前回、「在宅勤務って英語でなんというの?」という話を書いたんですが、その中でちょっと気になったことがあります。
在宅勤務という意味で「Work form home」という表現がありますが、これって「Work at home」じゃダメなのかな?と思いませんんか。
私としては「home」という単語はなんとなく「at」と親和性が高いような気がして、つい「Work at home」といいたくなるんですよね。どちらも文法的には間違っていませんが、気になるのが両者のニュアンスの違いです。
Work from homeとWork at homeの違い
work from homeとwork at homeの違いは、本当に小さなものだと思います。繰り返しになりますが、どちらも文法的には間違っていません。
でも、厳密に言うとニュアンスに微妙な差があるようです。
両者の違いは、前置詞の相違です。「work at home」の「at(~で)」は場所を表す前置詞ですので、「自宅で」という場所に照準を当てて話していると考えるとよいかもしれません。
一方の「work from home」は「from(~から)」ですので、自宅という一つの場所で仕事をするという意味の上にどこかと連絡を取り合って仕事をしていると解釈できます。
在宅勤務はWork from homeの方がベター
どちらかというと、日本語で言う「在宅勤務」に相当するのは「work from home」の方です。
「work from home」の意味するところは、会社や組織に属しつつも自宅から上司や同僚とコンタクトをとって仕事をするということです。つまり、本来の勤務地としての会社が存在しているが自分は自宅から仕事に関わる、というニュアンスのようです。
日本語でも、「在宅勤務」と「在宅ワーク」では少しニュアンスが違いますね。在宅勤務に相当するのは「work from home」の方です。
Lots of companies started recommending their employees to work from home at the time of the coronavirus pandemic.
(コロナウイルスの世界的流行の際、多くの企業が従業員に在宅勤務を進めるようになった)He realised that he could work more efficiently when he worked from home.
(彼は在宅勤務の方が効率的に仕事ができることに気づいた)It’s better to be dressed properly even when you work from home.
(在宅勤務するときでもきちんと身なりを整える方がよい)
在宅勤務は「telecommuting」「telework」ともいわれますが、「work from home」はこれらとイコールだと考えてよさそうです。
Work at homeは広範囲の意味を含む
「work at home」といってももちろん通じますが、「work at home」の方が、意味の範囲が広くなるようですね。
「work at home」には、在宅勤務する以外に、家事をしたり家でDIYをするといった仕事も含まれるためです。掃除とか、ドアを修理したりとか、自宅で行わなくてはいけない「タスク」的な作業も含まれます。一方の「work from home」にはそういう意味はありません。
Sorry, I cannot come with you today. I have lots of work to do at home.
(ごめん、今日は一緒に出掛けられないよ。うちでやることがたくさんあるんだ)As a freelance writer, I work at home most of the time and I also work in cafes sometimes.
(フリーランスライターとして、私は大方自宅で仕事をしているが、ときにはカフェで仕事をすることもある)The school is closed today. I will work at home to prepare for my exam.
(今日は学校が閉まっているので、家で試験勉強するよ)
また、自営業で「自宅でいつも仕事をしている」という場合も「work at home」がしっくりくるようですが、ここもネイティブによっては意見が分かれるところのようです。自営業でもフリーランスの場合、クライアントと連絡を取り合いながら仕事をするわけですから「work from home」の方が適切だというネイティブもいます。
Work from homeとWork at homeの違いまとめ
- 在宅勤務=Work from home
- Work at homeには、家事やDIYも含まれる
Work from homeとWork at homeの違いは小さなものです。ちょっとした違いですが、状況によって使い分けることができるようになるといいですね。