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アメリカ英語とイギリス英語の違い‐oftenの「t」が消えてなくなる日

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私が中学校で英語を学んだ時、英語のoftenは「オフン」と発音し「t」は発音してはいけませんと教えられました。しかし、その後イギリスに行ってみると、イギリス人は「オフトゥン」と発音しているではありませんか!

「え、なんで?」と思って、イギリス人に尋ねると、「なんで発音しないの? そこに『t』があるんだから、発音するにきまってるでしょ」

それが、私が遭遇した最も劇的なアメリカ英語とイギリス英語の違いだったかもしれません。

今回の記事は、アメリカ英語とイギリス英語の違いについてです。

 

イギリス英語からのれん分けしたアメリカ英語

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そもそも英語はイギリス人の言語です。それが15世紀末から始まったアメリカ大陸の植民地化に伴い、アメリカに英語が伝えられ公用語として定着しました。

英語に限らず、言葉は時代とともに変化します。イギリスで話される英語とアメリカで話される英語は、それぞれに少しずつ変化し今の状態に至っています。この過程で、イギリス英語とアメリカ英語の違いが生まれました。

もちろん、同じイギリスで話される英語でも地方によって差があります。ただ、イギリス英語とアメリカ英語の違いは比較的大きいため、グローバルイングリッシュとしても区別されることがあります。

まあ、厳密に言うと、世界で話される英語はアメリカ英語とイギリス英語だけではありません。オーストラリア英語やニュージーランド英語、香港英語というように、その土地や国によって、若干の差があります。

しかし、今回はとりあえず、アメリカ英語とイギリス英語の話に集中したいと思います。

 

アメリカ英語の方が原始的英語に近いというのは本当?

言語の変化や地域による違いを考えるとき、その言語発祥地で話される言語とその言語が伝えられた地で話される言語は、よく比較されます。そして、言語が伝えられた地の言葉は、伝えられた時代の言葉を温存している傾向にあるという考え方があります。

英語のケースでいうと、英語の発祥地はイギリスですが、それが伝えられたアメリカでは伝承当時の英語が温存されているために、昔の英語が今も話されている、という考え方です。

これは、一理ありますが、必ずしも100%そうとは言えません。言語の変化はそれほどシンプルではありません。アメリカ英語はアメリカ英語なりに変化を続けてきたので、現在アメリカで話されている英語が、昔イギリス人が話していた英語だとは言い切れません。

これは、フランス語に関しても同じことが言えます。

カナダ、ケベック州にフランス語がもたらされたのは、フランスが入植した1600年代です。ですので、ケベック州で話されるフランス語は、かつてフランス人が話していたフランス語に近いという人もいます。

確かにボキャブラリーなどを比べると、その説は正しいと言える点もありますが、実際には英語の影響を受けたりしていますので、当時のフランス語とはかけ離れた表現もあります。

 

アメリカ英語とイギリス英語の違い

少し話がそれました。英語の話に戻します。

アメリカ英語とイギリス英語の違いとして、綴り、発音、ボキャブラリー(語彙)、文法という観点から検証してみたいと思います。

綴り

アメリカ英語とイギリス英語の違いとして、まず綴りが挙げられます。両者でスペルが微妙に異なる単語がいくつかあります。たとえば、center(米)とcentre(英)、realize(米)とrealise(英)、color(米)とcolour(英)などがあります。

どちらが間違っているということはありませんので、どちらを書いても通じます。このような単語はそれほど多くありませんし、上記に挙げた3種類のパターンにあてはまるものが多いので、比較的覚えやすいです。

他によく使う単語としては、theater/theatre、meter/metre、organize/organise、analyze/analyse、favorite/favouriteなどがあります。

最近はパソコンやスマホで英文を書く人が多いと思いますが、基本の言語設定にアメリカ英語とイギリス英語で設定できますので、スペルチェックは設定した方で行われるようになっていると思います。

また、「どちらを書いても間違いではない」と言いましたが、同じ1記事(文章)の中では、どちらかに統一する方がスマートでしょう。

 

発音

冒頭に挙げたoftenの例も、発音の違いですよね。

アメリカ英語とイギリス英語では、発音も大きく異なります。英語学習初級者にとって聞き分けるのはなかなか難しいものですが、中にはoftenのようにはっきりと違うものもあります。分かりやすい例では、トマトtomatoをイギリスでは「トマト」と発音しますが、アメリカでは「トメイト」と発音します。

