英語は難しい、なかなか思うように英語が話せないと、つい愚痴をこぼしてしまいたくなりますよね。学校でちゃんと英語の授業を受けていたにも関わらず、まともに英語を話せないのは、英語そのものがそんなに難しいものだからなのでしょうか?
今までさまざまな外国語を勉強してきた私ですが、英語は外国語の中で特別難しい言語なのか、改めて考えてみました。そして、英語をモノにするために、英語学習初心者が心得ておくとよいことについても、合わせて紹介します。
英語が難しいと感じる理由
英語学習者が英語を難しく感じる理由には、主に次のようなポイントがあると思います。
- 発音が難しい
- 文法が難しい
- ボキャブラリーが覚えられない
- 練習の機会がない
英語の発音が難しい
まず、日本人の中には英語の発音が難しいと感じる人が多いです。これは、私も同感です。英語の発音には日本語にない音が多いので、当然といえば当然なのでしょう。
学校で教えられた英語でも、「r」と「l」の発音に苦労したのは私だけではないと思います。日本語では、これらの音を明確に区別しないため、英語で発音されても聴き取れなかったり、自分でうまく発音できなくなるのです。
その他にも英語には日本語にない発音が多く、発音体系もより複雑です。さらに、英語の単語のつながりによって、音が変化することも多いです。この音の連続にはいくらかの規則性がありますが、それを一つ一つ覚えるのには相当努力が必要かもしれません。
このようなことから、日本人にとっては英語の発音がまず大きな難関となるでしょう。
英語の文法が難しい
英語と日本語とは文法に大きな隔たりがあります。日本語では、述語が後ろに来るのに対して、英語では述語に当たる動詞が比較的早い段階で現れます。このように、日本語と英語では文を構成する方法がまったく異なるので、ここでも日本人英語学習者は苦労することになります。
ただし、この後でも述べますが、他の外国語と比較すると英語の文法はそれほど難しい部類には入りません。それでも、日本語との相違が大きいため、日本人の英語学習者にとっては、英語文王は難しいと感じてしまいますよね。
英語のボキャブラリーが難しい
英語を勉強していると類義語が多いと感じると思います。同じような意味でニュアンスの異なる語彙がたくさんあり、それらをうまく使いこなせないと、通じないこともあります。
英語のボキャブラリーが幅広いのは、世界の広い地域で多くの人々に話されているため、多言語の影響を受けていることが理由の一つでしょう。英語にはいろいろな言語から取り入れられた「外来語」があり、そのまま英語として流通するものが多くあります。そのため、英語のスペルと発音の規則も複雑になっています。
例えば、起業家を意味する「entrepreneur」はフランス語から輸入されたものですので、スペルと発音の規則もフランス語的になっています。このような多言語からの借用が頻繁に起こるのが英語の特徴でもあり、それらを学ばなくてはいけない私たちは苦労させられるわけですね。
英語練習の機会を得るのが難しい
英語を外国語として学ぶ人は世界中にたくさんいますが、その中でも日本人は英語の習得が苦手といわれます。例えば、中国人や韓国人が流ちょうに英語を話しているのを聞いて、劣等感を感じたことはないでしょうか。でも、日本の学校での英語教育が彼らのそれと比べて劣っているとは思えませんよね。
日本人が英語を苦手だと感じる理由の一つに、英語を練習する実践の場が少ないということがあると思います。
特に、日本国内で生活していると、自分からすすんで外国人と触れ合う機会を作らない限り、現実的に外国人に触れる機会は得にくいという人が多いのではないでしょうか。英語は実践練習を積んで初めて上達するものです。学校での英語教育の範囲では、英語を練習する機会も著しく限られてしまいます。
他の言語と比較した英語難易度は?
