英語の日常会話でネイティブと話していると、ときどき耳にするのが「crack on」という表現です。
話の文脈からなんとなく意味を推察しやすい表現なんですが、今回は改めてその意味と使い方を掘り下げてみました。
ネイティブがよく使う「crack on」の意味と使い方を紹介します!
「crack on」の意味
「crack on」は日常会話でよく登場する英語フレーズです。英英辞書にはこのように解説されていました。
to start or continue doing something, especially more quickly or with more energy after a pause
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/crack-on
(特に休止/休憩の後で、より素早く、あるいは精力的に何かを始めたり継続したりすること)
たとえば、仕事をしているときのランチブレイクやコーヒーブレイクのあとに「そろそろ仕事に戻らなくちゃ」という意味で「crack on」を使ったりすることがあります。
定義にもありますが、特に短い休憩やポーズのあとに再びタスクに取り掛かる際に使うことが多いです。
このときの「タスク」は仕事だけではなく、料理やガーデニングなど、なんらかの作業であればなんでもかまいません。
「ブレイクの前よりもさらに手早く精力的に」という意味も含まれるため、「やらなくちゃー」というネガティブさはなくて、ポジティブに聞こえる、よい表現だと思います。
「crack on」の「crack」の意味は?
「crack on」を使った例文はこの後に紹介しますが、そのまえに「crack」の意味が気になったので確認しておきます。
「crack」は動詞、あるいは名詞として働く言葉です(形容詞として機能することもあります)。
動詞としても名詞としても非常に意味が多いのですが、メインとなるのは「割れ目」「ひび割れ」でしょう。
辞書で定義されている最初の意味は、
to break something so that it does not separate, but very thin lines appear on its surface, or to become broken in this way
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/crack
(何かを壊して、とはいえ分離させるのではなく、表面に非常に細い線が現れること、またはそのように壊れること)
このような意味から、「休憩などのあとに再び作業に取り掛かる」際の動詞として使われるようになったと考えると、少し覚えやすいかもしれません。
「crack on」を使った例文
では、「crack on」を使った例文を紹介します。
We still have lots of things to do, so we’d better crack on.
(やらなきゃいけないことはたくさんあるので、そろそろ作業に戻りましょう)
イギリスの家族と電話で話をしているとき、話を切り上げるときにこんなふうに言ったりします。
It’s almost six o’clock. I’ll let you crack on with making dinner.
(そろそろ6時だから、夕食の準備に取り掛からせてあげるよ)
ちょっと、まどろっこしい言い方ですね。内容としては、「夕食時だからこの辺で電話を切って、支度をした方がいいんじゃない」ということを暗にほのめかしています。
あるいは、コーヒーブレイクで同僚とおしゃべりしたあと、それを切り上げる際にこういったりするかもしれません。
It was nice to chat with you, Mari, although I think I should crack on now.
(おしゃべりできて楽しかったよ、マリ。そろそろ仕事に戻らなくちゃ)
雑談や休憩を切り上げるときに便利な「crack on」
電話での会話や休憩時間のおしゃべりを切り上げる際、
Well, I need to go now.
(では、そろそろ失礼します)
といってもよいのですが、「crack on」を使うと、なんとなく「立ち去りたい状況」を婉曲的に相手に伝えることができるように思います。
やんわりとその場を立ち去りたいときに使える便利な表現なので、ぜひ試してみてください。