「英語日常会話で仮定法過去完了を使いこなそう!」というシリーズでお届けしています。今回は「Must have done/Must’ve done」の話。これまで紹介してきた助動詞+have doneに比較しても、圧倒的に単体で(主節のみで)使われることが多いのが、この「Must have done/Must’ve done」です。
英文法の本などでは仮定法過去完了として使われる助動詞の一つとして紹介されている場合もありますが、むしろ単体で使われる方が自然なのが「Must have done/Must’ve done」でもあります。
今回は、「Must have done/Must’ve done」の使い方について紹介します。
Must have done/Must’ve doneが聞き取りにくい理由
英語の文法書の中には、「must have done」を仮定法過去完了の主節の一つとして紹介しているものもあります。しかし、この「must have done」はそれだけで使われることのほうがむしろ自然だと思います。それだけに、使いやすいフレーズでもあり、突然会話に登場したときに戸惑うこともありますね。
これを使いこなせるようになるためには、自分で積極的に「must have done/may have done」を使ってみることです。「must have done」はmustとhaveがくっついて「must’ve」と短縮されることもすくなくありません。「t」と「’ve」という二つの子音が重なるので、ちょっと聞き取りにくいですが、そのあとに動詞の過去分詞が来るのでこれがヒントになるでしょう。
この「助動詞+have」の部分は、文章の中ではそれほど重要な要素ではありません。だから余計にサラッと発音されるのですが、自分が口に出していうときもそれほど構えることなく発音すればすむわけです。重要なのはむしろその後に続く動詞過去分詞の方ですので、それに向かって一気に発音するようにしてみてください。
過去の事実を推論、推理するMust have done
「must」は助動詞として働き、「~しなくてはいけない」などといった必要性や義務を表現します。そのほかに「推論」「推理」を表し「~にちがいない」という意味でも使うことができます。
推測、推論に使える英語表現はいろいろあります。以前紹介したmaybeやperhapsはよく使われる副詞ですね。

それら推測や推論を表す表現の中でも、かなりの確信をもって「~にちがいない」と推理するのが「must」です。推理の根拠や理由を伴って使われることも多いです。
(窓のそばに大きな足跡がある。泥棒はそこから侵入したに違いない)
(シミを見て!誰か、カーペットにワインをこぼしたに違いない!)
(浸水があったに違いない。道路が部分的に流されている)
(この時間帯に渋滞なんてめずらしい。きっと事故があったんだよ)
(彼は両替した直後に金を盗まれた。きっとずっと後をつけられていたに違いない)
過去の気持ちや反応を推測するMust have done (been)
口語でよく使われる言い方ですが、だれかの気持ちや反応などを推測して「~にちがいない」という文脈でもよく使われます。現在形で使う場合は「must be」の形で使うことが多いですが、過去の気持ちや反応について述べる場合は、be動詞の過去分詞「been」を使います。
- It must be difficult for her.
(彼女はつらいに違いない) - It must have been difficult for her at that time.
(そのとき、彼女はつらかったに違いない)
(先週金曜日のパーティに行ったの?きっと楽しかったでしょうね!)
(お母さんに花を送ったなんて素敵なことをしたのね。彼女きっと贈り物に喜んだことでしょう)
Must have done/Must’ve doneの使い方まとめ
今回は「Must have done/Must’ve done」の使い方について紹介しました。
仮定法過去完了というよりも、「Must have done/Must’ve done」はそれ単体で使い、過去の事実に対する推理や推論を述べます。
これが自由自在に使えるようになれば、過去の話をするときの表現がぐっと広がるはずです。ぜひ、積極的に使ってみてください。


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