全体的には、アメリカ英語の方が母音の発音がオープンなように感じます(同じ「a」の発音でもアメリカ人の方が口やのどを大きく開放して発音するイメージ)。例を挙げると、walkはイギリス人の発音では「ウォーク」と聞こえますが、アメリカ人のそれは「ウワーク」に近い、という具合です。

一方、子音に関しては、イギリス人の方が子音をしっかり発音する人が多いです。例えば、BBCなどを聞くとアメリカ系のニュースよりも、息がこすれる音、舌が歯や口腔内にぶつかる音といった「摩擦音」が目立って聞こえます。

アメリカ英語は単語と単語をつなげて発音することが多いです。これは、イギリス人にとっては少しルーズに聞こえるようで、gonna=going to、wanna=want toなどと言った表現を嫌がるイギリス人もいるようです。

他にも、not at allをアメリカ人は「ノッタットール」のように一つの塊として発音する人が多いですが、イギリス英語では子音もきちんと発音する方が好まれます。

 

ボキャブラリー(語彙)

アメリカ英語とイギリス英語で、好まれて使う単語の違いがあります。これは、知らないと英語が通じにくい原因の一つにもなりますので、ざっと覚えておく方がよいでしょう。

有名なのは、gas(米)とpetro(英)=「ガソリン」、metro(米)とtube(英)=「地下鉄」、elevator(米)とlift(英)=「エレベーター」などでしょうか。

日本人がとまどうのは「take out(お持ち帰り)」かもしれませんね。これは日本語でも「テイクアウト」とカタカナで言ったりしますが、イギリス英語では「take away(テイクアウェイ)」といいます。イギリスで「テイクアウト」というと、変な顔をされることもありますので。

また、日本語でいうサッカー(ボールを足で蹴ってネットに入れるスポーツ)のことは、イギリス英語では「football(フットボール)」といいます。アメリカで「フットボール」は一般的に「アメリカンフットボール」のことを指しますので、「soccer(サッカー)」という方が誤解が少ないでしょう。

後で述べますが、イギリスはかつて植民地展開した国が多いので、それらの国では今でもイギリス英語がベースになっていることが多いです。私が香港(旧イギリス植民地)に行ったときには、ショッピングモールでエレベーターに乗りたいときに「elevator」という表記がなく(イギリス英語なのでlift)、戸惑ったことを覚えています。

ただし、tube(=地下鉄)に関してはイギリス国内だけのようで、香港でもカナダでも、地下鉄はメトロmetroというのが一般的です。

 

動詞の使い分け

haveやget、takeは、アメリカ英語・イギリス英語のどちらでもよく使われる動詞ですが、使い方の好みに若干の差があります。イギリス英語では、haveが好まれて使われることが多いです。

たとえば、アメリカ英語では、「take a shower、take a seat、take a nap(昼寝をする)、take a walk(散歩をする)」というとき、イギリス英語では「have a shower、have a seat、have a nap、go for a walk」と表現することが多いです。

また、アメリカのカフェやレストランで飲み物を注文するときには

Can I get a coffee, please?

と言っているのをよく耳にしますが、イギリス人にしてみれば、それはコーヒーを注文しているのではなく「自分で(ズカズカと)店のキッチンに入って勝手にコーヒーを入れてもいい?」と言っているように聞こえるそうです(笑)。

イギリスでは

Can I have a coffee, please?

という方が一般的のようですね。

 

Have と Have got

Haveは「持つ」という意味の動詞で頻繁に登場します。しかし、アメリカ英語で単純にhaveを使うシーンで、イギリス英語ではhave gotを使うことが多いです。これは、英語学習者にとってはとても理解しにくい点ですが、イギリス英語の習慣というしかありません。

つまり、アメリカ英語では「Do you have a pen?」と尋ねるところ、イギリス英語では「Have you got a pen?」と言われることが多いです。

同様に「I have a house.」「I have a brother.」というところを「I have got a house.」「I have got a brother.」という方が一般的みたいです。

