TOEICのスコアが高得点なのに実際では話せないというケースが見られます。たとえスコアが900を超えているのに話せない人もいます。もちろん、彼らはTOEICのスコアに関して嘘をついているわけではありません。
TOEICではリスニングセクションがありますから、それなりに相手の言っていることは理解できていると思います。問題なのは「自分の言いたいことを表現できない」ということです。
2つの語彙力
まず、語彙の問題があります。自分の知っている言葉の数を指しますが、実は語彙には二つ種類があるのです。
「理解語彙」と「使用語彙」です。理解語彙は相手の言っていることを理解するとき、もしくは本や新聞に書かれていることを理解する時に使われる語彙です。使用語彙とは、自分の思っていることを表現する時に使われる語彙です。口で物事を説明する時は、文章を書くときなどに使います。
TOEICスコアが高得点なのに話せない方の特徴としては、理解語彙と使用語彙の乖離が大きいということです。
簡単な単語が会話で思いつかない
こういった方々は、案外簡単と思っているような単語でも思いつかないことがあります。
例えば、「決意」という言葉、「determination」。この単語自体はさほど難しくありません。
たぶん大学受験の単語帳であれば最初の方に出てくると思います。ですので、英文を読んでいるときにこの単語が出てきても、TOEICで高得点を取る方であればなんの問題はなかったでしょう。
しかし、何かしらの状況で「決意」という表現をしたい場合、使用語彙が乏しいと、どう話せばよいかわからなくなってしまいます。
間違いを恐れる日本人
また、日本人によくあることですが、「間違いが恥しい」ということです。特にTOEIC高得点の方だとそうなります。
「間違った英語を話してしまい、そのことを指摘されたらどうしよう」「自分の英語の発音は大丈夫かしら」という心配をしてしまいます。ミスのないようにしようとするあまり、英語で話さなくなってしまうというパターンに陥ってしまいます。
英語で話さない→話す能力が伸びない→ミスを恐れて英語で話さない、といった悪循環から抜け出せないのです。
まずは独り言でもいい
もし、ご自身がこういった兆候があると感じたのであれば非常にもったいないです。
最初はダメでも、元々基礎を持っている方なので成長率はほかの人よりも断然高いはずです。まずは、相手はいなくていいので、独り言のように英語で話してみることです。
英語で何かを書いてみても良いでしょう。ある程度できる自信が付いたら実際にネイティブスピーカーや英語が話せる外国人と話をすると良いでしょう。Language Exchangeであれば、パートナーは相手側がそこまで英語を話せないことは理解してくれますので、特に負い目を感じることはないです。
交流パーティーのような所に参加するのも良いでしょう。「自分はネイティブではないのだから完璧な英語が話せるわけがない」という心構えを持っていれば良いでしょう。
そうすれば、おのずとリラックスして話せます。ちなみに、たとえネイティブでも実は完璧な英語が話せるわけではないのです。結構文法が抜けているところがありますよ。