片付けるに関する英語表現を紹介します。
日本語の「片付ける」には、よくよく考えるといろいろな意味と使われ方があります。シーンと片付ける対象によって、使える英語表現が変わってきますので、適切な言葉を選択したいものですね。
片付ける、整理整頓するといいたいとき、英語では何というのか、ここでまとめて整理しておきましょう!
モノをおいやって片付けるPut away
Put awayには、何かをあるべきところに納めるという意味があります。日本語の「片付ける」にぴったりのフレーズだと思います。
片付ける対象となるモノを「put」と「away」の間に置くか、「away」の後に置くかします。
具体的なモノの名前以外に、itやthem、your thingsなどといった抽象的なものを置くこともできますが、itやthemは、「put it away」のように、通常「put」と「away」の間に置きます。
(おもちゃを片付けなさい)
(服を片付けて)
「your things」のような名詞(あまり長すぎないもの)は「put」と「away」の間に置くことも、「put away」の後に置くこともあります。
(今すぐ、自分のものを片付けなさい!)
(自分のものを片付けてください)
目的となる名詞が長かったり複数ある場合は、「put away」の後に置きましょう。
(夕食の用意がほぼできました。テーブルの上のコンピューターと書類を片付けてください)
(洗濯物を片付けてくれて、ありがとう)
この場合の「the washing」は、洗濯して物干し竿などに干してあった洗濯物を意味します。それを取り入れて片付けてくれてありがとう、という意味ですね。
(食器を拭いてから片付けるね)
食事の後の片づけで、洗った食器をラックなどで乾かしますが、自然乾燥するのを待たずにふきんで拭いて食器棚などに片付けているシーンです。「I will put the dishes away」の部分は、食器乾燥機にかけたあとの食器を片付けるという意味でも使えます。
また、「put ~ back」といういい方もあり、これは、元ある場所に戻すというニュアンスが強くなります。次の3文はほとんど同じ意味です。覚えやすいものを一つ記憶しておくとよいでしょう。
(見つけたときと同様に片付けて=元通りに片付けて)
(見つけた場所に片付けて)
(見つけたところに片付けて)
通常の名詞を置いて使うことも、もちろん可能です。
(ナイフとフォークを食器棚に片付けて)
「put ~in order」といういい方もあります。「秩序立てて置く」→「片付ける」という意味で使えます。
(自分の部屋を片付けて)
(デスクトップを片付けないと)
整然と片付ける!Organize
日本語の「整理整頓」に近い表現に「organize/organise(米/英)」という動詞があります。「put ~in order」に近い意味で使うことができます。
(部屋を片付けないと。今ちょっと散らかっているからね)
(どうやってデスクトップを整理整頓しているの?私のはむちゃくちゃ)
この後の項目でも再度出てきますが、「messy(散らかっている様子)なモノ」や「a mess(散らかり)」を片付けるという意味でも使うことができます。
(さあ、今は家で過ごす時間が増えたから、家の中をちょっと整理整頓でもしとく?)
(彼女は書類を片付けているところだ)
(私たち、引っ越してきたばかりで、家の中はまだきちんと片付いていないんだ)
「be organised」といえば、片付いた状態を表現できます。また「organised」は人を形容するときにもよく使われます。
(彼は、ちっともきちんとできない人だ)
といえば、整理整頓が苦手な人、うっかりミスの多い人、という性格や性質を表すことができます。場所を主語にとって「organised」と形容すれば、その町や国は秩序が保たれていて効率的だという印象を与えます。
きちんと片付けて!Tidy up
きちんと片付けるのが「tidy up」です。「tidy up」の形でよく使われますが、「tidy 」単体でも片付けるという意味があります。
「put away」と違って、目的語には片付ける対象のモノだけでなく、場所を置くこともできます。
(もうすぐ夕食よ。テーブルの上の書類を片付けてくれる?)
(出かける前に自分の部屋を片付けなさい!)
(自分の部屋を片付けるように小言をいうのにはうんざりしてるのよ)
(母さん、僕に黙って勝手に部屋を片付けないで!)
二語に分割して書くときの「tidy up」の「tidy」は動詞扱いになります。「tidy-up」とハイフンでつなげると名詞となり、このような表現もよく行われます。
(ほら、もうすぐママが返ってくるよ。サクッと片付けしとこう!)
