「なんかヘンだよね」「妙なんだよ」「あいつは変わってる」などなど。英語で「ヘンだ!」「変わってる!」を表したいときには、どんな表現ができるでしょうか。
ヘンだ、妙だ、おかしいという場合、日本人ならまっさきに思いつくのは「Strange」かもしれません。でも、ヘンだを表す英語表現はもっとたくさんあるんです。
それぞれにニュアンスが違ったり、「ヘンな」程度に違いがあるので、まとめて復習しておきましょう。
最も一般的に使用されるStrage
「変な」を意味する英語はいくつかありますが、中でもよく使われるのがstrangeです。
strangeは学校でも習う単語で、英語ネイティブの日常会話でもよく使われます。いろいろな状況で使われますが、「よく知らない」「なじみが無い」のニュアンスです。
(彼は女性について変わった考えを持っている)
(今日会社に来る途中で、ヘンなことが起きたんだ。ボクの話、知りたい?)
(今まで行ったことのあるところで一番ヘンな国はどこ?)
(へんなんだ。僕の自転車が見つからない)
— It’s not strange at all. Your bike was stolen.
(ちっともへんじゃないわ。あなたの自転車盗まれただけよ)
「ヘンな」「変わってる」という意味だけでなく、「見知らぬ」という意味もあり「Stranger」とすると「ヘンな人」ではなく「知らない人/異邦人」という意味になります。
(その夜、一人の見知らぬ者が両親の家を訪れた)
Strageよりも「ヘンな」Weird
weirdはstrangeよりやや意味が強く「奇妙な」「(すごく)変な」です。かなり理解しがたい状況を言い表すのにも使えます。これも英語の日常会話では、strangeと同じくらいよく使われる言葉です。
(またヘンな夢を見た)
(変なんだ。ベラルーシから妹のはがきが届いたんだけど、彼女はいまエクアドルに留学中のはずなんだ)
(彼女の夫はちょっと変わってるんだけど、でも彼女自身はいい人だよ)
(長旅の後、自分の部屋の扉を開いたとき、妙な感じがしたんだ)
いつもと違う「ヘンさ」はUnusualで表す
unusual:
different from others of the same type in a way that is surprising, interesting, or attractive
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/unusual?q=Unusual
「usual」は「いつもの」「一般的な」という意味ですが、それに否定の接頭辞「un-」がついた「unusual」は「普段と違う」「いつもと違う」ヘンな状況を表現するときに使います。
(この時期に桜の花が咲くなんてヘンだな)
転じて、「一般的なものと変わっている」「他にあまりない/稀有な」という意味でも使われ、ポジティブなニュアンスで使われることも多いようです。
(彼女は日本人女性としてはちょっと変わった名前を持っている)
(彼はまれにみるゴールキーパーだ)
類似の単語にabnormal, irregularなどもありますね。
ちょっとおかしいタイプの「ヘンな」はFunny
おもわずふふっと笑ってしまうような、ちょっと可笑しいタイプの「ヘンさ」はfunnyを使って表すことができます。
She is a funny person.というと、「彼女はいつも他人を笑わせることを言っている」という意味にもとれますが、どちらかというと行動が変わっていて理解しづらいという意味に受け取られることが多いようです。
(アジアではヘンな英語をたくさん見かけるだろう)
(パソコンがへんな音を立て始めた。そろそろ買い替えを考えるべきかも)
(オフィスが忙しくなるといつもアレックスが姿をくらますのはおかしくないか?)
(洗濯機がへんになっちゃった!=ちゃんと機能しなくなった)
アンバランスな「ヘンさ」を意味するOdd
oddにも「ヘンな」「変わった」という意味がありますが、ややネイティブなニュアンスで用いられることもあるので注意が必要です。
ちなみに「odd number」は「奇数」を意味します(偶数は「even number」)。
バランスがとれていない、安定感のなさを意味することもあり、普通と比べてヘンな、予想外な、意外な状況を言い表すのに使います。
(君はそこにいたって言うけど、誰も君を見ていないというのは変だと思わないかい?)
(家の中でへんなにおいがする)
(僕がまだ彼女に会いたいと思っていると彼女が思っているのはヘンだ)
(そのスカートとジャケットを着た彼はちょっとヘンに見えた)
(30年後に再び中国を訪れることになるなんて、彼にとってはヘンな感覚に違いない)
尋常じゃない「ヘンさ」を表すBizarre
bizarreは「かなり変」「異様な」という意味です。strangeよりもはるかに度が超えた異常さを表すことが多いです。
もともとはイタリア語やフランス語などのラテン語系から英語に輸入された言葉だともいわれています(実際にフランス語ではbizarreが同じ意味で通じます)。
この単語そのものに少し異国情緒的な雰囲気があり、印象的な表現になるかもしれません。
(昨夜、奇妙なパーティに出席したんだ)
といわれると、「え、何々?」と興味津々に聞きたくなりますね。
(彼からの10日間も返答がないなんて奇妙だ。こんなことは今までなかった)
(奇妙なことに、へんぴなところに建つ我が家の窓のすぐ外、雪の上に大きな足跡があったんだ)
ときには少しユーモラスに「ヘンな」Eccentric
eccentric:
strange or unusual, sometimes in a humorous way
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/eccentric
eccentricはもともと「中心からずれている」という意味があり、「人間やその行動が、常軌を逸している」という意味で使われます。
必ずしも悪い意味ではなく、ポジティブなニュアンスで「常人ではない」というふうに使われることもあるようです。特に音楽家や美術家などを指して「独創的な」という意味でも使います。
(アインシュタインはエキセントリックな人だった)
(彼女がデザインする服って、みんなエキセントリックで魅力的なの)
(彼の奇天烈な行動はいつも周りを驚かす)
やんわりとネガティブな「ヘンさ」を表すPeculiar
peculiar:
unusual and strange, sometimes in an unpleasant way
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/peculiar
peculiarにも「ヘンな」「独特な」という意味がありますが、どちらかというとネガティブな意味でつかわれることが多いです。
(彼女は独特な考え方を持っている)
というと、単に「変わった考え方」というだけでなく、彼女に対してやんわりとした批判をしているように聞こえます。
(このドリンク、独特の味がするよね。正直、どうして君がそんなに好きなのか分からないな)
(彼女の彼氏には何かヘンなところがあると思う。上手く説明できないけど)
お化けが出てきそうな不気味な「ヘンさ」はSpooky
spooky:
strange and frightening
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/spooky
ヘンな、奇妙なを通り越して、キモチワルイといいたいとき、まるでお化けが出てきそうな「奇妙さ」はspookyという単語で表現できます。気味が悪い、不気味だという意味になります。
お化け屋敷やゴーストタウンを表現するときにぴったりの英単語です。
It was the most spooky flight I’ve ever had. Although the plane was full, nobody spoke at all. It was like a ghost flight.
(今まででもっとも不気味なフライトだったよ。飛行機は満席だったのに誰も会話していないんだ。まるでゴーストフライトだった)
これは、新型コロナウイルスが世界的に流行し始めたばかりのころ、ロンドンからパリ経由カナダ行きの飛行機に乗った夫が実際に言ったセリフです。
(ドアは奇妙な音を立てながら自動的に開いた)
spookyという単語は、日本語の「ヘンな」という意味からはちょっと遠いかな、とも思ったんですが、英英辞書にはStrangeの類義語として掲載されていたので、この記事に含めてみました。
スリリングなシーンやホラー的な話を語るときに使ってみると、効果抜群だと思います!