英文を書いていて理由を述べるときに便利なのが「because」です。
でも、便利だからといって多用していると、文章が「because」ばかりになっていて、「ちょっと単調だな」と感じてしまうことがあります。
「because」の代わりに使える接続詞が「as」と「since」です。しかし、これら2つと「because」とでは、少し使い方に違いがあります。
実際、私も英文を書いていて夫に添削してもらうと、「because」と「as」あるいは「since」を修正されることがあります。
自分のための確認もかねて、理由を表す「as」と「since」、および「because」の違いについてまとめておきます。
「because」と「as」「since」の違い
「because」、「as」「since」は、どれも理由を述べる際の接続詞として用いることができます。
ただし、「as」と「since」は、比較的同じような使い方ができますが、「because」とは大きく異なる点があります。それは、
- as および since:既知の情報が理由となる場合に用いる
- because:新しい情報を理由として述べる場合に用いる
という違いです。
「because」を使った例文
「because」の使い方は、あまり問題ないのではないでしょうか。「because」の後に理由をおいて、因果関係を説明することができます。
I don’t want to go out now because it’s snowing heavily.
(今は大雪が降っているから外に出たくない)
She quit her job because she didn’t like her bosses.
(彼女は上司が嫌で仕事を辞めた)
また、Whyから始まる疑問文に単独で理由を述べることができるのは、「because」だけです。
Why are you going to change your job?
(どうして仕事を辞めるの?)
(○)Because I want to challenge myself in a new environment.
(×)As / Since I want to challenge myself in a new environment.
(新しい環境で試してみたいからです)
「as」「since」は既知の情報を理由とする
先ほどもいいましたが、「as」「since」はすでにお互いが知っている情報を理由として述べるときに使います。
話し手も聞き手も「大雪が降っている」という事実を知っている場合、このようにいうことができます。
I don’t want to go out now as it’s snowing heavily.
次の文においては、「彼女が上司を嫌っていた」事実をすでにお互いが知っていることが前提で「since」を使うことができます。
She quit her job since she didn’t like her bosses.
これらの理由が情報として前もって知らされていない場合、いきなり「as」や「since」を使ってしまうと、聞き手は「?」となってしまうでしょう。「as」も「since」も「理由」以外に意味を持つ単語ですので、「理由を表す接続詞」として使っているということに、気付きにくくなるためです。
「because」と「as」「since」を文章の中で比較してみる
では、少し長文の英文に挑戦してみましょう。
She chose the job because she loved fashion and thought it would allow her to demonstrate her abilities. However, when she joined the company, she found the work boring. In particular, she found it difficult to develop a good relationship with her boss and even found it painful to go to work.
She started to think about changing jobs. When she started looking for a job, she received many offers, so it was not difficult to make up her mind.
She is happily working now in a new company. She had quit her job as she didn’t like her boss, but it was good for her to challenge herself in a new environment.
冒頭の文にさっそく「because」が出てきます。
ここでは、「彼女」が仕事を選んだ理由が書かれていますが、読み手にとっては初めて知る情報ですので、「because」を使っています。ここで「as」や「since」を使ってしまうと、読者を混乱させてしまうため、ここでは「because」を使うのが正しいです。
ところが最後の文には、理由を述べるために「because」ではなく「as」が使われています。これは、「as」以下の理由が、読者にとって既知の事実であるためです。理由を表す「as」は「since」に置き換えることも可能です。
この「as」は「because」に置き換えても間違いではありません。しかし、文章の中の近い部分で「because」が2回出てくることになるため、「as」もしくは「since」を用いる方が洗練された印象を与えます。
日本語訳は以下になります。
彼女はファッションが好きで自分の力を発揮できる仕事だと思ったのでその仕事を選びました。しかし、入社してみると、仕事は退屈なものでした。特に、上司との関係がうまくいかず、会社に行くのが苦痛にすら感じるようになりました。
彼女は転職を考え始めるようになりました。転職活動を始めると、たくさんのオファーがあり、決断に迷うことはありませんでした。
今、彼女は新しい会社で幸せに働いています。上司が嫌だからという理由で仕事を辞めたわけですが、彼女にとって新しい環境でチャレンジするのはよいことでもあったのです。
「because」「as」「since」の使い分けで文章力アップ!
口語においては、「because」を多用することがあっても、それほど気になりません。しかし、ライティングにおいては、同じ単語を使いすぎると単調に見えてしまいます。
そんなときに「as」や「since」を使うことができるなら、置き換えてみましょう。ただし、同じ文に、「理由」とは別の意味で「as」や「since」が使われている場合は、これまた読者の混乱を招いてしまいます。
そういう意味でも、「as」か「since」という選択肢があるのは便利ですよね。
ちょっとしたことですが、単語の選び方でスマートな文章を作ることができます。なんだか「because」ばかり使っちゃってるな、と思ったときは、「as」や「since」のことを思い出してみてくださいね。