「議論する」という意味でよく使われる英単語にDiscuss、Debate、Argueの三つがあります。どれも似たようなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、これらは微妙にニュアンスが異なり、使い方を誤ると誤解を与えてしまうこともあります。
「議論する」「言い合う」という意味で使われる英語表現Discuss、Debate、Argueの違いについてまとめました。
Discussの意味と使い方
discuss:
to talk about a subject with someone and tell each other your ideas or opinions
to talk or write about a subject in detail, especially considering different ideas and opinions related to it
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/discuss
「discuss」は「議論する」という意味で使える、ニュートラルな動詞です。
(君のアイデアはとても興味深い。ランチを取りながら、議論できるかな?)
(私たちはそれについて何度も議論したが、未だ妥協には至っていない)
(ミーティングの議題について、あらかじめざっと目を通してもらえますか?)
(来週、予算について話し合わなくてはいけない)
(怒鳴らいで。私たち、静かに冷静に話し合うことはできないの?)
(彼らは限られた予算をどう扱うか議論中だ)
「discuss」の後に「about」などの前置詞を置きたくなりますが、「discuss」は他動詞として機能しますので対象となることは直後に置きます。
「discuss」は「話す」だけでなく「書かれている」内容についても表すことができます。
(次の章では、それについてさらに説明します)
名詞形は「discussion」です。
(議論が白熱するにつれて、彼は興奮してきた)
(いろいろな議論があるが、最終的に決断を下すのは彼である)
Debateの意味と使い方
debate(動詞):
to discuss a subject in a formal way
to try to make a decision about something
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/debate
「debate」には、名詞と動詞としての使い方がありますが、上の引用は動詞としての意味を抜粋しています。
「debate」は「討論する」という意味でとらえるとわかりやすいかと思います。何かしらのテーマを決めて、賛成意見と反対意見を戦わせるという意味です。双方の意見を聞きながら、さらに良い方法やアイデアを得ることを目的に行われたりしますね。政治討論などもこの「debate」を使います。
(国会ではすでに数時間にわたって議論が行われているが、未だ採決に至っていない)
「the Diet」とは日本の国会のことです。
(彼らはインターネット上の倫理について討論している)
また「debate」には「熟考する」という意味もあり、一人称を主語に取ることもあります。「議論する」という意味だけで解釈しているとちょっと違和感を感じてしまうかもしれませんね。
(飛行機で行くかそれとも電車で行くか、まだ考え中だ)
先にもいいましたが、「debate」は名詞も同じ形で用います。
(去年の夏、私たちは英語のディベートコンクールに参加した)
(父は、テレビの政治討論を見るのが好きだ)
Argueの意味と使い方
argue:
to speak angrily to someone, telling that person that you disagree with them
to give the reasons for your opinion, idea, belief, etc.
出典:https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/argue
「argue」は「議論する」というよりもむしろ「口論する」「言い争う」という意味に近いです。「だれかと口論する」を表す場合は、前置詞withを使います。
(私に口答えするな!)
(隣の夫婦はいつも口論ばかりしている)
「argue」は「~について議論する/口論する」という意味で使われる場合、通常他動詞として機能し、aboutやoverなど前置詞を伴います。
(彼らは金のことで口論し始めた)
(子供たちは個人のデバイスを入手するまでは、よくテレビのチャンネル争いをしていたものだ)
また「argue」には意見を主張するという意味もあり、that節をとることもあります。
(彼は、政府は軍事費を縮小するべきだと主張した)
名詞は「argument」です。
(私たちはときどき口論もするけど、ほとんどのカップルにとってときおりもめることは当たり前だと思う)
(彼らは真夜中に大声で口論しはじめ、おかげで目が覚めた)
Discuss、Debate、Argueの違いまとめ
Discuss、Debate、Argueの意味と使い方について説明してきました。まとめると、
- discuss:議論する(ニュートラル)
- debate:討論する
- argue:口論する、言い争う
動詞で使われる場合、通常discussやdebateは前置詞なしで使いますが、argueは「about」や「over」など前置詞を伴います。
discussとdebateは、直後に疑問詞(how, which, whetherなど)を置くことも多いです。一方、argueには「意見を主張する」という意味もあるのでthat節を伴うことがあります。
それぞれの違いを理解するために、もう少し例文を紹介しておきましょう。
(どうしていつも口論しなくちゃいけないんだ?落ち着いて話し合うことは不可能なのかい?)
(彼らは理性的に討論していたようだったが、そのうち数人が感情的に口論しはじめた。けんかになるんじゃないかと思ったよ)
どうでしょうか。少しニュアンスの違いが感じられましたか? 似た意味の単語だからこそ、うまく使い分けができるようになりたいですね。