けっきょく(結局)、最終的には、と話を結論付けたいとき、英語では何というのでしょうか。
口語でも文章を書いているときでも、私はよくこの「けっきょく」という言葉を使いたがるようで、英語だといつも同じ表現ばかりを使ってしまうことがあります。
でも、けっきょく(結局)を意味する英語表現はたくさんあって、それぞれ微妙にニュアンスや使い方が違うんですよね。
今回は、けっきょく(結局)という意味で使える英語表現とその違い、使い分けについてまとめてみました。
ついに、やっと、結局こうなったFinally
finally:
after a long time or some difficulty
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/finally
「finally」は「ついに」「結局」「やっと」という意味の副詞です。長い時間の後で、あるいは何らかの問題や困難があった末に、というニュアンスを伝えたいときに使います。
(彼らは結局、真夜中近くになって帰宅した)
(長い話し合いの後、彼らはやっと妥協した)
(私の就労ビザはついに受理されることはなかった)
(何カ月もの就職活動ののち、彼は結局転職しないことを決めた)
(今年は長く寒い冬だったが、ついに春が来た!)
最終結果として結局こうなるEventually
eventually:
in the end, especially after a long time or a lot of effort, problems, etc.
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/eventually
「eventually」は「最終的には」「結局は」の意味で使う副詞です。ストーリーなど、何かがある一定の時間進行したのちに、あるいは何らかの努力があってそののちに、最終的にこうなったというときに使います。
議論などの最終結論を述べるときなどの場合、eventuallyは使用しませんので注意しましょう。なんらかのストーリー性があるものの最終章に起こったことを描写するときに使うと覚えておくとよいと思います。
(このプロジェクトに関してチームで働くのは困難だと感じていたが、結局完全にモチベーションを喪失した)
(ちょっと時間はかかるだろうが、最終的には君はやり遂げられる)
(今回の旅はスムーズではなかったものの、結局カナダに帰ってきたよ)
(数年の挑戦のあと、彼の難民査証はついに受理された)
「eventually」という副詞、否定形では使われないという特徴があります。
「eventually」は「eventual(最終的な、やがて起こる、結果的な)」という形容詞の副詞形です。「eventual」はもともと「event(イベント、出来事)」という名詞から派生しているので、その副詞「eventually」は「最終的に起こらなかったこと」とは相性が悪いのでしょう。
(私の就労ビザはついに受理されることはなかった)
というと、英語ネイティブには「座りの悪い」文になってしまいます。その場合は、同じ内容のまま肯定文に変換してみましょう。
(私の就労ビザは最終的に拒否された)
要点をまとめると結局は、Ultimately
ultimately:
1.finally, after a series of things have happened
2.used to emphasize the most important fact in a situation
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/ultimately
「つまるところ」「結局のところ」「要するに」という意味で使われる副詞です。
「ultimate」には結論という意味があり、いくつものことや議論が起こったあとに結果や結論が出たときに使用します。
「ついに」「最終的には」というふうにストーリーとしての最終結果を述べるというよりも、議論の結論を述べる際や一番大切な部分を強調したいときに用います。やや誇張した表現として使われることもあり、文頭や文中に置かれることが多いです。
(結局のところ、このプロジェクトの成功は政府の支援をえられるかどうかにかかっている)
(ともかく、最も大切なことは何が起ころうとも前に向かって進むことだ)
(さまざまな議論があるが、最終的には、結論を下すのは彼自身である)
ぐだぐだあって、でも結局はAfter all
after all:
1.despite earlier problems or doubts
2.used to add information that shows that what you have just said is true(After all also means for this reason)
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/after-all
「after all」も日本語の「けっきょく(結局)」という意味で使われるフレーズです。すべて(all)の後に(after)というふうに解釈すれば、すぐに覚えられそうですね。
