イギリス英語とアメリカ英語の違いはたくさんあります。
でも、これだけは初めてイギリスに行く前に勉強しとけばよかった、という英国独特の言い回しや文法があります。
今回は、私がイギリスに行く前にもっと勉強しておけばよかったと思う、イギリス英語の表現と文法を紹介します。
付加疑問文
イギリスに初めて行ったとき、使いこなすことができなくて恥ずかしいと感じたのが、付加疑問文です。
付加疑問文は中学校の英語の授業で習う、それほど難しくない英文法ですが、日本人英語学習中級者でも、使いこなせている人は少ないのではないでしょうか。
アメリカ英語では、「〜, right?」ですませてしまうことが多いように思います。でも、イギリスでは「〜, right?」というフレーズを耳にするほうが稀です。
It’s a lovely day, isn’t it?
(今日はいい天気ですね?)
You don’t want to eat fish tonight, do you?
(今夜は、魚は食べないでしょ?)
I’ve got an appointment today, haven’t I?
(今日、私アポがあったよね)
など、きちんと付加疑問文を使うのがイギリス流。
英文法としては決して難しくないテクニックですが、実際の英会話で使いこなすのは容易ではありません。
私も、初めてイギリスに行ったときは、これが上手く使えなくて(今も完璧ではない)恥ずかしく思いました。イギリスに行く予定の方は、少しずつ練習しておくことをおすすめします。
have got の多用
これは、完ぺきに使いこなせなくてもいいので、せめて聞き取れるようになっておきたい英文法です。
イギリス英語では、一般動詞「have」を使うシーンで「have got」が使われることが非常に多いです。ただし、すべての「have」が「have got」に置き換えられる訳ではありません。
会話において、完全に使いこなせなくてもいいのですが、戸惑うのはこれが疑問文となって質問されたときです。
Have you got a pen?
(ペン、持ってる?)
このように、一般動詞の現在形疑問文は通常「Do」で始まりますが、「have got」の文では文頭に「Have」をおいて疑問文を作ります。
だからといって現在完了ではありません。シンプルな現在形として、「ペン、持ってる?」と質問しているだけなのです。
ちなみに上のように聞かれたら、「Yes, I do./No, I don’t.」といっても通じますが、正しくは「Yes, I have./No, I haven’t.」と返します。
スタンダードなあいさつは Are you alright?
学校の英語教育では、「How are you?」や「How are you doing?」などと習ったと思います。
こういったあいさつをしないわけではないんですが、イギリスでより頻繁に耳にするのが、
Are you alright?
というフレーズです。省略されて「Alright?」のみで聞かれることも多いです。
直訳すると「あなた大丈夫?」と受け取れないこともないので、奇妙に感じるかもしれません。でも、これがイギリスでよく聞くスタンダードなあいさつなんです。
「やあ、元気?」くらいの軽い気持ちで聞いているだけなので、元気であれば「Yes, I am. Thank you.」と答えればよいでしょう。
動詞 sort の使い方
イギリス英語特有の使い方をする動詞はたくさんあります。中でも日常会話でしょっちゅう聞くのが動詞 sort です。
Did you get it sorted?
(解決しましたか?)
Are you sorted?
(大丈夫?/「Are you alright?」とほぼ同じ意味で使われることもあるようです)
このような使い方を知らないと、戸惑ってしまうと思います。会話で使いこなせなくてもいいので、聞いて理解できる程度には知っておきましょう。
ちなみに、電車内のアナウンスでは、こんなフレーズがよく流れています。
If you see something that doesn’t look right, speak to staff or text the British transport police. We’ll sort it. See it. say it. Sorted.
「不審物を見かけたら、スタッフに声をかけるか英国交通警察にメールしてください。私たちが解決します」
ここでも「Sort」という単語が大切な機能を果たしています。
イギリスに行くならイギリス英語!
イギリス英語独特のいいまわしや単語の使い方は他にもたくさんあります。一度に覚えるのは難しいので、少しずつ理解していけばよいでしょう。
でも、ここに上げた4つの項目は、私自身が、もっと早く知っておけばよかったと思うことばかりです。
私はロンドンにはほとんど滞在していないので、移民や非英語ネイティブが比較的多いロンドンにおいては、よく聞く英語表現がまた違っているかもしれません。
それでも、心づもり(?)として、まずは、このあたりから記憶しておくと、イギリス人との会話で戸惑うことが少なくなると思います。
それから、そのほかのイギリス英語的表現も、少しずつ身につけていってくださいね。