「こする(擦る)」「なでる(撫でる)」と言いたいとき、英語ではどのように表現すればいいのでしょうか。
辞書などで調べると、rub、scrub、stroke、scratch、scrapeなどが出てきますが、なんとなく似ているようだったり、微妙な違いがあります。
「こする(擦る)」や「なでる(撫でる)」に相当する英単語の違いとニュアンス、使い方についてまとめてみました。
scrub は「ゴシゴシこする」
この中で、日本語でもなんとなく聞いたことがあるのが「scrub(スクラブ)」かもしれません。最近は、入浴品コーナーに行くと、バススクラブとか、ソルトスクラブというカテゴリーで商品が販売されています。
ここで話題にしている「scrub(スクラブ)」は動詞で、「ゴシゴシ擦る」「ゴシゴシ擦って洗う」という意味になります。
You have to scrub the stain off of your shirt.
(シャツのシミを落とすためには、ゴシゴシこすらなくちゃダメよ)
I scrubbed it, but I couldn’t remove the coffee stain.
(ゴシゴシ擦ったけど、コーヒーのシミは取れなかった)
rub は「こする」
スクラブのつづりの中に含まれている「rub」は、それだけでも動詞となって働き、「こする」「摩擦する」という意味になります。
scrubとは異なり、「ゴシゴシ」と力を入れて擦るというニュアンスはありません。
You rub the lamp to let the genie out.
(魔法のランプをこすって魔人を呼び出す)
rubは、化粧品や医薬品のクリームをお肌になじませるときにもつかいます。
You need to rub the cream into your skin.
(お肌をこすってクリームをなじませなくてはいけません)
stroke は「なでる」
大切な人やペットをやさしくなでるときに使うのが、strokeです。恋人をなでたりさすったりするときにもstrokeを使います。
She stroked her baby.
(彼女は赤ちゃんをなでた)
また、このstrokeは、上の二つの動詞と違って、主に一方向に向かってなでることを表現ししています。
ちなみに、漢字の画数を表すときにもこのstrokeを使います。
Traditional Chinese characters have more strokes than Simplified ones.
(中国語の繁体文字は簡体字よりも画数が多い)
力の入れ具合によって使い分ける3つの動詞
rub, scrub, strokeを比較してみました。
まとめると、加える力が強い→弱いと順に、scrub>rub>strokeとなるようです。また、rubとscrubは双方向、strokeは一方向という違いもあります。
たとえ対象者が同じ恋人でも、背中をこすって洗ってあげるならscrub、クリームを塗ってあげるならrub、やさしく愛撫するならstrokeしてあげてください。