Would you like some coffee?(コーヒー飲む?)と聞かれて「うーん、あとで」と言いたいとき、なんという答えを返すでしょうか。
「後で=Later」と記憶している学習者は私だけではないと思います。でも、こういうケースでは「今すぐじゃなくて後でもらうよ」というニュアンスで「in a minute」という答えが返ってくることもあります。
「in a minute」は「すぐに」という意味として紹介されていますが、こういう場面では日本語の「あとで」に当てはまるんですね。ちょっとおもしろいと思ったので、「in a minute」の使い方、そして「Soon」や「Later」との微妙な違いについてまとめてみました。
「今すぐRight nowじゃなくて後で」意味で使われるIn a minute
「in a minute」は直訳すると「1分以内に」という意味になりますが、そこから転じて「すぐに」という意味で使われます。でも、場面によっては日本語としては「ちょっとあとで」と訳する方がしっくりくる場合があります。
Would you like some coffee?
(コーヒー飲む?)
と誰かに聞かれたとしますね。相手は単にあなたがコーヒーを飲みたいと思っているかどうか聞いているだけでなく、コーヒーを入れてあげようか?という意味で質問しています。
もし、コーヒーを飲みたいのであれば、
Yes, please. Thank you.
(ええ、お願いします。ありがとう)
と素直に返せばいいですね。でも、今は特別飲みたくない、あるいは忙しいから話しかけないでほしい、というようなシーンだった場合は、なんといって返せばいいでしょうか。
日本語だと「うん、ちょっとあとで」とかなんとか言って返すと思います。だから、英語でも
(後で、もらうよ。ありがとう)
というのはOKです。でも、実際のネイティブとの会話ではこんな答えも返ってくるかもしれません。
(ちょっと後でもらうよ。ありがとう)
この場合の「in a minute」は「すぐに」ではなくて、「(今すぐではなく)ちょっとあとで」というニュアンスで使われているのです。
「すぐに」という意味での「in a minute」の類義語として、「soon」という単語がありますね。むしろ「soon」の方が日本語の「すぐに」に対応して先に思い出す単語かもしれません。
しかし、このケースで「soon」を使ってしまうと、ややヘンな文になってしまいます。
これでも意味は通じますが少し違和感を感じる言い方なので、先の例文のように「in a minute」を使うほうが自然です。
どうして、ここでSoonを使うのがへんなのか、ちょっとくどくなりますが、説明しておくとこんな感じでしょうか。
In a minute、Soon、Laterの使い分け
In a minute、Soon、Laterは3つとも「今現在ではなく」少し時間が経った後を示しているという点では共通しています。ただし、Laterは他の2つに比べて、さらに遅い時間を示唆しています。
In a minute、Soonの2つについては「すぐに」という訳が当てはまるように、比較的「短い時間以内に」という意味になります。でも、状況によっては、「Soon」を使ってしまうとちょっと違和感を感じさせるシーンもあるのです。
別の例を挙げてみましょう。
あなたの同僚がプロジェクトについてミーティングをしたいと言ってきました。
Hey, I have something to discuss with you about our project. Do you have time?
(ねえ、ちょっとプロジェクトについて話し合いたいことがあるんだけど。時間ある?)
すぐに時間がとれるなら、In a minuteかSoonを使って以下のように答えられそうですよね。
△ Sure, I will see you in the meeting room soon. (?)
(いいよ、じゃあこのあとすぐにミーティングルームで)
二つの文はどちらも文法的に間違っていませんし、意味も理解できます。でも、どちらかというと上の文(In a minute)の方が自然に聞こえます。
逆に、Laterはこの文には合いません。
これは「Sure(いいよ)」と答えておいて「あとで」と続けるのが不自然だからです。相手は「時間ある?」と聞いていて、すぐにミーティングをしたがっているのに「Sure(いいよ)」といってから「あとでね」と返すのはちょっとヘンですよね。
Laterと返答したいという時点で、「時間ある?」には「No」という答えになるからです。
「Laterあとで」と言いたいときには、次のような答えならナチュラルです。
(いいよ。後でもいいかな?)
(OK、でも今は時間ないから明日でもいい?)
In a minute、Soon、LaterどれでもOKなケース
Laterと他の二つとの違いとして、かかる時間の差があります。例えば次のケース。
仕事帰りの同僚に、飲みに誘われたとします。
We are going to have a drink. Do you want to come with us?
(飲みに行くんだけど、いっしょに来る?)
まだ仕事が残っているあなたは、「すぐに追いつくよ」あるいは「あと少ししたら追いつくよ」という返答をします。
〇 Sure, I’ll catch up with you in a minute!
(もちろん!すぐに追いつくよ)
上記二つは時間の「すぐ」さ加減がほぼ等しく、まさにすぐ、出来るだけ早く「追っかけるよ」というニュアンスが感じられます。
一方、少し時間がかかりそうなときは、以下のように言うこともできます。
(もちろん!あとで追っかけるよ!)
先の二つの文に比べると、少し時間が遅くなることを示唆しています。でも、3つとも文法的に間違っていませんし、会話の返答としてもとても自然です。
「すぐに」だけじゃなく「ちょっとあとでね」のIn a minute
今回は、会話文の中でよく使われる「In a minute」について紹介しました。
「すぐに」と訳されることが多く、辞書でもそう説明されていますが、上のような状況ではむしろ「すぐに」「ちょっとあとで」という解釈の方がぴったりくるように思いますね。
「あとで」と返答したいときでも、実際には「Later」じゃなく「In a minute」と返す方が相手にとっては気持ちよく聞こえることもあります。英語ネイティブとの会話の中で、もっと「In a minute」を活用してみましょう!