「この仕事は私の天職です」などということがありますね。この場合の「天職」を英語でいうなら、どんな表現ができるでしょうか。
そもそも日本語の「天職」とは、「その人の生まれつきの天性や性質にもっとも合った職業」を指します。
ここを踏まえて、英語での「天職」に相当するフレーズを探してみました。
vocation=天職
英語で「天職」に相当する単語に「vocation」があります。
a type of work that you feel you are suited to doing and to which you should give all your time and energy, or the feeling that a type of work suits you in this way
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/vocation
(自分に向いている、時間や労力を割くべきだと思う仕事のこと、あるいは、こういう仕事が自分に合っていると思うこと)
辞書にはこのように定義されていました。
例文で確認しておきましょう。
She feels that working as a nurse is her vocation.
(彼女は看護師の仕事が自分の天職だと感じている)
I found my vocation as an actor.
(俳優という天職を見つけた)
He thought he had missed an opportunity for his vocation.
(彼は天職の機会を逸してしまったと思った)
He has changed jobs several times, but seems to have finally found his vocation.
(彼は数回の転職を繰り返してきたが、ついに彼の天職を見つけたようだ)
「自分にふさわしい仕事」「最適な仕事」という意味で用いる場合、「one’s true vocation」という言い方をすることがあります。
I believe that this job is my true vocation.
(私はこの仕事が天職だと思っています)
She started the job by chance, but as time passed she began to feel that it was her true vocation.
(ひょんなことで始めた仕事だったが、時間が経つうちに、彼女はそれが彼女の天職だと感じ始めた)
「vocation」の類義語として「calling」もあるが…
「vocation」の類義語として「calling」という単語も上がっていたんですが、意味を確認すると、やや日本人がよくいう「天職」とは合致しにくいかなと思いました。
「calling」の定義は以下の通り。
a strong wish to do a job, usually one that is socially valuable
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/calling
(社会的に価値のある仕事をしたいと強く願うこと)
もともと、日本語の「天職」には「神聖な職務」という意味もあるので、「calling」はどちらかというと、そちらの意味に近いのかもしれません。
「この仕事は私の天職です」という場合の「天職」には、なんとなくそぐわないように感じるのですが、みなさんはいかがでしょうか。
ちなみに、この「天職?」という意味で使われる「calling」という単語、私はネイティブとの会話の中で聞いたことがありません。だから余計に意味がつかみにくいのだと思います。
ideal work / perfect job
「天職」とは「自分にふさわしい職業」という意味ですが、「理想の仕事」といいかえてもよいでしょう。
その意味では「ideal work」や「perfect job」という表現もできると思います。文字通り「理想の仕事」「完璧な仕事」ということになります。
I finally found my ideal job.
(やっと理想の仕事を見つけた)
I don’t mind changing jobs again and again until I find the ideal job.
(理想の仕事に出会うまでは、なんど転職したってかまわないと思っている)
How can I find the perfect job?
(完璧な仕事を見つけるためにはどうすればいいだろうか)
It is the perfect job for me, where I can practise what I am good at.
(自分の得意を活かすことができる、私にとって完璧な仕事です)
私の感覚的には、先に紹介した「vocation」や「calling」よりも、「ideal work」や「perfect job」の方がむしろ日常会話ではよく使われるように思います。
「vocation」や「calling」には、若干宗教的な意味が示唆されるため(由来という点で)、これらの表現の方が好まれるのかもしれませんね。
life’s work(英) / lifework(米)
「life’s work」や「lifework」という言い方は日常会話でもよく耳にします。「life’s work」は主にイギリス英語で、「lifework」はアメリカ英語でよく使われるようです。
Your life’s work is the work that is most important to you and to which you give a lot of time and effort
https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/lifework
ライフワークとは、自分にとって最も重要で、多くの時間と労力を費やす仕事のことである)
This is my life’s work.
(これは私のライフワークなんです)
このような表現は日常的によく耳にします。ぜひ、覚えておきたいフレーズです。
「自分に最適な仕事」という意味での「天職」
「これは私の天職です」という場合の「天職」に相当する英語表現を紹介してきました。
みなさんは、すでに天職を見つけられているでしょうか。
「ライフワーク」は日本語でそのままカタカナ語として使われ始めているようにも思います。
その人の考え方によって、「ライフワーク」に求めるものも変わってきそうですが。
ともかく、「天職」「理想の仕事」「夢の仕事」など、そのときのニュアンスによって、英語フレーズを使い分けてみましょう~。