イギリスのTVドラマ「Line of Duty」を見ています。警察機関の主に汚職対策課(Anti Corruption)で活動する警察官を主軸にしたサスペンスドラマです。
先日の投稿で紹介した「Twists and Turns」だらけのストーリーで、目が離せません。
それで、昨夜見たエピソードの中で、エリート警察官がこういっていたのが気になりピックアップしてみました。
He is from the South.の意味
southは「南」を示す単語です。基本的なワードですので、ここは問題ないでしょう。
上の例文のように、「the」を伴い大文字Sで始まると、「(その国や地域における)南部」という意味になります。話している場所によって、アメリカであれば、アメリカ南部ということになり、イギリスであればイギリス南部ということになりますね。
ですから、素直に訳すと「彼は南部出身だ」ということになります。
ただ、ドラマの中の文脈では少しニュアンスが異なり、「南半球」あるいは「アフリカなど、南半球の発展途上国」という意味で使われていました。
He is from the South.=黒人を表す婉曲表現?
これは、文脈から推察するしかないのですが、要するに「黒人」を指していっているのです。
「黒人」といってしまうと、人種差別的な雰囲気が露骨に出てしまうため、上のような言い方で婉曲しているわけです。
ドラマの中では、汚職対策課が調査対象としているのが黒人の警察官上司であり、人種差別という観点から黒人警察官の扱い方はとてもデリケートだという話の流れの中で使われていたフレーズです。
We’ve never investigated a chief officer who is from the South.
(南方出身の警察官チーフを取り調べたことはない)
みたいなセリフだったと思います。
「from the South」だけでそれが十分に伝わるため、「黒人」とは決して発言しないのです。慎重で婉曲表現が豊かなイギリスエリートらしい会話の一部でした。