(私のコンピューターは思い切って整理整頓する必要がある)
「tidy」は形容詞としても使われ、「きちんとしている」「片付いている」という意味になります。シェアハウスやゲストハウスなどの共有スペースでは、こういう貼り紙があったりしますね。
Keep common areas clean and tidy
(共有エリアを清潔に整頓した状態で保ちましょう)
日本語でよく「食事の後片付けをする」といったりしますが、この場合の「片付け」にぴったりくるのも「tidy up」だと思います。
こちらのホームパーティーでは、食事の後の片づけをみんなでやったりすることがあります。何かごちそうになったときには、少なくとも「片付け手伝うよ」くらいのオファーはしたいですね。
(ジェーン、料理してくれてありがとう。おいしかったわ。じゃあ、私が片付けするわね)
キレイに片付ける!Clean up
散らかっている状態を「messy(形容詞)」といいますが、散らかり「a mess(可算名詞)」をきれいに片付けるときによく使われるのが「clean up」です。
(私の母は毎週月曜日に家を片付ける)
(私の母は毎週月曜日に家を掃除する)
「clean up」も「clean」もあまり変わらない意味で使われます。一応、上の2文では、「片付ける」と「掃除する」という訳を当てています。でも実際のネイティブに与える印象は、二つともあまり相違ないみたいです。
ですので、「片付ける」という意味を強調したいのであれば、「clean up」を使うよりも「tidy up」などを使うほうがいいかもしれませんね。
(散らかすなら、あとで片づけをしなくちゃだめよ)
(あんたがむちゃくちゃにしたあとを片付けて回ることにはうんざりしているのよ)
ゲストハウスやシェアハウスなどの共有キッチンには、こういう貼り紙が貼られているかもしれません。
This is a self-cleaning kitchen. Please clean up after yourself.
(ここはセルフクリーニングキッチンです。使った後はきちんと片付けてください)
「clean」はもともと「掃除する」「清潔にする」という意味の動詞です。
(この布巾でテーブルを掃除してくれる?)
このため、日本語では「片付ける」という意味よりも「掃除する」「後始末する」というシーンでも、「clean up」が使われることも多いです。
(朝食の後は、自分のパンくずを掃除してね)
(どうしてあなたはいつもワインをこぼすの?だれが後始末するのよ?)
「clean up」はペットの後始末をするという意味でも使われます。
(犬のフンの後始末をしてください)
(犬を飼ってもいいけど、うんちの後始末をしなくちゃいけないよ)
また、「clean up+mess」という組み合わせは、政治などのシーンで比喩的に使われることもあります。
(首相がやらかしたこのハチャメチャを、いったい誰が後始末するんだ?)
あとかたもなく片付けて!Clear (off)
散らかっているものを片付けて何もない状態にする、すっきりさせるという意味で使うことができるのが、動詞clearです。
(テーブルの上を片付けて。夕食の用意ができたから)
(棚を片付けてきれいにするから、そこに君の本を整頓すればいい)
そこに置かれているものをすべてどけて、場所をクリアにするというニュアンスがあります。
(ソファーの上の服を片付けてくれる?)
「clear」は交通事故などで飛散した部品や車両を片付けるときにも使われます。
(彼らは交通事故の後始末をしているところだ)
仕事やタスクを片付ける!Get ~ done
日本語では、仕事やタスクについても「片付ける」といったりしますね。
仕事などを片付ける、つまりやり終えてしまうという場合、英語ではシンプルに「finish(終える)」を使うのが手っ取り早いです。
(仕事を片付けなくちゃ)
そのほかに「片付ける」というニュアンスに近いのが「get ~ done」といういい方です。
(仕事を片付けるつもりだ)
(やるべきことを片付けなくちゃいけない)
対象となるものは仕事やタスクなど限られます。英語ネイティブがよく使う表現ですので、例文を丸ごと覚えておくだけでも、十分役立つでしょう。
片付けにも使える万能動詞Do
そのほか、やや例外的ですがタスクを片付けるという意味で「do」が使われるケースもあります。
上の例文で「食後の片づけ」には「tidy up」が使えるといいました。この場合の「tidy up」には、テーブルの上の食器を台所に運んだり、お皿を洗ったり、テーブルを拭いたりする作業が含まれます。
個別の作業として「お皿を洗う」と言いたい場合には、ふつう「do the dishes」といいます。日本語では「皿洗い」というので「wash」を使いたくなりますね。「wash the disehes」でも通じないこともありませんが、「do the dishes」の方が自然です。
その他にも、一週間分の洗濯物を「片付ける」と言いたいときは、「do the laundry」あるいは「do the washing」と言います。「片付ける」ものの一つとして覚えておくと便利ですよ。
(すぐに部屋を片付けなさい)
話し手と聞き手がお互い何について会話しているのか把握しているという前提で、上のような例文も使えます。
片付けるに関する英語表現と7つの動詞
今回は、「片付ける」という意味で使える英語の動詞7つとその使い方や関連表現について紹介しました。
ひとことに「片付ける」といっても、英語にはさまざまな言い回しがあり、使い方を誤ると違和感を与えてしまいます。「片付ける=○○」と機械的に翻訳暗記するのではなく、臨機応変に使い分けられるようになりたいですね。
この記事が、みなさんの頭の中で「片付ける」に関する英語表現の整理整頓に役立てば、とてもうれしいです。