「after all」は、「いろいろあったけどその結果、~」というニュアンスで使われます。予想や期待に反した結果を述べるときにも使ったり、最終的な結論として情報を追加的に述べるときに使います。
通常、文頭あるいは文尾に置きます。
「after all」は、その結論(結果)に至った過程がスムーズではなく、「さまざまな問題が議論、疑問点があったにもかかわらず、こうなった」「紆余曲折を経て」という印象を与えます。
(議論はたくさんあったが、でも結局彼が正しかったね)
(ついに決断は下された。オリンピックを延期します)
「after all」から、理由の説明へつながることもあります。
(思うに、私はやっぱり彼女をサポートするべきだと思う。結局のところ、姉妹だから)
(私たちにできることは彼を信頼することだ。結局のところ、決断を下すのは彼なのだから)
After allとOverall
結論を述べるとき「Overall,~」で文を始めることがあります。「overall」と「after all」、なんとなく似ていますが、意味はかなり違いがあります。
「overall」は一語で書き、「after all」のように分割しては書きません。
結論を述べるときに使われる「overall」は副詞として機能し、「総括して」「全体的にいって」「総じて」というような意味で使われます。
(全体的にいって、状況はそれほど悪くないよ)
(全体としては、いい試合だった)
ここで用いられる「overall」は副詞ですが、「overall」には形容詞としての働きもあり、その場合は「包括的な」といった意味で名詞を修飾します。
最後は結局こうなった、In the end
「end」は「最後」「終わり」という意味の単語ですが「in the end」として、「結末として」「最終的に」「結局」という意味で使うことができます。
いろいろな物事があって最終的にはこうなった、と物語の一番最後の部分を話すときに使うフレーズです。結論に至るまでに、長いプロセスや物事の変化、数々の議論を経ていることを感じさせる表現です。
(試合はとてもドラマチックでハラハラさせられるものだったけど、結局は、僕たちが勝ったんだ!)
(最終的に彼らは妥協した)
(最終的に、私たちは真夜中前になんとか帰宅できた)
やっと最後になって結局こうなるAt last
「last」には「最後」という意味がありますが、「at last」で「最後に」「最終的に」「ついに」「結局」として使うことができます。
(ついに、なくした財布を見付けたよ)
(今回の旅はスムーズじゃなかったが、結局は真夜中前になんとか帰宅できた)
(やっと、彼にお金を返してもらったよ)
「at last」は文頭や文尾以外に、副詞Finallyと同じように、文中に置くこともできます。
議論の最後にいいたい結局、In conclusion
「conclusion」は「結論」という意味の名詞です。「in conclusion」で、「結論として」という意味で使うことができ、スピーチや論文などの最終結論を述べるときによく使われます。
他の表現に比べると、とてもフォーマルに聞こえます。通常、文頭に置かれることが多いです。
(最終的に、このイベント実施にあたってサポートしてくれたみなさんに感謝の気持ちを述べたいと思います)
(結局のところ、私が言いたいのは…)
結局~に終わるEnd up+動詞ing
「結果として~になった」「結局~に終わった」と述べたいときに便利なのが、「end up+動詞ing」です。
(いろいろな議論が行われたが、結局オリンピックは延期することになった)
(最初は何をするかまよってたけど、結局はパブに行くことになったんだ)
(人々はちょっとした楽しみのためにギャンブルを始めるが、結局のところ、多くは大金を失う羽目になるものだ)
「end up」はその後に名詞句を伴って、「最終的には~(に至る)」と述べることもできます。
(ベトナムからカンボジアを抜けて、最終的にはバンコクへ至った)
手短に端折って言うと結局は、To cut a long story short
長い話なんだけど、枝葉を省いて結論だけ述べたいときに「けっきょく(結局)…」ということもありますね。
「to cut a long story short」は、「長い話を手短に話すと」「結局のところ」という意味で使うことができます。物語を端折って、手短に結論を述べたいときに使います。通常、文頭に置きます。
上に紹介した「after all」や「in the end」などのフレーズとも相性がいいです。
(手短にいうと、結局は真夜中前に帰宅することができたんだ)
(結局、最終的に彼らは妥協した)
文字通り、長い話の紆余曲折部分を省略して端的に結果を述べたいときに、便利な表現です。
英語のけっきょく(結局)を使いこなしてメリハリのある物語を!
「けっきょく(結局)」に相当する英語表現のうち、よく使われるものを紹介してみました。長い話の結論部分や重要な部分を述べるときに使うと、聞き手の関心をひきつけることになります。
そんなふうに、話のスパイス的に使えるのが「けっきょく」表現だと思います。
スピーチや物語を語るときなど、効果的に使うことで話にメリハリが出てくるでしょう。ぜひ、いろいろなフレーズに挑戦してみてくださいね。