英語が難しいと感じる理由について、考えをまとめてみました。しかしながら、私は英語が特別難しい言語だとは思いません。英語が難しい、学習が続かないと悩んでいる人のために、英語の学習しやすさについても書いてみることにします。
英語の文法は比較的シンプル
先ほどは英語の文法が難しいと書きましたので、それに矛盾すると思われたかもしれません。しかし、他の言語と比べると、実は英語の文法はシンプルな方なんです。
例えば、フランス語やスペイン語となると、動詞の活用が半端なく煩雑になります。英語の場合、動詞の変化は三人称単数現在の「s」と過去形、過去完了形くらいですよね。その点、その他の言語では、人称代名詞と時勢によって激しく変化する言語も多いんです。
日本人が苦手な英語の文法に、複数形の変化もありますよね。単純にsを付けるだけならいいのですが、中には不規則変化をする名詞も少なくありません。これらは一つずつ覚える必要があるので、「英語って難しい…」となるわけです。
ところが、ラテン系の言語となると、女性名詞、男性名詞、中性名詞の区別があるものもあります。この名詞の「性」によってそれにかかる形容詞や冠詞(英語のaやtheに相当するもの)が変化したりします。
英語は系統的に学ぶことが容易
このブログでは広東語についても書いていますが、例えば広東語は非常に学びにくい言語とも言えます。その理由は、発音表記が統一されていないことや、テキストの入手が比較的困難で、教材の選択肢が少ないためです。
このような状況に比べれば、英語学習者は非常に恵まれているといえるでしょう。
英語のテキストは本屋に行けば山積みになっていますし、オンラインで学習できるサイトも数多くあります。英会話のオンラインレッスンも多くのスクールが開講していますし、安価な価格でレッスンに参加することも可能です。
英語に触れる機会は多い
日本国内にいても英語に触れる機会は自分で作ることができます。インターネットを利用すれば、無料で視聴できる英語動画や英語サイトはいくらでもありますよね。英語の映画やDVD、音楽も巷に溢れていますし、英語ニュースを聞いたり英字新聞を読むことも難しくありません。
これが、例えばアラビア語となると、ぐっと選択肢が狭まってしまいます。このような意味で、その気になれば、いくらでも英語環境は作ることができるんです。
いつでも英会話練習はできる!
英語の習得には実践が必須だと書きました。英語のレッスンを受けるにはいくらかのお金がかかりますが、オンラインで受講すればかなり格安価格でレッスンに参加することができます。
以前に比べると、価格が安くなっているだけでなく、レッスンの質もより学習者の目的に合ったコースが選べるようになっています。
これが他の言語となると、英語ほどには容易ではありません。最近はネットを介してさまざまな言語を学ぶことができますが、やはり圧倒的に受講しやすいのが英語です。多言語スクールもありますが、例えばトルコ語を学ぼうとすると講師も時間も限られてきますし、費用も高くつくケースが多いです。
これから英語を勉強する人へのアドバイス
いかがでしょうか。英語を学ぶことは決して難しくないということを説明してみました。これで、いくらか、英語を勉強しようという気持ちが持ち上がってくるとうれしいのですが…。
最後にこれから英語を勉強しようという人のために、心得ておくとよいと思うことをまとめておきます。
まずは一つの教材を制覇しよう!
英語の勉強で挫折してしまうケースの一つに、いろいろな教材に手を出し過ぎて失敗する人がいます。英語勉強法についての情報はたくさんありますので、目移りしてしまうのは分かりますが、あまりにもたくさんの方法に手を付けてしまうと、かえって学習効率が悪くなってしまうものです。
ですので、おすすめはまず、これと決めた教材を最後まで一通りやり通すことです。それが終わったら、別の教材を試してもよいし、同じものをもう一度繰りかえしてもよいでしょう。
もし、すでに手元に複数の教材やテキストがあるのであれば、一番親しみを感じるものを一つ選び、最後までやり遂げるまで他の教材には「浮気」しないと決めてください。一番薄いテキストでもかまいません。
何か、一つのことを最後までやり遂げれば、それが「成功体験」となり、次のステップへ自信をもって進めるはずです。
英語は毎日のトレーニング大切
言い古されていることですが、やはり英語の勉強は毎日繰り返すことに限ります。毎日でなくてもよいのですが、英語勉強を習慣化することが大切です。
これは、教材やテキストの品質や英会話教師のレベルよりも、重要なことだと考えてください。
英語を勉強するモチベーションを維持しよう
英語勉強を続けるためのモチベーション維持も重要なポイントでしょう。英語が難しいと感じる理由の一つに、続けるのが難しいという人がいます。
英語学習のモチベーションを維持する方法に関しては次の記事でも紹介しているので、ぜひ読んでみてくださいね。