性がいいです。
(彼は会うたびに背が高く、大きくなってくる)
このように、二つの異なる形容詞をandでつなげる方法もよく見かけます。語呂が良くなるというか、ちょっと印象的な表現になりますね。
be getting+比較級 and 比較級
さらに、形容詞比較級を重ねていうと、よりドラマチックに「だんだんと変化」してくる様子が表現できます。
(春には、気候が日に日にあたたかくなる)
moreを使った比較級の場合は、「more and more+形容詞」という語順になります。
(彼はビジネスに成功するごとに、だんだんと傲慢になっていった)
ちなみに「be getting more and more+名詞」になると、「だんだんとたくさんの~(名詞)を獲得するようになった」という意味になります。
(時がたつにつれて、彼はより多くの読者を獲得しつつある)
reader(s)は「読者」という名詞として働いています。これを言い換えるなら、
(時がたつにつれて、彼は作家としてますます人気が出てきている)
ということもできますね。
イディオムとして覚えたいbe getting there
もう一つ、よく似た表現で英語ネイティブがよく使う言い方があるので、記載しておきます。
(私たち、もうちょっとでゴールよ)
「be getting there」と、be getting の後ろに場所を表す代名詞「there」を持ってきて、「目的(地)にほとんど近づきつつある=もうすぐ到着(到達)する」という意味で使われます。
このときの「there」は一定の場所を表していることもありますが、抽象的なゴール(目的/達成地点)を示していることもあります。
ですので、どこかに向かって移動しているときだけでなく、何か共通のプロジェクト完成に向かっていっしょに頑張っているときなどにも使えます。
例文では「We(私たち)」を主語にしていますが、その他の代名詞がくることもあります。多くは人物を主語とします。会話文ではお互いに誰のことを話しているのか分かっているときは(たいていは発話者を含む自分たち)主語が省略されることも多いです。
(もうすぐだよ!)
といわれたら、ゴールが近いということですので、もう踏ん張りできますね!
「だんだん~してきた」be getting~を使いこなそう!
今回は、だんだん、少しずつ、徐々に移り変わる変化を表現する方法として「be getting ~」を紹介しました。
「~になってきた」「~してきた」という日本語を英語にしようとすると、「あれ、どういえばいいんだっけ?」と考えてしまうときもありますね。そんなときには、今回の記事を思い出して「be getting ~」を使ってみてください。
構造自体は単純な文法です。でもこれを覚えるだけで、ぐっと英語表現の幅が広がるはずですよ。