ただし、「I have got a house.」というと、「家を手に入れたばかり」というニュアンスにも聞こえます。単純に「家を持っている」という意味なのか「家を手に入れたばかりだ」という意味なのかは、文脈で判断することになります。

 

現在完了形と過去形

全体的に、アメリカ英語はシンプル化の方向へ向かっているように感じます。文法に関してもそうで、アメリカ英語では単純な過去形が好まれるのに対して、イギリス英語では、過去形と現在完了形をきちんと使い分けるという違いもあります。

これは、イギリス人が自国の言語に対して、できるだけ正しい文法で話そうとしている現れのようにも感じますね。

 

世界で話されている英語

イギリス英語もアメリカ英語も、時代の流れに伴って少しずつ独自に変化してきました。どちらかというと、アメリカ英語は簡素化(シンプル化)しているような気がします。

そのため、学習者にとってはアメリカ英語の方が比較的学びやすいと感じるかもしれません。まして、日本の学校で学ぶ英語はアメリカ英語がベースになっていますので、わたしたちにとってはそちらの方がなじみやすいと感じて当然でしょう。

アメリカ英語をイギリス英語の違いについて述べてきましたが、世界で話されている英語を考えてみましょう。

アメリカ・イギリス以外の国で、どちらの英語が使われているかという点につかつての植民地を考えると分かりやすいです。イギリス植民地だった国や地域では、イギリス英語がベースになっており、綴りはイギリス英語に基づいていることも多いです。しかし、話し言葉としての英語は、アメリカ文化の普及によって、アメリカ英語に近づきつつある傾向があります。

オーストラリアやカナダも旧イギリス植民地ですので、イギリス英語がベースとなっているはずですが、完全にイギリス英語というわけではありません。オーストラリア人の英語には独特のアクセントがあることはよく知られていますよね。

また、インドはかつてイギリス植民地ですが、旅行していると今ではイギリス人ですら使わなくなったイギリス英語のボキャブラリ―を使う人もいるといいます。

 

言葉の変化はだれにも止められない

どんな言語においても、コトバ、とりわけ話し言葉は誰かの手によってコントロールできるものではありません。文字に関しては、中国の簡体字導入や日本の漢字学校教育のように、いくらか調整することも可能です。しかし、大衆が話したり使ったりするコトバは、政府や言語学者がどんなにがんばっても変化を止めることは難しいものです。

日本語を例に挙げると、かつて文法学者が眉をひそめていた「ら抜き言葉」ですが、今では立派に市民権を得て外国人向け日本語教育のテキストでも紹介されています。どんな言葉を話し、どのように運用するかは、その国や地域の人達が決定することです。

言語はアイデンティティとも深くかかわってきます。この記事では、アメリカ英語とイギリス英語との違いについて書いてきましたが、どちらがより優れているということはありません。

また、世界に存在するのはアメリカ英語とイギリス英語だけではありません。ニュージーランド英語やインド英語、南アフリカ英語、マレーシア英語、ジャパニーズイングリッシュ…。英語を学べば学ぶほど、これらの違いも楽しめるようになってくるはずです。

 

発音に引きずられるスペル

アメリカ英語とイギリス英語の違いの一つとして、綴り(スペル)の違いについて述べました。

PCや携帯電話が普及して以来、多くの人がテキストメッセージやメールを通して意思疎通することが増えましたよね。英語でショートメッセージやチャットの文章をタイプするときに、頻繁に行われているのが「綴りの簡略化」です。

たとえば、youを「u」一文字で置き換えたりするのは、よく見かけることも多いでしょう。これは、「u」と「you」の発音が同じだから、1文字ですむ「u」に置き換えた方が速くタイプできるというのがその理由です。

しかし、発音に基づいたスペリングの省略が、実際のライティングに影響を与え始めていると指摘する専門家も少なくありませんいます。

実際、特に若者を中心とした英語ネイティブの中に、you areの省略形「you’re」とyouの所有格「your」を混同する人が増えてきたと言います。

oftenの「t」は、今のところイギリス人が頑張って発音してくれていますが、もしかしたら将来、イギリス英語もアメリカナイズされてoftenの「t」を発音しなくなるかもしれません。そうなると、辞書のoftenから「t」が消えてなくなる日が来るかもしれませんね(いやいや、こないと思うけど、笑)、という話でした!

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