「Soon」というと「すぐに」という日本語訳を思い浮かべる人は少なくないでしょう。
でも私には、実際のネイティブの会話では日本語の「すぐに」というほども緊急度が高くないように思えるのです。
今回は、「Soon」という言葉にフォーカスして掘り下げてみたいと思います!
Soon は「すぐ」なのか?
何か用事があって出かけなくてはいけない日、夫がそそくさと出かける用意をしていたので、
「Do you want to leave soon?(私たちすぐに出かける?)」
と聞くと、
「Yeah, but don’t worry. We still have time.(まあね。でも慌てなくていいよ、まだ時間あるから)」
といわれたりすることがあります。
私はわりと「Soon」=「すぐに」と覚えてしまっていたので、「Yeah」といわれた時点で「今すぐ出発しなくちゃ」と思ってしまいます。でも、そのあとで「まだ時間あるから」といわれると「?」となってしまうんですよね。
「あとで」という意味での「In a minute.」
その他にも、二人とも自宅で仕事をしているとき、お気に入りのルイボスティーを入れるついでだからと思って、彼に「何か飲む?」と聞くことがあります(聞かないと、ちょっと不機嫌になることもあるので)。
「Would you like something to drink?(何か飲み物いる?)」
というと、
「Ah, thanks. In a minute. (ああ、ありがとう。一分後に)」
直訳すると上のような意味になりますが、通常、「In a minute.」は必ずしも「一分後」ではなくて「すぐに」という解釈をします。
じゃあ、自分で何か淹れるのね、と思いながら自分の分だけの飲み物を作るのですが…。
一分たっても五分経っても…1時間くらいたっても、彼が立って飲み物を作りに行く気配はありません。
要するに「すぐに」とか「まもなく」という意味ではなく「今は要らない」といっていたんだな、と理解するのに、少し時間がかかりました。
「in a second」=「すぐに」
もちろん、言葉の使い方はネイティブにとって個人差がありますし、状況次第でも変化します。本当に「すぐに」という意味で「In a minute.」いうこともしょっちゅうあって、例えば
I will call you back in a minute.
(すぐ折り返し電話します)
という場合は、本当に「まもなく電話する」つもりで言っているはずです。
よく似た表現に「in a second」といういい方もあって、こちらは直訳すると「一秒後に」という意味になりますね。
「in a minute.」と「in a second」なら、「in a second」の方が緊迫感があるように思えます。それで、実際、そんなふうに使い分けているのかというと、これも状況と個人差によるみたいです。
ネイティブによっては、「in a minute.」も「in a second」も変わらないという人もいるようですが、夫の言動を観察していると、「本当に今すぐかけ直すから!」とかなり焦っている場合は、「in a second」あるいはその短縮形の「in a sec」を使っていることが多いです。
I will call you back in a sec!
(一秒で折り返します!)
先ほどの「何か飲み物いる?」という状況でも、最終的に「今は要らない」「あとで」を表している「Thanks, I will make it in a minute.」が、「Thanks, I will make it in a second.」に置き換わることはありません。少なくとも夫の場合は、ちゃんと使い分けていることになります。
ビデオ通話を使ったミーティング中、トイレに行きたくなったときは(相手側に「トイレに行きたい」とは伝えないものの)、
I will call you back in two minutes.
(二分後にかけなおします)
とちゃんと「二分後に」と意識して言っています(トイレに行くのに二分で足りるのかは別問題)。
「今すぐ!」を表す英語表現
一分後とか二分後とかではなく、本当に今まさにこの瞬間、すぐに電話をかけてきてほしいというくらいの緊急時の場合、
Can you call me as soon as possible?
(できるだけ早く電話してください)
あるいは、もう少し「今すぐ!」感を出したいなら、
Please call me immediately!
(今すぐ電話してください)
あるいは、
Call me right now!
(今すぐ電話して!)
の順に、緊迫感が高まってくると思われます。
これらに対して「soon」という単語は、「すぐに」というよりも「まもなく」という方が近く、「今ではない、近い将来」みたいなぼんやりした未来を示していることの方が多いのではないでしょうか。
よく使うフレーズに、
- See you soon!
- Coming soon!
などがありますが、いずれも「すぐ」、あるいは具体的にいつということではなく、ぼやっと「近い将来」「そのうちに」くらいのニュアンスでしかないのだと思います。
ですので、上司や家族からやるべき仕事や作業を指摘されたときの返答として「すぐにやります!」という場合は、「soon」ではなく、「I will do it immediately!」あるいは「I will do it right now!」という方がよいでしょう。
そして、そう言い切った限りは、きちんと実行するようにしたいものです。