文章を書いたり、スピーチをするとき、同じフレーズや表現の「型」を繰り返す「リピーティング」は、言いたい事を強調して印象付けるのに役立つ手法です。
昨日ラジオで耳にしたのが「I can’t stand」で始まるセンテンスを繰り返し、言いたい事を鮮明にするトークでした。それで、今回のエピソードでは「I can’t stand」という表現にスポットを当ててみたいと思います。
「stand」の意味を復習
「stand」は、ご存知のとおり「立つ」という意味の動詞です。「Stand up, please.」といえば「ご起立ください」という意味になりますね。
物理的に「立つ」という意味だけでなく、「特定の場所にいる」という意味を持つこともあります。映画のタイトルにもなった「Stand by me」は「そばにいて」と訳されます。
辞書を引いてみると「stand」の意味はたくさんあるのですが、今回ここで話題にしようとしている「stand」は、次のように定義されます。
to successfully accept or bear something that is unpleasant or difficult
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/stand
(不快なことや困難なことをうまく受け入れたり、耐えたりすること)
「stand」を使って「我慢できない」を表現
「can’t stand」という形で、「~に我慢できない」「~が嫌いだ」「~は受け入れられない」という意味で使います。「accept」と同じような意味ですが「I can’t accept」よりも「I can’t stand」の方が口語的で語気が強くなるように感じられます。
I can’t stand her voice.
(彼女の声には我慢できない)
I can’t stand her way of speaking either.
(彼女の話し方にも耐えられない)
やや強めの表現になります。口調にもよりますが、「大嫌い」「うんざりだ」というニュアンスにもなりますので、よほど「受け入れがたい」モノやことに対して使ってみてください。
anymore といっしょに使われることも多い
I can’t stand her attitude anymore.
(彼女の態度にはもう耐えきれない)
I can’t stand your lies anymore!
(あんたの嘘にはもううんざりよ)
のように「anymore」とも相性がいいです。
「~することに我慢できない」を英語でいうと?
「~することに我慢できない」といいたいときは、動詞を「ing」形にします。
I can’t stand queuing up so long.
(長時間並んで待つなんて耐えられない)
I can’t stand hearing my neighbours arguing.
(隣人の言い争いを聞くのは耐えられない)
I can’t stand him keeping farting.
(彼がおならばかりし続けるのには我慢がならない)
人ではなくモノを主語として、「~に耐えられない」を表現することもあります。
Look at the cracks in the wall. I don’t think our house can stand the next earthquake.
(壁のひび割れを見て。私たちの家が次の地震に耐えられるとは思えない)
肯定文で使うと?
ここまで「can’t stand」について説明してきましたが、否定形ではなく肯定文で使うことはできないのかな、という疑問がわいてきます。
This dress can stand washing in a washing machine.
(このドレスは、洗濯機での洗濯にも耐えられる)
このように「~に耐えられる」「耐性がある」という意味においては、肯定文で使うこともよくあるみたいです。覚えておきたいですね。